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~豊穣の姫君と風の先導者~
第後伝 其の二
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「っ!?」
その直後僕は落下していた。
強い衝撃で頭を打ったのだろう。ひどい頭痛がする。
すると、どこからともなく、高笑いが聞こえた。
「ハハハハハッハハッハッハハハ」
不規則であり、まるで不協和音のような高笑いが響いていた。
そして、それは紛れもなく、俺のライバル
「ウィリアム・エドワード・クロウリー」
だった。
そんな……そう思ったのと同時に僕の頭にある推測がよぎった。
「フッ、甘かったな。俺はこの1年で圧倒的に成長した。もう防げないものはないのだよ。魔法的攻撃と物理的攻撃、両方防げる。これが本当の無敵盾なのだ。」
くっ、もうやつを止めるものはいないのか?
そう僕はまた思ってしまった。彼女の存在を忘れて。
「あのさー、私のこと忘れてない?」
「ごめん、ついムキになってしまってた。
お前なら、『アレ』を何とか出来るんじゃないのか?」
「うん。出来なくはないよ。刹那の時間なら」
『刹那』
主に概念的な一瞬という出来事を指すことがあるが、もう一つとして、具体的な数値を表すことができる。
それが75分の1秒という、時間である。この場合概念的な一瞬というものなら絶望的だが、具体的な75分の1秒という数値なら希望はある。
「それは概念的なものか、数値的なものかどっちだ?」
「数値的なものだよ。主に75分の1秒。」
希望の光が差した。これはもちろん比喩であり、現実で起きた訳ではない。だけど、まるで目の前の姫が天使のように見えた。
「だったら、余裕で間に合うな」
「え?」
姫はとても意外そうな目をして言った。
いや、これは窮地に立たされておきながら姫の目に見惚れているからかもしれない。
「75分の1秒もあれば時は止められる。しかし、これも0.01秒だけだ。 その間に神術の攻撃verを見せてやれ。」
「うん」
姫の顔は明るく、キラキラとした希望に満ちた目をしていた。
「じゃあ行くよ」
「基礎系神術128章72節78目
全防御無効」
そう姫が入った瞬間に僕は、
「無秩序系魔術153章4節217目
時空分離」
を発動し、連射式高充填性銃を召喚し、奴の頭に打った。
姫の横から物凄い音がしたが、見ている余裕はなかった。
時空分離を解除した。
奴はその場に倒れこんだ。いつの間にか僕達を囲んでいた兵たちは消え失せ、朝日が昇っていた。
勝った。
その達成感だけがそこにあった気がした。
とても、綺麗な朝日だった。
p.s.
姫が撃った技は、針山地獄です。
その直後僕は落下していた。
強い衝撃で頭を打ったのだろう。ひどい頭痛がする。
すると、どこからともなく、高笑いが聞こえた。
「ハハハハハッハハッハッハハハ」
不規則であり、まるで不協和音のような高笑いが響いていた。
そして、それは紛れもなく、俺のライバル
「ウィリアム・エドワード・クロウリー」
だった。
そんな……そう思ったのと同時に僕の頭にある推測がよぎった。
「フッ、甘かったな。俺はこの1年で圧倒的に成長した。もう防げないものはないのだよ。魔法的攻撃と物理的攻撃、両方防げる。これが本当の無敵盾なのだ。」
くっ、もうやつを止めるものはいないのか?
そう僕はまた思ってしまった。彼女の存在を忘れて。
「あのさー、私のこと忘れてない?」
「ごめん、ついムキになってしまってた。
お前なら、『アレ』を何とか出来るんじゃないのか?」
「うん。出来なくはないよ。刹那の時間なら」
『刹那』
主に概念的な一瞬という出来事を指すことがあるが、もう一つとして、具体的な数値を表すことができる。
それが75分の1秒という、時間である。この場合概念的な一瞬というものなら絶望的だが、具体的な75分の1秒という数値なら希望はある。
「それは概念的なものか、数値的なものかどっちだ?」
「数値的なものだよ。主に75分の1秒。」
希望の光が差した。これはもちろん比喩であり、現実で起きた訳ではない。だけど、まるで目の前の姫が天使のように見えた。
「だったら、余裕で間に合うな」
「え?」
姫はとても意外そうな目をして言った。
いや、これは窮地に立たされておきながら姫の目に見惚れているからかもしれない。
「75分の1秒もあれば時は止められる。しかし、これも0.01秒だけだ。 その間に神術の攻撃verを見せてやれ。」
「うん」
姫の顔は明るく、キラキラとした希望に満ちた目をしていた。
「じゃあ行くよ」
「基礎系神術128章72節78目
全防御無効」
そう姫が入った瞬間に僕は、
「無秩序系魔術153章4節217目
時空分離」
を発動し、連射式高充填性銃を召喚し、奴の頭に打った。
姫の横から物凄い音がしたが、見ている余裕はなかった。
時空分離を解除した。
奴はその場に倒れこんだ。いつの間にか僕達を囲んでいた兵たちは消え失せ、朝日が昇っていた。
勝った。
その達成感だけがそこにあった気がした。
とても、綺麗な朝日だった。
p.s.
姫が撃った技は、針山地獄です。
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