・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断91

　「作業を怠り何をしているかぁぁぁあ！さっさと持ち場に戻れ！！日が暮れる前に丸太をさらに打ち付け柵を強固にせんと中から狂人達が出てくるだろうがぁぁあ！」

 役人達はそう言うと士族達をどかした。その中に先程の長曽根虎徹を手にした男を見つけた役人は。

　「これは、これは、桃井春蔵特吏。ここにいらっしゃいましたか。大阪に入った明治政府軍の撃剣剣術師範兼全大阪治安最高責任者であり、明治政府の特別な役人でもある、あなた様がわざわざ現場に出てこられなくても我々のほうで指示を出しますゆえ。ささ、指揮所へお戻り下さい。」

 そう言うと役人らは桃井を指揮所へと連れていった。

　残った士族らはその桃井春蔵という言葉を聞いて全員が驚愕していた。