7 / 12
⑦少女女子トークする ※性描写あり
しおりを挟む
「益々、あの方の匂いが強まっているように感じますけど…そんなに頻繁になさるの?」
直球過ぎるだろっ!
庭に設けたベンチに座り、私が館で見つけた古着を手直ししてくれているヴィオラ。
私とは違い料理(人型用)や裁縫が得意らしい、貴族のたしなみだとか。
このアラサーのお嬢様気に入られた私は『魔術師ファンクラブ』みたいなものに半ば無理矢理に入会させられた。
会員は一定数(?)居るそうだがまだヴィオラ以外のメンバーには会った事は無い。
いあ、むしろ居るのか?と聞きたい。
暇を見つけては遊びに来るようになったのだが、根掘り葉掘り彼の事を詮索する。
何か作業をさせていたら静かになるだろうと古着を渡したのだがあまり意味は無かった。
「あのねぇ、私今忙しいの見てわからない?」
庭の雑草を抜く手をいったん止めヴィオラの方に顔を向ける。
彼女は少女の様に目を輝かせこちらを見つめている…恐い。
数日前の騒動時に彼が使役した精霊達。
TVで観る精霊達は主人の命令になんでもきく良い子ちゃんイメージがあるけど、この世界では供給と需要が発生するそうできちんと『代価』を払わなければお願いをきいてくれない。
未払いでいるといざ必要な時に姿を現してくれないと言う。
土の精霊はキラキラ光るものが好きだとかで紅玉を与える事で代価は支払われたのだが、風の精霊は綺麗な空気を提供する場を求めてくる。
木を植えたり、水を清めたり…つまり庭掃除だ。
私を助けるために呼びだしたので、労働は私が買って出た。
まぁ…最近昼も夜も体を使うので、明るい間は休んでもらっている。
「ヴィオラはなんでそんなにオジサンが好きなわけ?」
体についた土埃を軽く払いヴィオラの横に腰かける。
ヴィオラは繕い終えた古着を畳むと私に手渡す。
「あの方は見た目が麗しいと言うだけでは無くて血筋も完璧なのですわ。純血も純血。あれほど高貴な血をお持ちの方は居りません。あの方を喰らえばふふふ…良い子が産まれますわ』
「喰…う…?」
精子と卵子が結びついて出来るのとちがうのか!?
私も養分になるところだったのか…カマキリ腹の自分を想像し身震いする。
なんとなく彼が彼女から距離を取っていた理由がわかった。
粘着質な性格は(恐いけど)置いておいて、愛・結婚=餌なんだね…カマキリに食虫植物だもんね。
喰われちゃかなわない。
「痛っ」
砂が目に入ったのか左目が痛む、かがむと脳裡に映像が流れる。
先日夢で見た中年女性と青年、だがもう少し昔?青年の背丈が小さく顔立ちも丸い。
古本を持ち中年女性の膝の上であれこれ質問しているようだ。
あの悍ましい光景の様子は微塵もない、幸せな温かい光景…色で例えるなら薄いオレンジの光。
『良い子ねフェロー、そうよそう読むの』
体を揺さぶられ我に返る。
目の痛みと白昼夢は消える、疲れてるのかなぁ…。
こうも変な夢が続くと不気味だ。
「こんな昼間に寝ぼけるなんて、そんなに激しいのですか?詳細をほら」
「だからそう言う質問は答えられないからっ!…それよりフェローって人知ってる?」
目を丸くして口元に手を当て驚いた様を表現するヴィオラ。
「貴女、自分の主人の名前をご存じないなんて!…現在は赤の魔術師の名前を継承されていますから新しい名をお持ちで幼名は捨てていらっしゃいますけど。親が授けた名前はフェローでしてよ」
彼の名を知った喜びもつかの間、もしこれが過去の記憶とかなら…あの血なまぐさい中で身も心も犯されたのは彼と言う事になってしまう。
どうしてそんなモノが見えるのか、はたまたこれが現実にあった事なのか色々疑問が出てくる。
事細かな夢の内容は伏せて白昼夢の話をヴィオラに相談してみる。
足を組み扇子で口元を押さえ耳打ちしてくる。
「それは『千里眼』と言うものかもしれませんわね、あの方の魔力が体に入ったのですから第六感とやらが働いているのやもしれませんわ。愛しい君の母君もそれはそれは素晴らしい『千里眼』の持ち主だったそうですから…。ですが!同士として忠告しておきますわ、彼の前で母君のお話は絶対に禁物です。焼き殺されますわよ」
夢の真相をなんとなく裏付けるようなヴィオラの忠告。
私の表情を読み取ることができるのは彼も絶望を知っているからだ。
兄の話はした事が無い、話すつもりもないし、知られたくない。
…私が彼なら尋ねて欲しくない、と思う。
閉じた傷口を再び広げる事は無い。
白昼夢の事は彼に知られない様に努めよう。
「貴女の質問には答えて差し上げたのですから、私の質問にも答えてくださいな…ほら!」
しまった!そうきたかっ!
相談する相手間違えたな…でも知り合いってヴィオラしか居ないしなぁ。
彼女の扇子を奪い口元をかくし耳打ちする。
今朝窓から小鳥を頬づえをついて眺めていたら、学生服のスカートが短いせいかパンツが見えていたらしくて指摘してくれたんだけど…。
『どこ見てるのよ変態』って(もう変態が挨拶の様になっている気がしなくもない)言っちゃったんだよねぇ。
そしたら…『では変態らしくお答えしましょう』と、後ろむいたま愛撫はじめてお尻もアソコも見られながら舐められて…。
それだけでも恥ずかしいのに、ブラウス全開でおっぱい丸見えなのに窓に押し付けて後ろから突き始めるし!
ヴィオラが訪ねて来るって『知っておきながら』、窓前でだよ?信じられる!
そんな中で2回もイカされたわよ!!
その頃にちょうどヴィオラが尋ねて来たので窓辺のエッチはそこで彼を振り払って出てきた。
「と、言うわけですよ」
話し終えた後に、『どちらが変態ですかね?』
耳たぶを噛まれながら囁かれた事を思い出し赤面してしまう。
扇子をヴィオラに返す。
その扇子で顔を隠すヴィオラ。
「ああ…これを同志たちに早く話してこのドキドキを共有したい」
「盛らないでね、あと同士って彼のファン?て事でしょう…ヴィオラも少し前まで鬼の形相で怒ってたじゃん?みんなキレたりしないの?私もう死にそうになるの嫌だよ~」
草むしりを再開する。
風の精霊が私の髪をつまんだり撫でたりしてくる。
機嫌がいいのかな?
「あの日は白の魔女が喰われたと聞いて私の『美容液候補』が一つ減ったと焦りが出ておりましたの。女は美しさが重要ですもの。今回は…命を助けて頂いたお礼、私払うべき代価です、貴女が妻になりたいのでしたら100年ぐらいは待ってさしあげます。それから屠っても遅くは無いですから。…赤白以外にも魔術師はまだ居りますからね他の同士も似たような気持ちだと思います。ですが我々キメラは交尾をせぬ者が多いのでロマンスを知ることができませんから貴女の情報は貴重でしてよ」
オジサンもヴィオラも長生きなんだなぁ。
見た目年齢じゃないんだね、エルフもキメラも。
100年…かぁ、死ぬまで一緒に居られれば最高だね、本当に。
「私の恋は実らない恋なんだよ、オジサン喰うのは賛成できないけど恋愛は遠慮しなくていいんだよ?」
チッチッチと人差し指をたて舌を鳴らすヴィオラ。
「あの方が人間を、しかも女性を館に招く事態我々の中では事件ですから。疼きの件などたぶん本当は関係ないと思いますのよ、悔しいですが惹かれるものが御有りなのです貴女に。同士よ弱音を吐いておらずどんどん交尾をし私に報告なさいな!」
ドレスの袖から巻物を出すヴィオラ。
オジサンのような魔法アイテム?
「ここに記して、いつか出版いたしますわ私!!」
それは、一部で需要がある『薄い本』と言うものか!
売れるのかなぁと思いつつ、読んでみたい自分も居る。
「ふふ、いつかできたら地球に飛ばしてよ。英語訳付きで」
「異次元に物質を送る方法は上位魔術師でないと使えませんゆえ、愛しい君にお渡しすればよろしいかしら?」
う~ん、それは燃やされそうだねぇ。
私からお願いしてたら送ってくれるかなぁ。
長く女子トークをしていたもので陽が傾きかける。
ヴィオラも光合成ができないと怠くなるそうなので家路につく。
部屋に戻ると、彼が私のベッドで横になって居た。
疼く夜が来る…その前に。
「朝の続きがしたいの」
彼の耳を軽くかじって囁いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
★アルファポリス第11回恋愛小説大賞参加中★
https://www.alphapolis.co.jp/novel/312378803/820159963
『旦那様は小説家~汚部屋産オタ女の恋愛はHモードです 』
更新中!
皆さんの1票が励みになります!
応援、投票よろしくお願いします。
ロップイヤーu・x・u
各話上にある『投票する』を
クリックすると投票ページにジャンプします。
直球過ぎるだろっ!
庭に設けたベンチに座り、私が館で見つけた古着を手直ししてくれているヴィオラ。
私とは違い料理(人型用)や裁縫が得意らしい、貴族のたしなみだとか。
このアラサーのお嬢様気に入られた私は『魔術師ファンクラブ』みたいなものに半ば無理矢理に入会させられた。
会員は一定数(?)居るそうだがまだヴィオラ以外のメンバーには会った事は無い。
いあ、むしろ居るのか?と聞きたい。
暇を見つけては遊びに来るようになったのだが、根掘り葉掘り彼の事を詮索する。
何か作業をさせていたら静かになるだろうと古着を渡したのだがあまり意味は無かった。
「あのねぇ、私今忙しいの見てわからない?」
庭の雑草を抜く手をいったん止めヴィオラの方に顔を向ける。
彼女は少女の様に目を輝かせこちらを見つめている…恐い。
数日前の騒動時に彼が使役した精霊達。
TVで観る精霊達は主人の命令になんでもきく良い子ちゃんイメージがあるけど、この世界では供給と需要が発生するそうできちんと『代価』を払わなければお願いをきいてくれない。
未払いでいるといざ必要な時に姿を現してくれないと言う。
土の精霊はキラキラ光るものが好きだとかで紅玉を与える事で代価は支払われたのだが、風の精霊は綺麗な空気を提供する場を求めてくる。
木を植えたり、水を清めたり…つまり庭掃除だ。
私を助けるために呼びだしたので、労働は私が買って出た。
まぁ…最近昼も夜も体を使うので、明るい間は休んでもらっている。
「ヴィオラはなんでそんなにオジサンが好きなわけ?」
体についた土埃を軽く払いヴィオラの横に腰かける。
ヴィオラは繕い終えた古着を畳むと私に手渡す。
「あの方は見た目が麗しいと言うだけでは無くて血筋も完璧なのですわ。純血も純血。あれほど高貴な血をお持ちの方は居りません。あの方を喰らえばふふふ…良い子が産まれますわ』
「喰…う…?」
精子と卵子が結びついて出来るのとちがうのか!?
私も養分になるところだったのか…カマキリ腹の自分を想像し身震いする。
なんとなく彼が彼女から距離を取っていた理由がわかった。
粘着質な性格は(恐いけど)置いておいて、愛・結婚=餌なんだね…カマキリに食虫植物だもんね。
喰われちゃかなわない。
「痛っ」
砂が目に入ったのか左目が痛む、かがむと脳裡に映像が流れる。
先日夢で見た中年女性と青年、だがもう少し昔?青年の背丈が小さく顔立ちも丸い。
古本を持ち中年女性の膝の上であれこれ質問しているようだ。
あの悍ましい光景の様子は微塵もない、幸せな温かい光景…色で例えるなら薄いオレンジの光。
『良い子ねフェロー、そうよそう読むの』
体を揺さぶられ我に返る。
目の痛みと白昼夢は消える、疲れてるのかなぁ…。
こうも変な夢が続くと不気味だ。
「こんな昼間に寝ぼけるなんて、そんなに激しいのですか?詳細をほら」
「だからそう言う質問は答えられないからっ!…それよりフェローって人知ってる?」
目を丸くして口元に手を当て驚いた様を表現するヴィオラ。
「貴女、自分の主人の名前をご存じないなんて!…現在は赤の魔術師の名前を継承されていますから新しい名をお持ちで幼名は捨てていらっしゃいますけど。親が授けた名前はフェローでしてよ」
彼の名を知った喜びもつかの間、もしこれが過去の記憶とかなら…あの血なまぐさい中で身も心も犯されたのは彼と言う事になってしまう。
どうしてそんなモノが見えるのか、はたまたこれが現実にあった事なのか色々疑問が出てくる。
事細かな夢の内容は伏せて白昼夢の話をヴィオラに相談してみる。
足を組み扇子で口元を押さえ耳打ちしてくる。
「それは『千里眼』と言うものかもしれませんわね、あの方の魔力が体に入ったのですから第六感とやらが働いているのやもしれませんわ。愛しい君の母君もそれはそれは素晴らしい『千里眼』の持ち主だったそうですから…。ですが!同士として忠告しておきますわ、彼の前で母君のお話は絶対に禁物です。焼き殺されますわよ」
夢の真相をなんとなく裏付けるようなヴィオラの忠告。
私の表情を読み取ることができるのは彼も絶望を知っているからだ。
兄の話はした事が無い、話すつもりもないし、知られたくない。
…私が彼なら尋ねて欲しくない、と思う。
閉じた傷口を再び広げる事は無い。
白昼夢の事は彼に知られない様に努めよう。
「貴女の質問には答えて差し上げたのですから、私の質問にも答えてくださいな…ほら!」
しまった!そうきたかっ!
相談する相手間違えたな…でも知り合いってヴィオラしか居ないしなぁ。
彼女の扇子を奪い口元をかくし耳打ちする。
今朝窓から小鳥を頬づえをついて眺めていたら、学生服のスカートが短いせいかパンツが見えていたらしくて指摘してくれたんだけど…。
『どこ見てるのよ変態』って(もう変態が挨拶の様になっている気がしなくもない)言っちゃったんだよねぇ。
そしたら…『では変態らしくお答えしましょう』と、後ろむいたま愛撫はじめてお尻もアソコも見られながら舐められて…。
それだけでも恥ずかしいのに、ブラウス全開でおっぱい丸見えなのに窓に押し付けて後ろから突き始めるし!
ヴィオラが訪ねて来るって『知っておきながら』、窓前でだよ?信じられる!
そんな中で2回もイカされたわよ!!
その頃にちょうどヴィオラが尋ねて来たので窓辺のエッチはそこで彼を振り払って出てきた。
「と、言うわけですよ」
話し終えた後に、『どちらが変態ですかね?』
耳たぶを噛まれながら囁かれた事を思い出し赤面してしまう。
扇子をヴィオラに返す。
その扇子で顔を隠すヴィオラ。
「ああ…これを同志たちに早く話してこのドキドキを共有したい」
「盛らないでね、あと同士って彼のファン?て事でしょう…ヴィオラも少し前まで鬼の形相で怒ってたじゃん?みんなキレたりしないの?私もう死にそうになるの嫌だよ~」
草むしりを再開する。
風の精霊が私の髪をつまんだり撫でたりしてくる。
機嫌がいいのかな?
「あの日は白の魔女が喰われたと聞いて私の『美容液候補』が一つ減ったと焦りが出ておりましたの。女は美しさが重要ですもの。今回は…命を助けて頂いたお礼、私払うべき代価です、貴女が妻になりたいのでしたら100年ぐらいは待ってさしあげます。それから屠っても遅くは無いですから。…赤白以外にも魔術師はまだ居りますからね他の同士も似たような気持ちだと思います。ですが我々キメラは交尾をせぬ者が多いのでロマンスを知ることができませんから貴女の情報は貴重でしてよ」
オジサンもヴィオラも長生きなんだなぁ。
見た目年齢じゃないんだね、エルフもキメラも。
100年…かぁ、死ぬまで一緒に居られれば最高だね、本当に。
「私の恋は実らない恋なんだよ、オジサン喰うのは賛成できないけど恋愛は遠慮しなくていいんだよ?」
チッチッチと人差し指をたて舌を鳴らすヴィオラ。
「あの方が人間を、しかも女性を館に招く事態我々の中では事件ですから。疼きの件などたぶん本当は関係ないと思いますのよ、悔しいですが惹かれるものが御有りなのです貴女に。同士よ弱音を吐いておらずどんどん交尾をし私に報告なさいな!」
ドレスの袖から巻物を出すヴィオラ。
オジサンのような魔法アイテム?
「ここに記して、いつか出版いたしますわ私!!」
それは、一部で需要がある『薄い本』と言うものか!
売れるのかなぁと思いつつ、読んでみたい自分も居る。
「ふふ、いつかできたら地球に飛ばしてよ。英語訳付きで」
「異次元に物質を送る方法は上位魔術師でないと使えませんゆえ、愛しい君にお渡しすればよろしいかしら?」
う~ん、それは燃やされそうだねぇ。
私からお願いしてたら送ってくれるかなぁ。
長く女子トークをしていたもので陽が傾きかける。
ヴィオラも光合成ができないと怠くなるそうなので家路につく。
部屋に戻ると、彼が私のベッドで横になって居た。
疼く夜が来る…その前に。
「朝の続きがしたいの」
彼の耳を軽くかじって囁いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
★アルファポリス第11回恋愛小説大賞参加中★
https://www.alphapolis.co.jp/novel/312378803/820159963
『旦那様は小説家~汚部屋産オタ女の恋愛はHモードです 』
更新中!
皆さんの1票が励みになります!
応援、投票よろしくお願いします。
ロップイヤーu・x・u
各話上にある『投票する』を
クリックすると投票ページにジャンプします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる