お前が悪役令嬢だと王子が叫ぶ

咲楽えび@改名しました(旧 佐倉えび)

文字の大きさ
4 / 4

2-3

しおりを挟む

「声優陣が豪華だから人気あったんだけど、設定が甘いクソゲーでさぁ。主人公を選べるのはいいとしても、リアたんとレティーちゃんの性格が視点変更のときに激変しちゃって萎えるっていうか。リアたん派とレティーちゃん派でファンが骨肉の争いをしてさ。リアたん視点が王道のはずなんだけど、レティーちゃん視点の『ざまぁ』が凄く人気があって。音楽もレティーちゃん視点のほうが気合入ってたし。私みたいなリアたんファンにとっては悔しいわけよ。リアたん視点でのオーブリールートって王道でつまらないとか言われててさ。そもそも『大聖女ガリブルラ王妃伝』って名前なのに、レティーちゃんに聖なる力なんてないんだよ? それなのに主人公になっちゃうの、おかしくない?」

「アウローラ、問題はそこじゃない」
「あ、ごめん。んで、なんだっけ?」

「リア嬢が俺に『救護室へ』と言ったことだよ」
「マジか!? どうしよう、ギルバートルートが開いちゃった!!」

 孤児育ちで逆境に強いと思っていたリアは、段々と自信がなくなってきていた。

「もしかして、ギルバートるーと、というのは、ギルバート殿下のことでしょうか?」
「そう。あいつヤンデレだから」
「やんでれ……」

 ギルバートは第一王子でありながら、側室の子なので王位継承権は二位という複雑な立場だ。

「ギルバートに捕まると監禁されるよ」
「かん……きん……」

「そう。ラウノルートは隠しルートで、そもそも今回はルートが解放されてなくて、解放されてたら卒業式への招待状が届くんだけど、今回は無理やり卒業式に出席できるよう裏から手を回して出席したの。リアたんの幸せを見届けたかったし。ラウノには万が一のときのことを考えて、リアたんをいつでも助けられるように端っこに座っておいてって頼んでおいたの。それで倒れそうなリアたんをラウノが姫抱っこした時、リアたんの台詞を『救護室へ』に選択するとギルバートルートが開いちゃうんだけど……そうか、救護室って言っちゃったのかぁ。そのまま救護室に連れて行ったら、ギルバートがそこに現れてリアたんを連れ去って、そのまま自分の離宮に閉じ込めてリアたん溺愛っていう……ヤンデレが好きな人には人気あったけど、表向きは国外追放ってことになってるから、一生監禁されちゃうんだよ」

「それで先ほどラウノ殿下は大変なことになると仰ってたのですね」

 ラウノを見上げると、頷いていた。

「ラウノルートは条件が厳しくてさ。油断するとすぐバッドエンドになっちゃうの。リアたん視点って、そもそもそういうのが多いんだよね。攻略の難しさと『ざまぁ』の平凡さで、正ヒロインのはずなのにイマイチ人気がなくてさ。やり込む人にとっては面白いんだけど、軽く楽しみたい、ざまぁでスカっとしたい系の人には」

「アウローラ」
「ごめん、また脱線しちゃった」

「もうゲームとは違う。相手がどう出てくるか予測がつかない」
「わかった。ホテルに戻って、しっかり迎え撃とう!!」


しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

彼女の婚約者の心の折れる音がパキパキと聞こえる

碧井 汐桜香
恋愛
婚約者との顔合わせで素直になれない男児は、一目惚れした少女を王子に掻っ攫わられるお話

やり直し令嬢は何もしない

黒姫
恋愛
逆行転生した令嬢が何もしない事で自分と妹を死の運命から救う話

聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)

蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。 聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。 愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。 いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。 ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。 それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。 心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

完結·婚約破棄された氷の令嬢は、嫁がされた枯れおじのもとで花開く

恋愛
ティリアは辺境にある伯爵の娘であり、第三王子ガフタの婚約者であった。 だが、この婚約が気に入らないガフタは学園生活でティリアを冷遇し、卒業パーティーで婚約破棄をする。 しかも、このまま実家に帰ろうとするティリアにガフタは一回り以上年上の冴えないおっさん男爵のところへ嫁ぐように命令する。 こうしてティリアは男爵の屋敷へと向かうのだが、そこにいたのは…… ※完結まで毎日投稿します ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿中

真実の愛には敵いませんもの

あんど もあ
ファンタジー
縁談の相手に「自分には真実の愛の相手がいる」と言われて破談になってしまった私。友人達に聞いてもらって笑い飛ばしてもらいましょう!、と思ったのですが、話は予想外に広まってしまい……。

過去の青き聖女、未来の白き令嬢

手嶋ゆき
恋愛
私は聖女で、その結婚相手は王子様だと前から決まっていた。聖女を国につなぎ止めるだけの結婚。そして、聖女の力はいずれ王国にとって不要になる。 一方、外見も内面も私が勝てないような公爵家の「白き令嬢」が王子に近づいていた。

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

処理中です...