事故物件

真相を求めて

　その知人はソファーに社長を座らせると、奥の棚にしまってあるいくつものファイルに目をやると一冊の青色のファイルを手に取り持ってきた。

　「これだこれだ」

 知人はそのファイルをテーブルの上に置くと静かに深呼吸をしだした。

　「このファイルにはあの家の元々の所有者の事が書かれているんだ。お前にここまで見せるのは初めてだが。あの家に起きた事はお前も知る事だが。そのきっかけとなった事もここに書いてあるんだよ。さあ読んでみろ」

 そう言うと知人はファイルを開き社長に示した。社長はそのファイルを静かに手に取ると中を確認した。

　「こんな事が・・こんな事が起こっていたのか・・この事は俺とお前の2人だけの秘密にしょう。いいか絶対何があろうとも山本がもしここに来ても絶対に話すなよ！！こんな家を紹介した俺がたちまち社員から愛想を尽かされるからな」

山本の会社の社長は不動産屋の知人に硬く口を閉ざすよう改めて要請した。