少年館

華岡光

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その意思を受け継いで5

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 ジョセフはリヤカーを引きながら麓にある広大な牧場まで向かった。

 「あれ?なんだろうあの人達は。」

 牧場の入り口には黒いハーフトラックが一台止まっていて、軽機関銃を持ってるドイツ兵が入り口に立っていた。

 「すいません。僕ここのおじいさんからミルクを売ってもらうために来たので中に入れてもらえませんか?」

 ジョセフは入り口に立っていたドイツ兵にそう話した。

 「なんだお前?ここの山はドイツ軍が管理してる事を知らんのか?この山の住人は全て山の下にある役場で申告をしなければならない。お前ちょっとこい!!」

 ドイツ兵はジョセフの胸ぐらを強く掴むと乱暴に牧場の中へと連れていった。

 「痛いよ、やめてください・・」

 ジョセフは牧草が敷きつめられた場所に倒されるとその場にいるよう命じられた。

 「ちょっとそこにいろ。逃げたら射殺する!!」

 ドイツ兵はジョセフの両手を縄で締め上げ太い柱へと括りつけた。

 「痛あああい!!離してください。」

 ドイツ兵は仲間を呼びに行ったらしく、ジョセフは身動きとれないまま何がなんだかわからないでいた。アドンが話していたドイツの国の悪魔の軍隊だとはこの時ジョセフはまだ知る由もなかった。
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