・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断63

　中に入った谷千城は岩倉具視らの面前で、大変な事が起こってる事を話した。

　「まあ、落ち着け。そこに座れ谷殿。」

 岩倉具視は谷の話を聞いても驚きもしないで座らせた。

　そこに西郷隆盛が口を開く。

　「実は今その事について話しをしてる最中でごわす。その正気を失いし者達というのは狂人と呼ばれる化け物でごわす。」

 西郷はその説明を谷千城にした後に、おもむろに席を立ち、なにやら部下に指示を出した。

　「おいたちは一旦京を離れ神戸へと向かうでごわす。神戸港に新政府軍の主力を集め、そしてこん狂人達を一掃するでごわす。徳川慶喜は江戸へ逃げる時に卑怯にも呪われた箱の封印を解いてしもうた。あいつは大犯罪人でごわす。」

 そう言うと京から帝、公家らを連れて全ての新政府軍は神戸へと向かった。

　すでに大阪と京は見放された。