北国から異世界へこんにちわ

川で日向ぼっこ

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はじめての洋服

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雪がポツポツと降り始め、ふぅっとピアンが息をついた。
商業ギルドに入り緊張していたのだろうが、何処か暗そうに下を向いて歩いている。


急に立ち止まる私に少したってから気づく。

「洋服買ってこうか」


目の前の服屋を指させば、音が聞こえてくるかのような勢いで首を横に降られる。


「ピアンだけじゃなく、皆の分も買っていこう?」

再度問えば無言が返ってくる。
しゃがみこんで目線を合わせて話しかけた。

「今度から露店で物を売るから第一印象は大事だよ。これも先行投資だからね。」

にっと笑いかければ、しぶしぶと言う様子で頷いた。



店の中に入ってしまえば、先程とはうって違いピアンはキラキラとした目で服を見ている。

それを見ていたら、先程は少し酷な事をしてしまったかもしれないと自分の気の利かなさを恨んだりもした。
商業ギルドの前で初めから、服を気にしていたのだから。

せめて行く前に服を買って着替えてから行けば心持ちも違っただろう。





子供達4人分の服と布を購入して外へ出れば買ったばかりの荷物を抱えてピアンはぼーっと歩いた。
かと思うとボソリと呟く。


「夢みたい…」



一瞬きょとんとしたが、服が買えた事だと気付き笑いかけて話す。

「夢じゃないよ」


その言葉を皮切りにピアンはポロポロと泣き出した。


「わた、わたし恥ずかしくて」

「…うん」

「で、も、服買えるなんて、思ってなくて」

「うん」



内心慌てつつも、わんわんと声を上げる彼女にずっと付き添った。
落ち着いてきた頃にベンチに座らせ、露店で串焼きを購入した。
そういえば以前宿屋で教えて貰ったお店だなぁ、何て考えながらそれを1つピアンに差し出す。


「無理に連れて行ったりしてごめんね。」

「…んーん、もういいの。」

 

一瞬きょとんとした彼女だったが、すぐに先程買った荷物を嬉しそうに抱きしめて答えた。


しばらく2人で暖かい串焼きを食べて、美味しい、美味しねと繰り返した。


「あ、でも他の皆にはこれ内緒ね。」


肉の無くなった串を揺らしながら、にやっと笑えば、
彼女はまた眩しい笑顔で返してくれた。










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