その場にいたのは僕だけだった

桜井 海來

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その場にいたのは僕だけだった(晴れ 1)

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 彼女の顔はこれまでとは見た事のない表情だった。本当に真剣に考えてくれてるんだろうと、そう思った。
「わかったよ、でも好きにならなかったらどうするの?それからまた延びる事ないよね?」彼女は一瞬、考え込んだ様子に見えた。やっぱり僕のことに対して、深く考えてはないように見えたが、
「約束だもの、これまでの人生で約束を破ったことなんて1度もないわ、それに、素敵な鏡を見つけたし。」
っと子供みたいな考えで、子供みたいな声で言った。それに最後に行っていた、素敵な鏡を見つけたって言うのは何だろうか、此処え来る途中鏡でも見つけたのかな?あるいわ僕・・・そんなはずはないだろう、人のことを鏡だなんて言うなんてどこかの宗教レベルだと思った。その事に関してはふれないでおこうと、無視していた。それにしても、彼女の純粋な考えは少し可笑しくてクスリと笑ってしまった僕。
 でもどこか羨ましくも思えた、正直で純粋の彼女に、僕も彼女のような性格を持っていれば学校生活が毎日楽しいだろうなって、子供の頃は普通にできていたのに、どうしてだろうな。
成生していく度に出来なくなってきて、まだ高校生な僕はこれから先どんな大人になるのか・・・だなんて考え込んでいたら、パッと彼女の顔が視界に入り込んできた。彼女は眉間をグッと寄せていた。例えるなら政治家が討ったえているぐらい顔が険しくなっていた。どうやら僕は長く考え込んでいたらしく、自分が彼女を待たせていた事に理解して、なぜだか知らないけど彼女に向けて、笑顔初心者です!っと言わんばかりのヘタクソな笑顔をした。そんな僕を険しい目で見ていた彼女は、一瞬驚いた表情を見せたと思いきや、「うふふっ」っとお上品に笑った後
 「変顔?」っと失礼なことを言った。そんなに僕の顔は変だったのか?まぁ自分でも心のどこかで変だとは思っていたし。まだギャハギャハと笑っている彼女を僕は眺めていたら少し前に彼女が言っていた、鏡の事が今になって気になり始めた。
今更だけど聞いてみようと話しかけた瞬間
 「あっ!」っと彼女は可愛らしい水色の小さな腕時計を見て「5時だよ!」
 「もう、そんな時間?」っと言いながら自分の腕時計を確認した。確かに5時だった、気づけば車も蟻の行列とまでは行かないが走っていた。
 早いな5時か・・・こんなにも時間が早いと思ったのはいつぶりだろうか、前に誰かが楽しい時間は早いと言っていたけど、僕は彼女との時間が楽しかったとでも言うのだろうか、強いて言うのであれば疲れたの一言で表したい。
 「んじゃあまたね時愛くん、約束は守るから今日学校来てね待ってるから」っと捨て台詞を言い残し
駅の方面へ駆けていった。
僕は今どうしても聞きたいことがあった 、そう鏡のことについて
「ちょっと待ってよ!」っと駆けゆく彼女に言っても立ち止まらず、顔だけを向けて笑顔で返事をした。そのまま彼女は段々ミニカーみたいに小さくなって見えなくなって行った。

 
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