拝啓、可愛い妹へ。お兄ちゃんはそれなりに元気です。

鳴き砂

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第三章 最強のお兄ちゃんは隣国へ行く

コハクのお手紙②

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カイヤとヒスイへ

かわらず、げんきかな?

にぃには、帝都ていとをでて、西方せいほうへむかっています。

たくさんの山賊さんぞくを、たおしたよ。
にぃには、かっこいいかな?
かっこいいとおもってくれたら、うれしいな!

西方せいほうへは、カルサさんのにぃにとむかっています。
カルサさんのにぃには、カルサさんとそっくりなんだよ!
それから、ねこがとってもきなひとなんだ。きょうも、おきたら、ねこにうもれていたよ。いつか、そだててみたいんだって!

ねこといえば、ゼオはげんきかな?
まだ、さむいから、ねてばかりいるのかな?
ゼオとも、なかよしでいてください。

帝都ていとでは、にぃにはあたらしいワザをおぼえたよ。
だけで、いろんなものをきれるようになりました。
それから、やねのうえをのぼったり、はしれるようになったよ!

これは、このまえの、おてがみでかいたタンザナさんとラルビカさんに、おしえてもらったんだ!

こんど、ふたりにもみせてあげるね!

それから、じぃじとも帝都ていとであったよ!とっても、げんきでした。

それでは、カイヤもヒスイも、いっぱいあそんで、いっぱいたべて、いっぱいねて、にぃにといっしょに、つよくなろうね!

また、おてがみをかきます。

コハクより

◇◇◇

ガイトさんとユナカさんへ

僕は、帝国の歴史を少し知りました。初代皇帝ラリマーは、フローライト王国の血を引く人だったのですね。どうして王国を滅ぼしたのかは、まだ分かりませんが、とりあえずタツノキミさんを調べに西方へ向かってます。

どうやら、ヒスイの前に紫の瞳を持つ人が隣国へと連れ去られていたようなのです。だから、カルサさんのお兄さんと一緒に、西方を経由して隣国へ行き、紫の瞳を持つ人を助けに行くことにしました。

理由は、隣国のジャスパーに紫の瞳を持つ人を引き渡したのが、僕の両親だったからです。
帝都の牢で両親に会いました。

僕はその前に、皇太后のいる離宮の屋根を爆破させ、セレスタイン様を誘拐してから牢へと行きました。僕に二回も誘拐されたセレスタイン様は、怒ることはありませんでした。
むしろ、僕の父を僕の代わりに殴ってくれました。

カルサさんのお兄さんから、カルサの者専用の通行手形をもらいました。便利ですね。

それから、セレスタイン様からも金の通行手形をいつの間にかもらっていました。どうやってもらったのかは、内緒です。ごめんね。
その通行手形には青い宝石も埋め込まれていて、とても高価に見えました。
そう言うこともあってか、カルサさんのお兄さんからは、その通行手形はしまっておいた方がいいよと言われました。僕もそう思います。

早く皆んなと会いたいです。
そのためにも、僕は頑張りたいと思います!

コハク


追伸

セレスタイン様と交換日記を始めようかと悩んでいるのですが、二人はどう思いますか?セレスタイン様は忙しい方なので、やっぱり迷惑でしょうか?

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