42 / 58
第一章 建国前夜編
41話 情勢
しおりを挟む
「もう何年も前からだが、城塞小国家連合は帝国の南部一帯を狙っているって言う噂があるんだ。帝国の南部は穀物地帯がかなり広域に広がっていて、それを押さえたいらしい。」
「食料のために戦争ってことか?城塞小国家連合だって、自国生産してるだろ?なんのために戦争なんて手段を取る必要があるっていうんだ。」
不思議に思い、説明を始めたゴライアスに問いかけた。
「確かに自国生産はしている。だが、生産量が全く追いついていないんだ。城塞小国家連合が一国にまとまらない最大の理由がそれだ。」
「どういうことだ?」
「あの地域は環境的に食料を多く生産することができなくてな、どこかの小国家が別の小国家に侵略を仕掛けても、食糧が不足して決着まで軍を維持できない。」
「なるほどな、国土を拡大できず、とはいえそのままにしておくと近くの大国が怖い。だから連合を組んで周りの大国からの侵略に備えたってところか?」
「ああ、そして今もまだその食糧不足は解決せず、その打開策として帝国の南部地域を狙ってるんだろう。」
まあ確かに元の世界でも、古今東西食料を理由として戦争は起きているってことを考えると、南部地域を狙ってるっていうのも本当っぽいな。
「なるほど、それでも中立維持を徹底しているクルセイブに攻め込む道理はなくないか?」
「その中立の徹底が逆に問題になってしまうんだ。随分前から城塞小国家連合はクルセイブ王国南部地帯の通行許可を求めて使者を送ってきてる。」
「そんな使者を送ってきたって中立である以上侵略行為の片棒を担ぐような許可は出せないだろ。」
「そう、だからそれが問題なんだ。通してくれないのであれば一緒に侵略してしまえばいいという考えになるくらい、リナル帝国のグランバース皇国への出兵は好機だからな。」
ゴライアスが渋い顔をする。
そんな突拍子もない考え方に落ち着くくらい城塞小国家連合の食料事情は逼迫してるってことなのだろうか。
二国を相手にいきなり戦争を始めるなんて、相当な戦力が必要になりそうだが…。
というよりもそもそも…
「そんな無茶な侵略したら流石に他の国が黙ってないんじゃないのか?」
「小国家連合の西には山脈があってその奥には国が複数あるがわざわざ山脈を超えて攻めるほどの事態でもない。北にある皇国は帝国との戦争で消耗してるから出兵もしないだろう。」
ってことは誰もその無茶な侵略に異議を唱えることはできないって状況ってことか。
最悪な状況だな。
もし戦争になったらクルセイブ単独で守らなければいけないし、相手は死活問題だから相当な意気込みで攻めてくるだろう。
そして負けたらクルセイブは南部一帯を失い、アーナの町や南部一帯がどんな目に遭うのか…
敗戦国の元国民の未来は決して明るくはないだろうな。
「タケルよ、かと言って黙ってやられるわけにはいかない、先んじて傭兵は傭兵で手を打っておこう!ガッハッハ!!」
急に明るいなゴライアスは。
心配させまいと気丈に振る舞ってるんだろうな。
さすがベテランの傭兵なだけある。
「具体的にはどうする?」
「ひとまずは南部地域一帯の傭兵をこのキックオーズの街に集めよう!うまくいけばそれだけで千人にはなるはずだ!」
「小国家連合が動けば備えよしだし、動かなければ解散ってことだな。」
「ということで、ひとまず1ヶ月ほど警戒に当たる協力依頼を各街に出す!グロウとタケルも一度アーナに戻って、傭兵をまとめてから参加してくれ!あとは王国騎士団が頃合いを見て出兵するだろう!ガッハッハ!」
ゴライアスの提案に従い、俺たちはアーナの街に戻り改めてキックオーズへ向かうことに決めた。
「食料のために戦争ってことか?城塞小国家連合だって、自国生産してるだろ?なんのために戦争なんて手段を取る必要があるっていうんだ。」
不思議に思い、説明を始めたゴライアスに問いかけた。
「確かに自国生産はしている。だが、生産量が全く追いついていないんだ。城塞小国家連合が一国にまとまらない最大の理由がそれだ。」
「どういうことだ?」
「あの地域は環境的に食料を多く生産することができなくてな、どこかの小国家が別の小国家に侵略を仕掛けても、食糧が不足して決着まで軍を維持できない。」
「なるほどな、国土を拡大できず、とはいえそのままにしておくと近くの大国が怖い。だから連合を組んで周りの大国からの侵略に備えたってところか?」
「ああ、そして今もまだその食糧不足は解決せず、その打開策として帝国の南部地域を狙ってるんだろう。」
まあ確かに元の世界でも、古今東西食料を理由として戦争は起きているってことを考えると、南部地域を狙ってるっていうのも本当っぽいな。
「なるほど、それでも中立維持を徹底しているクルセイブに攻め込む道理はなくないか?」
「その中立の徹底が逆に問題になってしまうんだ。随分前から城塞小国家連合はクルセイブ王国南部地帯の通行許可を求めて使者を送ってきてる。」
「そんな使者を送ってきたって中立である以上侵略行為の片棒を担ぐような許可は出せないだろ。」
「そう、だからそれが問題なんだ。通してくれないのであれば一緒に侵略してしまえばいいという考えになるくらい、リナル帝国のグランバース皇国への出兵は好機だからな。」
ゴライアスが渋い顔をする。
そんな突拍子もない考え方に落ち着くくらい城塞小国家連合の食料事情は逼迫してるってことなのだろうか。
二国を相手にいきなり戦争を始めるなんて、相当な戦力が必要になりそうだが…。
というよりもそもそも…
「そんな無茶な侵略したら流石に他の国が黙ってないんじゃないのか?」
「小国家連合の西には山脈があってその奥には国が複数あるがわざわざ山脈を超えて攻めるほどの事態でもない。北にある皇国は帝国との戦争で消耗してるから出兵もしないだろう。」
ってことは誰もその無茶な侵略に異議を唱えることはできないって状況ってことか。
最悪な状況だな。
もし戦争になったらクルセイブ単独で守らなければいけないし、相手は死活問題だから相当な意気込みで攻めてくるだろう。
そして負けたらクルセイブは南部一帯を失い、アーナの町や南部一帯がどんな目に遭うのか…
敗戦国の元国民の未来は決して明るくはないだろうな。
「タケルよ、かと言って黙ってやられるわけにはいかない、先んじて傭兵は傭兵で手を打っておこう!ガッハッハ!!」
急に明るいなゴライアスは。
心配させまいと気丈に振る舞ってるんだろうな。
さすがベテランの傭兵なだけある。
「具体的にはどうする?」
「ひとまずは南部地域一帯の傭兵をこのキックオーズの街に集めよう!うまくいけばそれだけで千人にはなるはずだ!」
「小国家連合が動けば備えよしだし、動かなければ解散ってことだな。」
「ということで、ひとまず1ヶ月ほど警戒に当たる協力依頼を各街に出す!グロウとタケルも一度アーナに戻って、傭兵をまとめてから参加してくれ!あとは王国騎士団が頃合いを見て出兵するだろう!ガッハッハ!」
ゴライアスの提案に従い、俺たちはアーナの街に戻り改めてキックオーズへ向かうことに決めた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる