・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断14

　イギリス艦隊は多数の死傷者、弾薬、燃料の低下などを受けやむなく全艦隊は横浜港へと撤退した。

　薩摩側も砲台を守るために死んだ者や、イギリスの市中への砲撃により死んだ多くの民など犠牲を出しつつも結果的に世界最強のイギリス艦隊を撤退させたことにより、薩摩藩の強さを内外に認めさせ、薩摩藩内の士気向上や、幕府に対しての優越感を勝ち取った。

　この薩摩藩の健闘ぶりは当時のアメリカの新聞ニューヨークタイムズでは　"世界最強のイギリス大英帝国の艦隊が、アジアの小国によって叩きのめされ、日本を決して侮ることはできない"と世界的にも知らしめた。


　「がっはっはっは！薩摩を舐めるなよ！異人ごときが。わっはっはっは！！これで幕府も我が薩摩には手を出せまい。」

 大御所島津久光はおおいに勝ち誇り、イギリスが薩摩から逃げ帰った夜に祝酒をあげた。