・・その狂気は伝染する・・

最終章 世界の終焉

松本義徳首相の国家非常事態宣言8

　松本総理一行はその足で今度は京都のあるプラスチック再生工場へと向かう事にした。

 「これは、これは松本総理よくおいでいただきました。環境大臣もようこそおいでやす。」

 出迎えた会社の女社長は京都言葉と標準語を使いわけながら実に陽気な人柄の滲みでた人であり、工場内もリサイクル工場とは思えないほどの作りで、まるで宮殿のようであった。

　「いやいやこの工場はまるで宮殿ですな。」

 思わずそう叫ぶ江田島環境大臣。

　「ええ、フランスの古いお城をイメージして作ったのですよ。ルイ15世のお城の中身の一部を取り入れて作りました。
従業員達もゴミを扱うような感覚で仕事をする意識ではなく、何か素晴らしい物を特別な場所で作っているという意識も芽生え、離職率が低く、地元では求人倍率が高い企業になっはるんです。」

 まるで王様が歩くような立派な長い廊下を歩いているうちに壁側に立てかけられてる甲冑姿の西洋の騎士や、そして、フランスの王女の着るような立派な豪華で煌びやかな服が飾ってあったり、日本の着物も飾ってあった。

　「これは立派な物らですね？なんでここに飾ってあるのですか？」

 山下青年部長が社長に尋ねた。