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第六話
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バハディルは大分省略して説明してはいたが、話し終える頃には大分陽は傾いていた。
スライが部屋に置かれた油燈に火を入れていく。
アクサルは瞳を閉じてじっと聞き入っていた。
バハディルが話し終えると沈黙がその場を支配した。
「一つ聞きたいのだが」
「はい、なんなりと」
「……俺は陛下の勅命を果たせたのか?」
先ほどまでの傲慢な物言いとは違い、どこか心許なそうな、真摯な心情が見えた。
バハディルは息を呑んで口を噤み、代わりに答えたのはグラムだった。
「我らの竜騎士は勅命を果たさずに亡くなる方ではありますまい。アクサル様の御名はフェルガナでは尊敬と恐怖の対象となっております」
「あれだけ殺せばな」
口角を上げて嗤う姿にひやりとした空気になる。
「お前たちはナイジェルを元に戻したいのだろう?」
「はい、どんなことをいたしましても」
バハディルは強い決意でアクサルに対峙する。
その強い視線を受けてもアクサルは得に顔色を変えることなく、バハディルの決意を鼻で笑った。
「俺はもう死んだ人間だ。現世に執着してお前たちの邪魔をする気はない。……ナイジェルに使われた眠り薬に何が入っていたか分かるか?」
「はい、大麻と……」
ドミトリーはいくつかの薬草の名前を上げていく。
それを聞いていたアクサルは盛大に眉を顰めた。
「俺の母親が半分精霊の血を引いていることは知っているな?」
「オーレクの日記にそのような記述があったことは知っております」
答えたのはグラムだった。
「妻のアデリナも大した力はないが女精霊だった。娘のマヌラは精霊の血が濃く表れていた。それはアジメール王家の者にも影響していただろうな。使われた眠り薬に人には大して影響はないが、精霊を昏倒させ死に至らしめる毒草が入っている」
声のない悲鳴が上がる。
ひっそりと部屋の外に控えて話を聞いていたスライが顔色を変える。
「精神に打撃を受けたのだろう。精霊の血が濃く顕現していたからだろうな。あまり普通の人間ではなかっただろうナイジェルは」
「それでは、ナイジェル様はどうなってしまわれるのですか!」
スライは縋りつくようにアクサルを見る。
「お前たちは俺に消えて欲しいのだろう? そんな奴らに教唆する義理はないな」
冷ややかな視線をスライたちに当てるとアクサル不貞腐れたように横になった。
スライは絶句して震えあがった。
バハディルも同様で蒼褪めて俯く。
「アクサル様、我らの無礼をお許しください。私は幼い頃からアクサル様をお慕いし忠誠を捧げてきました。ラスロ家の者は皆そうです。ナイジェル様はアクサル様の生まれ変わりだと確信しております。アクサル様とて分かっておいでなのでしょう。だから、どうか……」
膝を勧めて、アクサルに言い募っていたクルバンは言葉に詰まり泣き出してしまった。
アクサルは起き上がるとクルバンの涙を指先で拭った。
「オーレクと似た顔で泣くな。俺はオーレクの泣き顔が苦手なんだ」
そう言って、溜息を吐く。
暫くは首を捻って考え込んでいたが、顔を上げグラムを見る。
「オーレクの日記があると言ったな」
「左様にございます、アクサル様」
「俺や妻のアデリナも同じ毒草を盛られたことがある。俺の笑顔を好意と勘違いした愚か者によって、ただの少し眠くなるだけだとその間に寝所に忍び込むつもりだったらしい。その時オーレクが解毒薬を使ってくれて俺は命が助かった。……妻は亡くなったがな。その事が日記に書いてあるかもしれない」
アクサルの女嫌いの理由が分かった気がして、本当に余計なことを言ってしまったんだとクルバンは落ち込んだ。
「恐らく俺が出てきたのは、毒草の影響だろうな。ナイジェルの中に眠っていたアクサルを表に出すことで自身を守ったのだろうよ。中々小癪だな」
口を歪めて笑う。
「あ、有難うございます、アクサル様」
べたりと頭を床に擦りつけるスライとバハディルにつまらなそうな視線を当てる。
「さっそく調べます」
ドミトリーは立ち上がるとあたふたと部屋から出て行った。
「バハディルだったな」
「はい、なんでしょうか」
「二つ聞いて欲しいことがある」
「出来ることでしたら」
やや警戒するような表情をするバハディルに意地の悪い顔をする。
「ここは嫌だ。解毒薬が出来るまで違う場所に居たい。女の使用人は置くな」
「……承知いたしました。我が家の別邸がございますのでそこでお過ごしください」
「俺の剣はどこにある? マヌラに渡したものがある筈だ、それを側に置いておきたい」
「王宮にございます、ローク陛下に願ってみましょう。国の宝ですので聞いて頂けるかどうか」
「頼むぞ。俺はもう寝る。クルバン、俺が眠るまで傍にいろ」
アクサルは横になるといくらもしない内に寝息を立て始めた。
「……存外、お優しいお方よの」
ぽつりと呟いたのグラムだった。
スライもバハディルも頷く。
クルバンはアクサルに布団を掛け直してその寝顔をじっと見つめていた。
翌朝、クルバンが起きるとアクサルは既に起きていた。
「鼾が聞こえたぞ」
と朗らかに言うアクサルに恥ずかしくなる。
「今日、別邸に移れるようにすると父が申しておりました」
「そうか、どこでもいい。ここでなければ」
そう言いながらアクサルは凄まじい速度で剣を振るい続けていた。
スライが持ち出してきた物を二振り選んで、「ないよりはましか」と呟いて腰の剣帯に差した。
「あの、アクサル様」
「……お前に名前を呼ぶ許可は与えていない」
酷く冷たい物言いにスライは息を呑んだ。
「なんとお呼びしたら」
「クベンタエ卿と呼べ」
「承知いたしました。あの何故ここが嫌だと」
「早く消えて欲しいと願っている者の傍で何故くつろげると思うのだ。……それに悲しんでいるだろう」
ぽつりと呟いて、屋敷の方を見る。
ほんの一瞬辛そうな顔をしたアクサルがクルバンの方を見る。
「お前の父親は、ナイジェルの愛人か何かか?」
「え? あの、部下ですが」
「そうか?」
「父にそう言う趣味はありません。むしろ女好きなくらいで。上官として、尊敬していると思いますが、決してそんな気持ちはないと思います」
そう言いきりながら、クルバンに向けた表情を思い出していた。
「だといいな」
剣を鞘に納めて笑いかける。
「食事は何だろうか」
「今お持ち致します」
「運んだら、下がっていろ」
「……はい」
スライが肩を落として、下がっていく。
アクサルは部屋に入って座ると飲み物を要求した。
水差しから杯に水を灌ぐとアクサルに差し出す。受け取らずにクルバンを見る。一口飲んで差し出すとやっと手にする。
飲み終えると文机に頬杖をついて、ボンヤリと庭を見る。
声を掛け難くて、傍に控えながら、アクサルが見つめる庭を同じように見ていた。
「失礼いたします」
スライはパンと葡萄の葉でひき肉を包んで蒸した物、乾酪、干し棗と胡桃が載った盆を差し出すと黙って下がっていく。
どれもクルバンが口にするまで、アクサルは手を付けなかった。
「クルバンはここにいるが普段は何をしているのだ? この家の家令ではなかろう」
「私は近衛大隊右翼の騎兵です。今はまあ失態による謹慎と言うか」
「そうか、気の毒にな」
「いえ、アクサル様の傍にいられるので、こういう謹慎ならよいかと」
「お前、出世できないな」
ふうと溜息をつかれ、クルバンは笑った。
食事が終わる頃にバハディルがやってきた。
今、ドミトリーを中心に日記をひっくり返し解毒薬についての記述を探しているそうだ。
「アクサル様の剣に付いて、ローク陛下にお願い致しましたが、俄かには信じがたい様子で王宮に来るようにとの伝言でございます」
「そうだろうな」
「それで、こちらにお召し替え願いたく」
バハディルは軍総司令官の礼装を差し出す。アクサルは眉を顰めると
「これはナイジェルのものだろう?」
「……軍総司令官の礼装以外で王宮に上がれば、不審に思われます」
「俺が着るのは気に入らないがと言いたいのだろう」
「滅相もございません」
視線を上げずに答えるバハディルの後頭部を見下ろしながら、溜息を吐くと乱暴に服を脱ぎ棄て着替え始めた。
「クルバン、手伝え」
「はい」
バハディルの肩がピクリと動くのをアクサルは冷ややかに見ていた。
スライが部屋に置かれた油燈に火を入れていく。
アクサルは瞳を閉じてじっと聞き入っていた。
バハディルが話し終えると沈黙がその場を支配した。
「一つ聞きたいのだが」
「はい、なんなりと」
「……俺は陛下の勅命を果たせたのか?」
先ほどまでの傲慢な物言いとは違い、どこか心許なそうな、真摯な心情が見えた。
バハディルは息を呑んで口を噤み、代わりに答えたのはグラムだった。
「我らの竜騎士は勅命を果たさずに亡くなる方ではありますまい。アクサル様の御名はフェルガナでは尊敬と恐怖の対象となっております」
「あれだけ殺せばな」
口角を上げて嗤う姿にひやりとした空気になる。
「お前たちはナイジェルを元に戻したいのだろう?」
「はい、どんなことをいたしましても」
バハディルは強い決意でアクサルに対峙する。
その強い視線を受けてもアクサルは得に顔色を変えることなく、バハディルの決意を鼻で笑った。
「俺はもう死んだ人間だ。現世に執着してお前たちの邪魔をする気はない。……ナイジェルに使われた眠り薬に何が入っていたか分かるか?」
「はい、大麻と……」
ドミトリーはいくつかの薬草の名前を上げていく。
それを聞いていたアクサルは盛大に眉を顰めた。
「俺の母親が半分精霊の血を引いていることは知っているな?」
「オーレクの日記にそのような記述があったことは知っております」
答えたのはグラムだった。
「妻のアデリナも大した力はないが女精霊だった。娘のマヌラは精霊の血が濃く表れていた。それはアジメール王家の者にも影響していただろうな。使われた眠り薬に人には大して影響はないが、精霊を昏倒させ死に至らしめる毒草が入っている」
声のない悲鳴が上がる。
ひっそりと部屋の外に控えて話を聞いていたスライが顔色を変える。
「精神に打撃を受けたのだろう。精霊の血が濃く顕現していたからだろうな。あまり普通の人間ではなかっただろうナイジェルは」
「それでは、ナイジェル様はどうなってしまわれるのですか!」
スライは縋りつくようにアクサルを見る。
「お前たちは俺に消えて欲しいのだろう? そんな奴らに教唆する義理はないな」
冷ややかな視線をスライたちに当てるとアクサル不貞腐れたように横になった。
スライは絶句して震えあがった。
バハディルも同様で蒼褪めて俯く。
「アクサル様、我らの無礼をお許しください。私は幼い頃からアクサル様をお慕いし忠誠を捧げてきました。ラスロ家の者は皆そうです。ナイジェル様はアクサル様の生まれ変わりだと確信しております。アクサル様とて分かっておいでなのでしょう。だから、どうか……」
膝を勧めて、アクサルに言い募っていたクルバンは言葉に詰まり泣き出してしまった。
アクサルは起き上がるとクルバンの涙を指先で拭った。
「オーレクと似た顔で泣くな。俺はオーレクの泣き顔が苦手なんだ」
そう言って、溜息を吐く。
暫くは首を捻って考え込んでいたが、顔を上げグラムを見る。
「オーレクの日記があると言ったな」
「左様にございます、アクサル様」
「俺や妻のアデリナも同じ毒草を盛られたことがある。俺の笑顔を好意と勘違いした愚か者によって、ただの少し眠くなるだけだとその間に寝所に忍び込むつもりだったらしい。その時オーレクが解毒薬を使ってくれて俺は命が助かった。……妻は亡くなったがな。その事が日記に書いてあるかもしれない」
アクサルの女嫌いの理由が分かった気がして、本当に余計なことを言ってしまったんだとクルバンは落ち込んだ。
「恐らく俺が出てきたのは、毒草の影響だろうな。ナイジェルの中に眠っていたアクサルを表に出すことで自身を守ったのだろうよ。中々小癪だな」
口を歪めて笑う。
「あ、有難うございます、アクサル様」
べたりと頭を床に擦りつけるスライとバハディルにつまらなそうな視線を当てる。
「さっそく調べます」
ドミトリーは立ち上がるとあたふたと部屋から出て行った。
「バハディルだったな」
「はい、なんでしょうか」
「二つ聞いて欲しいことがある」
「出来ることでしたら」
やや警戒するような表情をするバハディルに意地の悪い顔をする。
「ここは嫌だ。解毒薬が出来るまで違う場所に居たい。女の使用人は置くな」
「……承知いたしました。我が家の別邸がございますのでそこでお過ごしください」
「俺の剣はどこにある? マヌラに渡したものがある筈だ、それを側に置いておきたい」
「王宮にございます、ローク陛下に願ってみましょう。国の宝ですので聞いて頂けるかどうか」
「頼むぞ。俺はもう寝る。クルバン、俺が眠るまで傍にいろ」
アクサルは横になるといくらもしない内に寝息を立て始めた。
「……存外、お優しいお方よの」
ぽつりと呟いたのグラムだった。
スライもバハディルも頷く。
クルバンはアクサルに布団を掛け直してその寝顔をじっと見つめていた。
翌朝、クルバンが起きるとアクサルは既に起きていた。
「鼾が聞こえたぞ」
と朗らかに言うアクサルに恥ずかしくなる。
「今日、別邸に移れるようにすると父が申しておりました」
「そうか、どこでもいい。ここでなければ」
そう言いながらアクサルは凄まじい速度で剣を振るい続けていた。
スライが持ち出してきた物を二振り選んで、「ないよりはましか」と呟いて腰の剣帯に差した。
「あの、アクサル様」
「……お前に名前を呼ぶ許可は与えていない」
酷く冷たい物言いにスライは息を呑んだ。
「なんとお呼びしたら」
「クベンタエ卿と呼べ」
「承知いたしました。あの何故ここが嫌だと」
「早く消えて欲しいと願っている者の傍で何故くつろげると思うのだ。……それに悲しんでいるだろう」
ぽつりと呟いて、屋敷の方を見る。
ほんの一瞬辛そうな顔をしたアクサルがクルバンの方を見る。
「お前の父親は、ナイジェルの愛人か何かか?」
「え? あの、部下ですが」
「そうか?」
「父にそう言う趣味はありません。むしろ女好きなくらいで。上官として、尊敬していると思いますが、決してそんな気持ちはないと思います」
そう言いきりながら、クルバンに向けた表情を思い出していた。
「だといいな」
剣を鞘に納めて笑いかける。
「食事は何だろうか」
「今お持ち致します」
「運んだら、下がっていろ」
「……はい」
スライが肩を落として、下がっていく。
アクサルは部屋に入って座ると飲み物を要求した。
水差しから杯に水を灌ぐとアクサルに差し出す。受け取らずにクルバンを見る。一口飲んで差し出すとやっと手にする。
飲み終えると文机に頬杖をついて、ボンヤリと庭を見る。
声を掛け難くて、傍に控えながら、アクサルが見つめる庭を同じように見ていた。
「失礼いたします」
スライはパンと葡萄の葉でひき肉を包んで蒸した物、乾酪、干し棗と胡桃が載った盆を差し出すと黙って下がっていく。
どれもクルバンが口にするまで、アクサルは手を付けなかった。
「クルバンはここにいるが普段は何をしているのだ? この家の家令ではなかろう」
「私は近衛大隊右翼の騎兵です。今はまあ失態による謹慎と言うか」
「そうか、気の毒にな」
「いえ、アクサル様の傍にいられるので、こういう謹慎ならよいかと」
「お前、出世できないな」
ふうと溜息をつかれ、クルバンは笑った。
食事が終わる頃にバハディルがやってきた。
今、ドミトリーを中心に日記をひっくり返し解毒薬についての記述を探しているそうだ。
「アクサル様の剣に付いて、ローク陛下にお願い致しましたが、俄かには信じがたい様子で王宮に来るようにとの伝言でございます」
「そうだろうな」
「それで、こちらにお召し替え願いたく」
バハディルは軍総司令官の礼装を差し出す。アクサルは眉を顰めると
「これはナイジェルのものだろう?」
「……軍総司令官の礼装以外で王宮に上がれば、不審に思われます」
「俺が着るのは気に入らないがと言いたいのだろう」
「滅相もございません」
視線を上げずに答えるバハディルの後頭部を見下ろしながら、溜息を吐くと乱暴に服を脱ぎ棄て着替え始めた。
「クルバン、手伝え」
「はい」
バハディルの肩がピクリと動くのをアクサルは冷ややかに見ていた。
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