命知らずの騎士様は、鼻の利く魔女を放さない。

三歩ミチ

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魔女、騎士に出会う

討伐の成果

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 ぱしゅ、と軽い音がして、目の前が開ける。エルートが前に出て、立ちはだかる草の壁を切り開いたのだ。レガットも前へ。

「行きなよ」
「……はい」

 抑揚のないアイネンの声で促され、私は草むらに入る。最後尾はアイネンで、私は前後を騎士に挟まれた形になった。

「エルートさん、そこで右に曲がってください」

 徐々に張り詰めていく緊張感が、私にもわかった。草を刈る音と、私の小声の指示だけが聞こえる。
 その時、胸元に振動が走った。匂いの向かう先が、急に左に逸れる。この現象は経験がある。

「います。そっちに行きました!」

 移動に合わせて、指で方向を示す。鼻先を過ぎる脂の臭い。獣は思いの外近い。エルートはこちらを一瞥し、頷いた。草を刈っていた剣を構え、鋭い視線を左に向ける。
 アイネンが、後ろからさっと前へ出た。肩に衝撃が走って、よろける。そのまま、背中を下にして転んだ。草のクッションに転がる私を見下ろしたのは、レガットの緑の瞳。私の肩を押し、わざと転ばせたようだ。

「魔女さんは、そこに隠れていてね」

 目を細めて微笑んだかと思うと、次の瞬間には鋭い視線で前方を睨んでいた。

 3人の黒い騎士は地面の上を滑るように、音もなく移動する。草むらにうずくまる私の視界から、彼らが消えた。エルートの花の匂いが、僅かに遠ざかる。
 ぐおお、と咆哮がした。金属音。土の香りが弾ける。獣のにおい。ぐ、と低く呻く声。血の香り。
 血の香り?
 私の思考が、その違和感で立ち止まる。今までエルートが魔獣を倒すのを、2度見てきた。猿の魔獣と、鳥の魔獣。魔獣が斬られると、その身体からは、黒い霧が噴き出す。
 あの禍々しい黒い霧は、無臭なのだ。斬られた魔獣からは、血の香りはしない。
 では、この血の発生源は。

 足音を立てないよう、静かに、草むらを進む。エルートたちの匂いのする方向へ。もう少しで草むらが終わる、というところで道を外れ、私は草むらを手でかき分けた。
 根元に大きな穴の空いた大樹は、この間エルートと共に来たときに見たものだ。そのまま視線を、左にずらす。

 狼。灰色の毛皮を持った、巨大な狼だった。エルートの腰くらいの高さがある。目が爛々と、赤く不気味に光っている。開いた口から覗く鋭い犬歯と、だらだらと溢れ出る涎。その左前足は既になく、黒い霧が噴き出している。
 恐ろしさに、身がすくむ。ここから動けない。草食の魔獣とは全く違う、強烈な威圧感。少しでも体を動かしたら喰われそうな危機感が、胸を早鐘のように打つ。
 狼が後脚に力を溜め、高く飛び上がる。先頭に構えるアイネンが、落ちてくる狼の鼻面を盾で弾いた。体勢を崩した狼の首に、エルートの剣が入る。勢いよく噴き上がる黒い霧。狼の体が、消えてゆく。

 ふう、と息を吐き、エルートが手の甲で額を拭う。その視線が、辺りをゆっくりと見回した。目が合う。

「ニーナ。大丈夫か?」
「あ、はい……」

 私は、草むらの間から体を出す。レガットが、地面に転がっている黒い塊を拾い上げた。今まで見たどれよりも、大きな塊。禍々しい黒に染まった魔獣の心臓だ。
 私の鼻は、まだ血の香りを捉えている。魔獣からは血の香りはしない。エルートに怪我をした様子はなく、レガットとアイネンにも痛そうな様子はない。

「どなたか、怪我をされていませんか?」

 そう聞くと、エルートが眉間に皺を寄せた。

「見ていたのか?」
「いえ……ええと、勘です」
「探し物だけでなく、そういう勘も働くのか。便利だな」

 エルートは呆れたような表情をしてから、視線をレガットに向けた。

「レガット。ニーナが心配している」
「ああ、これ? 隠れてなって言ったのに、見てたの?」

 エルートと同じことを言いながら、レガットは片手をこちらに差し出した。手の甲に、黒い布がきつく巻かれている。その奥から、血の香りが漂ってくる。怪我をしたのはレガットらしい。

「大丈夫だよ、もう応急処置はしたから。洗って、止血してある」
「切り傷ですか?」
「そうだね。魔獣の気を逸らそうと思って前に出たら引っ掻かれた。代わりに前脚を斬り落としてやったから、仕方ないかな」

 何事もないように苦笑するレガット。表情を変えないが、痛いのではないだろうか。魔獣の牙や爪は鋭く、それは狼も例外ではなかった。レガットの傷は、浅くはないだろう。
 私は地面を眺めた。下草の中に、人の手のひら大の赤茶の葉がある。それを摘み取り、茎を半分に割って、二枚になるように薄く割いた。
 葉の内側は、ひたひたと液体で満たされている。私はレガットに、その葉を見せた。

「……葉っぱ?」
「この葉の、濡れている方を傷口に当てておくと、早く治るんです」

 母に教わった、生活の知恵。
 私は薬草の名前はよく知らないが、母がいろいろと教えてくれたから、その効果は知っている。包丁でちょっと切ってしまった時など、この赤茶の葉を割いて貼る。すると、治るのに3日かかる傷が、翌朝には治っている。気休め程度だが、治りを早くしてくれるのだ。
 レガットは顔を顰めて、受け取ろうとしない。

「そんなの、聞いたことないよ。なにそれ」
「ええと……おまじないです」
「魔女さんのおまじないか。……まあ、いいよ。貼ってもらえる?」

 レガットは、巻き付けていた黒い布をするすると剥がす。その下に現れた傷口を見て、私は息を飲んだ。赤黒く、じゅくじゅくと血に濡れた傷口が、手の甲に大きく刻まれている。浅くはない。あまりにも生々しい傷痕は、騎士と言えど魔獣討伐は安全ではないのだ、と感じさせた。
 傷を直視しないようにしながら、葉の内側を皮膚にぴたりと貼り付ける。隙間が開かないように上からそっと押さえると、レガットが小さく呻いた。やはり痛いのだ。痛みを隠してあんなに余裕な表情をしているなんて、騎士はやはり、取り繕うのが上手い。

「ありがとう、ニーナ。君は優しいね。良いお嫁さんになれそうだ」

 再度黒い布を巻き付けながら、レガットは身に余る賞賛を述べる。お世辞だと分かっているから真っ直ぐには受け止められなくて、私は愛想笑いで誤魔化した。

「レガット、ニーナにそれは通用しない」
「だから僕は、これが素なんだって」

 既視感のあるやりとりを交わし、レガットは私に視線を向ける。

「エルートは随分君を買っているんだね」

 私を買っているというよりは、私の鼻を買っているのだ。その評価だって、不当に高いと思う。私は肩を竦め、首を緩々と左右に振った。
魔獣の討伐を終えた私たちは、来た道を戻っていた。ひと仕事を終えた後の、そこはかとなく脱力した雰囲気。

 先頭はエルート、次がレガット。私の後ろには、アイネンが。来たときと同様、前後を騎士に挟まれて、彼らのペースに合わせて歩く。交わされる彼らの会話は、右の耳から左の耳へ流れて行く。
 会話が耳に入らないのは、迷っていたからだ。
 言うべきなのだろうか。エルートの匂いは、常に魔獣に向かって放たれている。魔獣の討伐を終えた直後、彼の放つ匂いの向かう先は、方向を変えた。近くか遠くか、森の中か外かもわからないが、その先には別の魔獣がいるはずだ。
 私に求められているのは、彼らのために魔獣を探すこと。次の居場所が分かっているなら、報告すべきだろうか。判断しあぐね、エルートとレガットの会話に意識を向ける。

「魔獣の居場所がわかるって、本当だったんだねえ。お前が騙されているんだと思ったよ」
「団長にもそう言われた。俺は随分信用がないな」
「信用というか……その手のことには疎いからな」

 会話の隙間を探し、思い切って割り込む。

「あの、エルートさん」
「どうした、ニーナ」
「次の魔獣の居場所は、お伝えするべきですか?」

 言うと同時に、ぴしりと空気の固まる音がした。顔を引きつらせているのは、レガットである。エルートの表情は強張り、何を思っているのかわからない。
 何か悪いことを言ってしまったのかもしれない。心臓がどくん、と鼓動する。

「他にも魔獣がいるのなら、行くしかない」

 芯のある声は、背後からした。振り向くと、アイネンは腕組みをし、真摯な目付きをしている。

「自分らの役目は、魔獣の討伐。彼女の力は証明された。いるのなら、討ってから帰らねば」

 目を逸らすことを許さないような、力強い視線。それは、エルートに向けて放たれている。
 私は、はっとした。エルートが以前言っていたのはこのことだ。騎士の美徳は、自己犠牲。自らの身を投げ打ってでも魔獣を討伐しようとするあり方が、騎士の理想だと。だからエルートは「自分の命が何より大事」という当たり前の考えを、大っぴらに口に出すことができないのだ。
 けれど、アイネンの視線を見る限り、エルートの思想は隠しきれてはいないように感じる。

「僕は反対だな」

 アイネンの視線を遮るように割って入ったのは、レガットだ。

「彼女の力は特別だよ。確かに今までは、魔獣を見かけたときに討たなければ、次はいつ見つけられるかわからなかった。でも、魔女がいるなら、また探しに来ればいいんだ。町に出る前に見つければ、誰も傷つかない。それに僕、この手じゃ剣はろくに握れない」

 レガットは手を挙げ、巻いた黒い布を見せびらかすようにひらりと軽く振る。

「しかし……君に騎士道はないのか」
「アイネンは堅物なんだよ」
「君の考えが適当すぎるんだ」
「柔軟って言ってくれないかな」
「待て、言い合うな」

 白熱しかけたアイネンとレガットを、エルートの落ち着いた声が制する。全員の視線を浴びたエルートは、軽く咳払いをしてから、視線を私に向けた。焦げ茶の瞳に灯った優しい光は、スオシーと同じ慈愛深いもの。
 この目を見ると、彼は私のことを考えていてくれるのだと思ってしまう。そんなの、身の丈に余る勘違いなのに。

「やめよう。負傷者がいるのに強行すれば、ニーナを危険な目に遭わせてしまう」

 頷いたのは、レガット。黒い布を軽く叩き、怪我をアピールしている。苦い顔をしたのは、アイネン。くぐもった呟きは、「これだから親なしは」と聞こえた。その声色に不穏な響きを感じる。同じ屋根の下で生活する騎士同士なのに、仲が良い訳でもなさそうだ。

「このまま戻ろう」

 エルートの指示に従い、私たちはまた歩き始める。
 レガットが振り向き、緑の瞳を好奇心に輝かせた。

「それにしても、凄い勘だなあ。それ、何なの? 家系?」
「はい、私の母や祖母も同じです」
「へーえ。面白いね」

 あれこれと他愛ない会話を交わしながら、私たちは広場まで戻ってきた。初めてエルートと会った、あの白い花の群生する広場だ。今は花は散り、青々とした緑が広がっている。

「力添え感謝する、ニーナ」

 自然と私たちは、対面の並びを取った。私はこちら側、向かい合った向こうに3人の黒衣の騎士。エルートが謝辞を述べ、レガットが「またね」と手を振る。

 彼らを見送る形だ。

「私は、家に帰っていいのでしょうか?」

 確信の持てない私が聞くと、エルートは頷く。

「ああ、とりあえずは。今回君と交わした契約は『カプンの森の魔獣討伐』だからな。ただ……」
「迎えに行くと思うから、おめかしして待っててね、魔女さん」

 エルートの言葉を引き継いで、レガットが片目をぱちりと瞑る。こんなキザな仕草が様になるのだから、容姿端麗な人は羨ましい。
 「騎士が迎えに行く」なんて、童話みたいにロマンチックな表現だ。童話の主人公のお姫様を、騎士は迎えに来て、守ってくれる。違和感のある表現に、私は肩をすくめた。
 事実と相違はないものの、彼らが迎えに来るのは、私の能力を役立てるためだ。童話のように守るためでも、愛するためでもない。

「重責から逃げようなどとは、ゆめゆめ思わぬようにな。この国にいる限り、逃げることは敵わないからな」

 その点では、アイネンの脅しにも似た台詞が一番しっくり来た。

「逃げようだなんて、思っていません」

 魔獣を探す役目が今日限りでは済まないというのは、エルートが忠告してくれた通りだ。わかっていて、案内したのだ。たしかに騎士からの依頼は重責だが、求められる限りは、逃げるという選択肢はない。
 私が断言すると、アイネンは目を僅かに見開き、視線を逸らした。

「また来る。戸締りをしっかりしておけよ」
「はい。ありがとうございます」

 私は一礼して、エルート達を見送る。

 きっとまた近いうちに、彼らに会うことになるのだろう。

 黒いマントを靡かせて堂々と歩き去る彼らの姿は、凛として勇ましい。国の英雄。誰もが憧れる騎士。素晴らしい役目を担う方々だ。
 彼らの求めに応じて働くことになるなんて、故郷を出た頃には夢にも思わなかった。

 私にできることは、町の人の失くしものを探すことくらいだ。この鼻は人より少し良くて、少しだけ人の役に立つ。騎士たちが思うほど私は価値のある人間ではないけれど、それでも、求められるのは嬉しかった。
 彼らの求めに応じて魔獣に案内することが、誰かの命を救うことに繋がるのなら、それこそ「人の役に立つ」ということだ。騎士たちの求めに応じることで、私も母のように誰かの救いとなれるかもしれない。
 故郷を出て、母のような人になりたかった。目指す姿への道筋に、ようやくひと筋の光明が見えた気がする。
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