僕の彼女はVtuber

黒瀬志乃

文字の大きさ
6 / 19
第五章

僕と彼女の二重生活

しおりを挟む
 それからというもの、俺はルナの活動を陰ながらサポートすることになった。

 彼女は普段は普通の女子大生として過ごしながら、夜になるとVtuberとして配信を行っている。その裏で、俺は配信の準備を手伝ったり、動画編集を少し学んでサムネを作る手伝いをしたりするようになった。

 最初は戸惑いもあったが、ルナは俺にも分かるように色々と説明してくれた。

「で、OBSっていうのが配信ソフトなんだけど、こうやってシーンを切り替えて……」

「ほぇー、なるほど……」

「ほぇーじゃないよ、ちゃんと覚えてね?」

 そんな風に教わりながら、俺たちはいつの間にか普通の友達以上の関係になっていった。

***
 そんなある日。

 いつものようにルナの家で配信準備をしていると、彼女が急に真剣な顔になった。

「ねえ……もしさ、もしも、私がVtuberを辞めることになったら、どう思う?」

「え?」

 突然の質問に、俺は言葉を失った。

「い、いや、何かあったんですか?」

「うーん……最近、ちょっと考えることがあってね」

 ルナはカップを手に取り、ゆっくりと紅茶を飲んだ。

「私はVtuberをやってて本当に楽しい。でもさ、時々思うんだ。**このまま、ずっと配信者として生きていくのかな?**って」

「……」

「もちろん、今すぐ辞めるつもりはないよ? でも……いつかは、普通の生活に戻る日が来るのかもしれないって、ふと考えちゃうんだよね」

 彼女は窓の外を見ながら、静かに呟いた。

(……ルナは、本当に人気のVtuberだ。だけど、その裏には彼女にしか分からない悩みもあるんだろう)

「……俺は、ルナさんがどういう道を選んでも応援しますよ」

「え?」

「もちろん、ファンとしては配信を続けてくれたら嬉しいです。でも、ルナさん自身が幸せじゃないなら、それは意味がないと思うし」

 俺は自分の正直な気持ちを伝えた。

 すると、ルナは驚いたように目を見開き、やがてふっと微笑んだ。

「……そっか。ありがとね」

 そう言った彼女の笑顔は、どこか儚げだった。

(もしかして、本当に何か悩んでいるのか……?)

 俺は彼女の心の奥にある**「何か」**を知りたくなった。

 しかし、その答えを知るのは、もう少し先の話だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...