私を保護した第二王子が嘘ばかり吐いてくる

うづき

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36-1 溺れるような ※

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 啄むようにキスを繰り返し、二人で小さく笑い合う。フェリクスの指が、壊れ物に触れるような繊細さで奏の体を優しく撫でた。釦が外され、露わになった皮膚を優しく温めるように手の平が動いていく。
 骨張った手つきだ。奏のものとは全く違う、男性らしい手。何度か手を繋いだりしているし、触れあったことだってあるのに、今更になってその形を強く意識してしまう。

 舌先が触れて、奏の口内にゆっくりと差し込まれる。答えるように舌を動かすと、フェリクスが小さく笑った。ゆったりとした速度で内部を丹念に解されていく。表面を擦り合わせるように重ね、吸い付くようにして絡められると、動きの中から微弱な快楽を拾いあげていく。
 フェリクスの手が動いて、奏の頭に触れた。キスをしながら髪を梳くように撫でられる。
 優しい手つきによって与えられる心地よさに、体から力が抜けそうになる。

 頭を撫でていた手の平が、奏の耳元をすり、とくすぐるようにして触れて、覆う。外の音がくぐもって聞こえなくなり、その代わりに舌先を絡め合わせる音が強く響く。唾液を混ぜ合わせるような音が響く度に、奏の肩が痙攣するように震えた。

 程なくして唇が離れる。フェリクスは眦を赤くして、虹彩を潤ませていた。興奮しているのだろう。奏を見つめる瞳が、欲を滲ませている。
 奏の頭を撫でていた手の平がすり、と落ちて、背骨を辿っていく。ゆっくりと、奏の形を手の平で覚えるように撫で回されて、それが少しくすぐったい。ふ、と息を零すようにして奏が笑うと、フェリクスも同じように相好を崩した。

「……くすぐったがりだよね、奏は」
「そう、かもしれません」
「ふ。ねえ。色んなところくすぐりたくなってくる」
「それは多分、死ぬので……普通に……」

 今でさえ指で軽く撫でられるだけでも我慢出来ずに笑い出してしまうことがあるのだ。これを更にされたら、多分、呼吸困難に陥って死んでしまうかもしれない。
 絶対にやめてください、と少しだけ真剣味を帯びた声で言うと、フェリクスは笑い声を零した後頷いた。わかったよ、と言う声が耳朶を打つ。

「あまりしないようにするから」

 少しからかいの入った口調だ。多分これ、絶対にしてくるだろうな、なんて確信めいた考えが奏の脳裏を過る。

「二人きりの時だけにしてください」
「それはもちろん。誰にも奏の可愛い姿を見せたくはないから」

 吐息を零すようにして笑い、フェリクスは奏の首元に口づける。軽く押しつけるような口づけが、ゆっくりと鎖骨に降りて、胸元に触れる。柔らかく膨らんだ部分に吸い付くようにキスをして、フェリクスは小さく笑った。

 手の平が動いて、奏の胸に触れる。フェリクスの手がすっぽりと奏の胸を包んで、優しくこねるように動いた。すり、と指先で弄ぶように胸に触れられて、奏は息を詰まらせる。一番敏感な部分に触れないように、ゆるゆると撫でられて、それがなんだかもどかしさを覚えた。

 フェリクスの唇が胸の合間に触れる。ふ、と息を吹きかけるように先端を刺激され、奏は体を硬直させた。

「ん、う……っ」
「ふ。可愛い声」
「もう……っ」

 じんじんとした熱が胸元に集まっていく。先端の周囲を指先がすり、と撫でていき、それに奏の体が強い反応を返す。決定打を与えられないまま、じわじわと気持ち良くさせられるのは少し苦しかった。

「あ……っ、も、もう、なん、でぇ……」
「なんで、って何が?」

 フェリクスが奏を見つめる。美しい彩りの虹彩が、楽しげに揺れているのが見えた。
 完全に意地悪をされている。奏に触れて欲しい、と言われるまで触れないつもりなのだろうか。焦らすように皮膚の境をくすぐって、フェリクスは頬を緩める。

「何かしてほしいの?」

 囁く声は、熱を帯びている。奏から触れて欲しいと言って欲しい、という欲を隠していない。奏が僅かに息を詰まらせると同時に、フェリクスが奏の腹部を撫でた。へそ周りをくすぐるように指先を動かされて、触れるか触れないかと言った距離でさわさわと手の平を動かす。

「お腹、びくびくってしてる。触れる度に反応して、可愛い。ねえ、僕には隠さないでよ。してほしいことも、されたいことも、全部教えて」

 意地悪だ、と奏は心中で叫ぶ。だがここでその言葉を口にしたところで、フェリクスは楽しげに「知らなかった?」と言って笑うだろう。その様子が想像出来た。
 奏から強請らない限り、決定的な部分には触れてこないつもりなのだ。

 羞恥心で顔が赤くなる。奏はフェリクスを見つめた後、声を震わせた。

「ふ、触れて、ほし、……い、です」
「――あは。可愛い、奏」

 フェリクスは微笑み、そのまま奏にキスをしてきた。舌を絡め合いながら、敏感な部分に触れずに居た指で、そっと先端へ触れてくる。少しずつ芯を持ち始めていたそこを、くりくりと撫でられると脳が痺れるくらいの快感が襲ってきた。

「あっ! ふ、……っ、んぅ」
「可愛い……、すっごいとろけた声。奏、好きだよ」

 フェリクスの唇が、そっと奏の敏感な部分に触れる。舌先を窄めるようにして先端を愛撫されて、奏は息を詰まらせた。フェリクスによって与えられる刺激で、思考が上手く動かなくなっていく。靄がかった思考の中で、奏は必死にフェリクスの名前を呼ぶ。

「ん、う、あ、あ……っ、フェリクス、フェリクス……っ」
「ん、――ふふ、ねえ、もっと名前、呼んで、沢山……。奏に呼ばれたい」

 舌の表面を使って敏感な部分を弄ばれ、奏は首を振る。体が熱くなっていくのがわかる。丁寧な愛撫によって、下腹部に切なさが溜まっていくのがわかった。
 フェリクスが手を下ろして、奏の腹部に触れる。ゆっくりとへそ周りを擽って、腰に軽く触れてから、熱を持った部分を撫でるように手の平でくち、と擦り上げていく。

「濡れてる。……ね、指、すりすりって押しつける度にくちゅくちゅって音、聞こえるの、わかる?」
「あっ、や、ま、って、はずかし、……」
「嫌。――脱がすね。足少し上げて」

 寝間着の下を脱がされて、下着だけの姿になる。濡れて色を変えた部分が見えて、奏は直ぐに視線を逸らした。恥ずかしさで頬に熱が集中する。

「可愛い。ねえ、僕とキスをして、胸を愛撫されて、こんな風になっちゃったの?」
「――ッ」
「ここ、触れたい。触れさせて、奏……」

 下着の上からすりすり、と指で撫でるようにされる。円を描くように指の腹でくりくりとこすられて、奏の太ももがびくりと震えた。とろけたそこが、更に蜜をこぼしていくのがわかる。
 フェリクスは奏の腹部にキスをすると、そのまま下腹部に舌を這わせた。ゆっくりと足の付け根近くにちゅ、と吸い付かれる。痕を付けるような、自身のものであると印をつけるような、そんな行動だった。

 フェリクスが、奏の下着に指をかける。濡れて既に意味をなさないそれが、ゆっくりと取り外された。柔らかく色づく秘部が露わになる。とろけたように潤むそこを、フェリクスの目が見つめている。そんな風にまじまじと見られると恥ずかしい、と奏が抗議をしようとした瞬間、ふ、と吐息を敏感な部分に吹きかけられ、悶えるような声が喉から零れた。

「ひ、ぁっ……ッ」
「ふふ、ねえ、糸、ひいてる。ここ……息を吹きかけただけで、とぷとぷって中から蜜が溢れてきてるよ」
「う……」

 羞恥心で心臓が早くなる。フェリクスは奏の前に膝を突くと、そのまま顔を秘所に寄せた。何、と言うよりも先に、腰を掴まれて、そのまま秘所を舌で撫でられる。
 唐突に与えられた刺激に、奏は体を震わせる。逃げようとしても、腰を掴まれていて逃げられない。舌先で溢れ出す蜜を掬うようにされて、そのまま吸い付くように舐められる。

「あっ、あっ、んぅ、ま、って、そんな……っ」
「ん、ふふ。奏から零れてくるの……、おいしい」
「うそ、うそ、やだ、ぁ、――んぅうっ、吸わないで、おねが、ァっ」
「ごめんね。嫌だ」

 舌先が表面をなで上げて、ゆっくりと内部に差し込まれる。ちゅぷちゅぷと挿入のまねごとをするようにかき回されて、奏は首を振った。
 様々な考えが浮かんでは、脳裏でぱちぱちと弾けていく。気持ち良すぎて困る。体を捻るくらいしか逃げようが無いのに、フェリクスによって行動を制限されていることもあり、快感を享受することしか出来ない。腰がはねそうになって、奏は必死に体に力を入れた。

「あっ、あ――っ、ん、ふ、ふぇりくす、ひぁっ……」
「ね、ここ、中、びくびくってしてる」

 口元をそっと奏の秘所から離して、フェリクスは嬉しそうに声を出す。ね、とフェリクスの指がすり、と奏の秘所を撫でた。蜜を指先でゆっくりと広げるように手の平が動き、表面をこねられる。フェリクスの指先がくち、と開閉を繰り返す部分に触れた。

「ここも、吸い付いてくるみたい、中に欲しいって――、……本当に可愛い。僕の愛撫でもっと気持ち良くなって」

 フェリクスの指がゆっくりと奏の内部に差し込まれる。とろけた内部はフェリクスの指を優しく迎え入れた。

「は、すごい、あったかい。……中、すごいふわふわしてて、……こんなの、挿れたら、すぐ出るかも……」

 ゆっくりと内部を探るように動く指が、ちょうどお腹の内側あたりを押す。それと同時に、奏の体がはねた。フェリクスが驚いたように目を開いて、それから頬を赤くする。

「……ここ、気持ち良いんだ? ゆっくり、ぎゅうって押しつぶすみたいに触ってあげるから」
「あっ……や、だ、も、体……っ、おかし、きもちよくて、駄目、だから」
「ふ。可愛い。大丈夫、もっと気持ち良くなって良いんだよ」

 ぎゅう、と内部から外に向かって押されるように愛撫される。その度に、中が疼いて、とろとろとした液体が止めどなく溢れ出て行ってしまう。寝具が濡れてしまうとか、そんな心配をする余裕は、奏には残されていなかった。
 指で中を愛撫しながら、フェリクスの舌先が奏の似た部分を突く。びく、と太ももを痙攣させた瞬間、唇で食むように芽を含まれる。
 舌先がちろちろと芽を撫でて、奏は悲鳴のような声を上げそうになった。

「これ以上はだめ、おねが……っ、おねがい、イっちゃう、イっちゃう、からぁ……ッ」
「イきそう?」
「イきそう、来ちゃう、来てる、気持ち良いの来てるから、おねが……っ」

 体中を動き回る熱が、溢れる時を待ち構えている。奏は必死に首を振って、フェリクスに手を伸ばした。肩に触れる指先が、かたかたと震えている。

「おねが、い、……だから、フェリクスので、イきたい……」
「……、……僕のこと殺そうとしてる? それ、絶対僕以外に言わないで」

 懇願するように言葉を続けると、フェリクスは一瞬真顔になった。何かの衝動を押しとどめるように瞳をぎゅうっと瞑り、それから開く。据えた視線と目が合った。
 フェリクス以外に言わないでも何も、言うつもりもない。奏が呆けて瞬きをしていると、フェリクスがベッドの上に乗り、奏の体を押し倒してくる。
 ぎし、とベッドが軋む音が耳朶を打った。

「は、ねえ、結構我慢してたんだよ。あんまり乱暴にしないようにとか、……もし、傷つけてしまって、もう二度としてくれなくなったらとか、そういう風に考えて。それなのに、あまり煽るようなことを言われたら……」

 フェリクスが前をくつろげる。そうして固さを持った熱に片手を添え、奏の下腹部になすりつけるようにして軽く動かした。は、と小さく息を零す音が聞こえる。フェリクスは野生じみた獰猛な感情を瞳に滲ませながら、自身の熱を、その形を奏に示す。

「ねえ、ここまで入るんだよ。――奏の中に、僕のが」
「……」
「キミの中も、奥も、全部、僕ので埋めさせて」

 フェリクスが奏の足を掴む。肩に乗せるような体勢を取られた。逃げられないようにされているのだ、と思うと、背筋がぞくぞくとする。
 フェリクスの熱が奏の秘所にそっと宛がわれる。くちくちと入り口を撫でるように動いた後、ゆっくりとそれが中に押し込まれた。

「ひ、あ……っ」

 十分に内部を解されたはずなのに、それでも質量に息が詰まりそうになる。

「ん、んぅ、お、っきい……っ」
「……煽らないで。本当に。頼むから」
「煽ってな、……ふあっ、あ……!」

 ぞり、とお腹の側をフェリクスの熱が掠めていく。ぞくぞくと体が痺れるような感覚がして、奏は一瞬、呼吸が上手く出来なかった。
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