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第1章
6、アナイリンの思慕
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オスウィンは王宮を辞するとライギットに戻る前に自身の屋敷に足を運んだ。
一年の大半を南の国境で過ごしているので、王都にいる時は出来るだけ家族と過ごすようにしている。
屋敷に着くと長くファッハード家に仕えている家来が困ったような表情で出迎えた。
「アデラ様がいらしておられます」
オスウィンは舌打ちをした。
いつもならオスウィンが戻れば、妻と三人の娘たちが必ず出迎えるのだが、客人の対応でできないのだろう。
アデラはオスウィンの叔母に当たる女性で、公爵家に嫁いでいるのだが、何かと実家であるファッハード家に押し掛けてくる。
若い頃は華やかの美貌で周囲に持て囃された。末娘ということもあり、先々代のファッハード侯爵に甘やかされたせいか、我が儘で口うるさく、大人しい性格のオスウィンの妻に何かと理由を付けて説教をしていくのだ。
客間に入るとやはり妻と三人の娘たちを前に声高に何かを捲し立てていた。
妻のオファイラと長女のアナイリンは慎ましくアデラの説教を聞いていたが、次女のダリラと三女のラービアはややうんざりした表情をしていた。
オファイラは薄茶色の髪を長く三つ編みにし、つばのない帽子をかぶり被衣で顔以外の部分を覆っていた。細かな家紋の刺繍を施した袖なしの上着は長く裾を引き、長袖で踝まで届く上衣に膨らみのあるズボン、布製の靴を履いた伝統的なアジメール王国の上流階級の女性の服装だ。
華やかな美女ではないが、穏やかな物腰の優しげな女性だった。
長女のアナイリンはオファイラと同様の服装だが、被衣ではなく細長い布を顎の下で結んでいた。赤茶色の巻き毛は三つ編みにせず背中に流していた。
上質な陶器のように白く清雅な顔に嵌め込まれた深い海の青を思わせる瞳は理知的な光を宿していた。
ダリラは勝ち気な性格なのだろう叱られるのが不満という表情だったが、さすがに年長者である大叔母には逆らえないようで厚味のあるぽってりとした紅唇をキュッと窄めて下を向いていた。
ラービアも可愛らしい眉を寄せ、不満そうに母親を見ては視線で叱られていた。
オスウィンが入っていくとダリラとラービアは顔を輝かせた。
「お帰りなさいませ、お父様」
「お疲れでしょう。すぐにお茶をお持ちします」
大叔母の説教から解放されるとホッとしたのもあるが、なかなか会えない父親を敬愛しているのだ。
オファイラやアナイリンも嬉しそうに微笑んでいる。
アデラは説教を中断されたのが腹立たしいのか、甥ということもあり、あからさまにムッとした表情を浮かべている。
「まあ。オスウィン、王都に来ていたのですね」
「ええ、王太子殿下に呼び出されましたのでね。叔母上もお元気そうで何よりですな」
不躾な視線をアデラに浴びせると皮肉を込めて、オスウィンが言った。
若い頃は美貌が自慢だったのだろうが、だいぶ肉がついて血色のよい顔は二重あごになり、喋る度に頬の肉が揺れている。
その皮肉が分かったのか、顔を赤く染めたが何も言わずにお茶を用意していた娘たちに向き直る。
「ダリラもラービアもお父上がお帰りになられて嬉しいのはわかりますが、そのように人前で騒々しく動くものではありませんよ。オファイラも注意なさいませ」
「申し訳ございません」
理不尽な説教をされても、穏やかな様子を崩すことなくオファイラは謝罪した。怒られた二人の娘は膨れてそっぽを向いている。
「叔母上、何か御用があったのですかな。御前会議の為に少々馬を飛ばしましたので休みたいのですが」
言外に早く帰れという思いを大いに匂わせつつ言ったのだが、アデラには通じなかったようで訪ねてきた用事を思い出したのかにんまりと笑う。
「ええ、アナイリンに良いお話があるのですよ」
オスウィンは眉を顰めた。オファイラもアナイリンの気持ちを知っているので心配げな視線を夫に向けてくる。
アデラは細密画を取り出すとオスウィンに渡す。細密画には如何にも凛々しい男性が描かれているが、こんなものはいくらでも見目良く描くことが出来る。
手入れの行き届いた口髭を蓄えた唇が皮肉気に歪む。
長女の婿予定のあの若者の足元に及べるなら立派な物だと。
「夫の従兄の息子なのですが、とても立派な人物なのですよ。近衛大隊で中隊長をされているのだとか。この家に相応しい婿になるでしょうね」
「大叔母様」
それまで慎ましくアデラの話を聞いていたアナイリンがやんわりと話を遮った。
「わたくしにはお慕い申し上げている方がおります。その方と結婚したいのでこのお話は無かったことにして下さい」
「まあ!」
自分が見合いを勧めれば、素直に言いなりになると思っていたアナイリンにあっさり断られて、唖然としたアデラはオスウィンに食って掛かってきた。
「オスウィン、もう婚約しているというのですか! 私は存じませんよ!」
「……いいえ。わたくしが勝手にお慕いしているだけです」
悄然と項垂れるアナイリンに単なる片思いだと分かり、喜色を浮かべて宥めるように話し出す。
「それならば、諦めなさいな。どなたなのですかその相手は」
「ナイジェル・イスハーク様です。エルギン辺境伯様の甥に当たられます」
「ああ、あの。その方の武名は立派ですが、父親が誰かも分からない男をファッハードの家に入れるのはねえ。ファッハード家の名が穢れるというものですよ」
オファイラはそっと長女の前から茶碗と菓子皿を引いて、彼女の手の届かないところに置いた。
アナイリンを挟んで反対側に座っていたオスウィンも同様にダリラが淹れてくれたお茶を体の横に置いた。
大叔母の隣に座っていたダリラとラービアは何気ない仕草で席を立つと父親の後ろに座る。
「たとえ、大叔母様でもナイジェル様の悪口を言うことは許せません。取り消してください」
「アナイリン、大叔母である私に対してなんという口の利き方ですか! 無礼な」
「大叔母様」
ひたりとアデラをアナイリンが見つめる。
「無礼はそちらでしょう。ナイジェル様のお父上が誰なのか分からないことはナイジェル様に何の責任もないこと。あの方はアジメールの兵士として王国を守ってくださっています。平和な王都にいて暇があれば、母上にお説教に来る大叔母様にあの方を侮辱する権利はございません」
呆然と口を開けたまま、アナイリンの言葉を聞いていたアデラはぶるぶると屈辱に身を震わせる。
「い、嫁き遅れても私は縁談の世話はしませんからね! アナイリン、そんな生意気な口を聞く娘は殿方に嫌われますよ!」
「ナイジェル様以外の殿方に嫌われてもわたくしは痛くも痒くもございません。
……まして地位をお金で買うような方などに」
アデラの息子も近衛大隊に所属しているが、能力に不相応な地位についている。
アナイリンはそのことを言った訳でないがアデラにとっては痛いところを突かれたのだろう、真っ赤になって憤然と帰って行った。
アデラを見送ってホッとオファイラは息をついた。
「……今度は大切な茶碗を割られずに済んでようございました」
「申し訳ありません、父上。生意気な口を聞きました」
「なに構わんさ。お前が言っていることは正しい」
オスウィンは苦笑して、項垂れる長女の頭を優しく撫でた。
以前にナイジェルを悪く言った従兄弟の頭を家宝の花瓶で叩き割ったことのあるアナイリンだった。十代の頃から剣士として武名が響き渡っていたナイジェルに嫉妬して散々揶揄っていたのだ。
どんな悪口を言われても、笑って聞き流していたナイジェルが父親のことが出た途端、悲しげに目を伏せたのを見て動揺したアナイリンが従兄弟の口を塞ごうと思ってやってしまったのだ。
東方から伝わった薄い花瓶だったので大事には至らなかったが、頭から血を吹きだして泣き叫ぶ従兄弟を手当てしたナイジェルに窘められた。
いくら何でもやり過ぎだと。
事情を聞き、怒り狂う伯母と流石に厳しい顔で叱責するオファイラに一緒に謝ってくれた。
従兄弟たちが帰りほんの一時二人だけになった時に礼を言われた。
『有難う、アナイリン』
年下の少女に庇われたのが照れ臭かったのか、はにかんだ笑顔で礼を言うナイジェルを暫く見惚れてしまった。
それまでのナイジェルは笑顔を浮かべていても見えない壁を作って拒絶されているようにアナイリンには思えてならなかった。
その時だけ彼の心に触れられたような気がして、とても嬉しかったのだ。
たぶん、この時からなのだと思う。
単なる憧れに似た淡い恋心が深く強い恋慕に変わっていったのは。
一年の大半を南の国境で過ごしているので、王都にいる時は出来るだけ家族と過ごすようにしている。
屋敷に着くと長くファッハード家に仕えている家来が困ったような表情で出迎えた。
「アデラ様がいらしておられます」
オスウィンは舌打ちをした。
いつもならオスウィンが戻れば、妻と三人の娘たちが必ず出迎えるのだが、客人の対応でできないのだろう。
アデラはオスウィンの叔母に当たる女性で、公爵家に嫁いでいるのだが、何かと実家であるファッハード家に押し掛けてくる。
若い頃は華やかの美貌で周囲に持て囃された。末娘ということもあり、先々代のファッハード侯爵に甘やかされたせいか、我が儘で口うるさく、大人しい性格のオスウィンの妻に何かと理由を付けて説教をしていくのだ。
客間に入るとやはり妻と三人の娘たちを前に声高に何かを捲し立てていた。
妻のオファイラと長女のアナイリンは慎ましくアデラの説教を聞いていたが、次女のダリラと三女のラービアはややうんざりした表情をしていた。
オファイラは薄茶色の髪を長く三つ編みにし、つばのない帽子をかぶり被衣で顔以外の部分を覆っていた。細かな家紋の刺繍を施した袖なしの上着は長く裾を引き、長袖で踝まで届く上衣に膨らみのあるズボン、布製の靴を履いた伝統的なアジメール王国の上流階級の女性の服装だ。
華やかな美女ではないが、穏やかな物腰の優しげな女性だった。
長女のアナイリンはオファイラと同様の服装だが、被衣ではなく細長い布を顎の下で結んでいた。赤茶色の巻き毛は三つ編みにせず背中に流していた。
上質な陶器のように白く清雅な顔に嵌め込まれた深い海の青を思わせる瞳は理知的な光を宿していた。
ダリラは勝ち気な性格なのだろう叱られるのが不満という表情だったが、さすがに年長者である大叔母には逆らえないようで厚味のあるぽってりとした紅唇をキュッと窄めて下を向いていた。
ラービアも可愛らしい眉を寄せ、不満そうに母親を見ては視線で叱られていた。
オスウィンが入っていくとダリラとラービアは顔を輝かせた。
「お帰りなさいませ、お父様」
「お疲れでしょう。すぐにお茶をお持ちします」
大叔母の説教から解放されるとホッとしたのもあるが、なかなか会えない父親を敬愛しているのだ。
オファイラやアナイリンも嬉しそうに微笑んでいる。
アデラは説教を中断されたのが腹立たしいのか、甥ということもあり、あからさまにムッとした表情を浮かべている。
「まあ。オスウィン、王都に来ていたのですね」
「ええ、王太子殿下に呼び出されましたのでね。叔母上もお元気そうで何よりですな」
不躾な視線をアデラに浴びせると皮肉を込めて、オスウィンが言った。
若い頃は美貌が自慢だったのだろうが、だいぶ肉がついて血色のよい顔は二重あごになり、喋る度に頬の肉が揺れている。
その皮肉が分かったのか、顔を赤く染めたが何も言わずにお茶を用意していた娘たちに向き直る。
「ダリラもラービアもお父上がお帰りになられて嬉しいのはわかりますが、そのように人前で騒々しく動くものではありませんよ。オファイラも注意なさいませ」
「申し訳ございません」
理不尽な説教をされても、穏やかな様子を崩すことなくオファイラは謝罪した。怒られた二人の娘は膨れてそっぽを向いている。
「叔母上、何か御用があったのですかな。御前会議の為に少々馬を飛ばしましたので休みたいのですが」
言外に早く帰れという思いを大いに匂わせつつ言ったのだが、アデラには通じなかったようで訪ねてきた用事を思い出したのかにんまりと笑う。
「ええ、アナイリンに良いお話があるのですよ」
オスウィンは眉を顰めた。オファイラもアナイリンの気持ちを知っているので心配げな視線を夫に向けてくる。
アデラは細密画を取り出すとオスウィンに渡す。細密画には如何にも凛々しい男性が描かれているが、こんなものはいくらでも見目良く描くことが出来る。
手入れの行き届いた口髭を蓄えた唇が皮肉気に歪む。
長女の婿予定のあの若者の足元に及べるなら立派な物だと。
「夫の従兄の息子なのですが、とても立派な人物なのですよ。近衛大隊で中隊長をされているのだとか。この家に相応しい婿になるでしょうね」
「大叔母様」
それまで慎ましくアデラの話を聞いていたアナイリンがやんわりと話を遮った。
「わたくしにはお慕い申し上げている方がおります。その方と結婚したいのでこのお話は無かったことにして下さい」
「まあ!」
自分が見合いを勧めれば、素直に言いなりになると思っていたアナイリンにあっさり断られて、唖然としたアデラはオスウィンに食って掛かってきた。
「オスウィン、もう婚約しているというのですか! 私は存じませんよ!」
「……いいえ。わたくしが勝手にお慕いしているだけです」
悄然と項垂れるアナイリンに単なる片思いだと分かり、喜色を浮かべて宥めるように話し出す。
「それならば、諦めなさいな。どなたなのですかその相手は」
「ナイジェル・イスハーク様です。エルギン辺境伯様の甥に当たられます」
「ああ、あの。その方の武名は立派ですが、父親が誰かも分からない男をファッハードの家に入れるのはねえ。ファッハード家の名が穢れるというものですよ」
オファイラはそっと長女の前から茶碗と菓子皿を引いて、彼女の手の届かないところに置いた。
アナイリンを挟んで反対側に座っていたオスウィンも同様にダリラが淹れてくれたお茶を体の横に置いた。
大叔母の隣に座っていたダリラとラービアは何気ない仕草で席を立つと父親の後ろに座る。
「たとえ、大叔母様でもナイジェル様の悪口を言うことは許せません。取り消してください」
「アナイリン、大叔母である私に対してなんという口の利き方ですか! 無礼な」
「大叔母様」
ひたりとアデラをアナイリンが見つめる。
「無礼はそちらでしょう。ナイジェル様のお父上が誰なのか分からないことはナイジェル様に何の責任もないこと。あの方はアジメールの兵士として王国を守ってくださっています。平和な王都にいて暇があれば、母上にお説教に来る大叔母様にあの方を侮辱する権利はございません」
呆然と口を開けたまま、アナイリンの言葉を聞いていたアデラはぶるぶると屈辱に身を震わせる。
「い、嫁き遅れても私は縁談の世話はしませんからね! アナイリン、そんな生意気な口を聞く娘は殿方に嫌われますよ!」
「ナイジェル様以外の殿方に嫌われてもわたくしは痛くも痒くもございません。
……まして地位をお金で買うような方などに」
アデラの息子も近衛大隊に所属しているが、能力に不相応な地位についている。
アナイリンはそのことを言った訳でないがアデラにとっては痛いところを突かれたのだろう、真っ赤になって憤然と帰って行った。
アデラを見送ってホッとオファイラは息をついた。
「……今度は大切な茶碗を割られずに済んでようございました」
「申し訳ありません、父上。生意気な口を聞きました」
「なに構わんさ。お前が言っていることは正しい」
オスウィンは苦笑して、項垂れる長女の頭を優しく撫でた。
以前にナイジェルを悪く言った従兄弟の頭を家宝の花瓶で叩き割ったことのあるアナイリンだった。十代の頃から剣士として武名が響き渡っていたナイジェルに嫉妬して散々揶揄っていたのだ。
どんな悪口を言われても、笑って聞き流していたナイジェルが父親のことが出た途端、悲しげに目を伏せたのを見て動揺したアナイリンが従兄弟の口を塞ごうと思ってやってしまったのだ。
東方から伝わった薄い花瓶だったので大事には至らなかったが、頭から血を吹きだして泣き叫ぶ従兄弟を手当てしたナイジェルに窘められた。
いくら何でもやり過ぎだと。
事情を聞き、怒り狂う伯母と流石に厳しい顔で叱責するオファイラに一緒に謝ってくれた。
従兄弟たちが帰りほんの一時二人だけになった時に礼を言われた。
『有難う、アナイリン』
年下の少女に庇われたのが照れ臭かったのか、はにかんだ笑顔で礼を言うナイジェルを暫く見惚れてしまった。
それまでのナイジェルは笑顔を浮かべていても見えない壁を作って拒絶されているようにアナイリンには思えてならなかった。
その時だけ彼の心に触れられたような気がして、とても嬉しかったのだ。
たぶん、この時からなのだと思う。
単なる憧れに似た淡い恋心が深く強い恋慕に変わっていったのは。
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