僕の彼女はVtuber

黒瀬志乃

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第十四章

さよならの予感

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 それから数週間後。

 ルナの初めての「歌ってみた」動画は、驚くほどの反響を呼んだ。

 コメント欄には「感動した」「ルナの歌声最高!」といったファンからの温かい言葉が溢れていた。

 だが、その成功の裏で、俺はある違和感を感じていた。

 ルナが、どこか遠くへ行ってしまうような気がする。

 そんな不安が、ある夜、現実のものとなった。

「……話があるの」

 彼女が真剣な顔で俺を見つめる。

「……実は、私……Vtuberを卒業しようと思うの」

 その言葉に、俺の心臓が強く跳ねた。

「え……」

「今回の歌ってみたで、自分の気持ちに気づいたんだ。私は、やっぱりリアルの世界で、もっと自分の声で勝負したいって」

 彼女の目は真っ直ぐだった。

「もちろん、リスナーのことは大好きだよ? でも……“月乃ルナ”じゃなくて、“私自身”として、自分の声を届けたい」

 その決意の強さに、俺は何も言えなかった。

 彼女は、Vtuberの世界を卒業する。

 それはつまり、「月乃ルナ」という存在が消えることを意味する。

 そして、それと同時に――

(俺とルナの関係は、どうなるんだ……?)

 頭の中が真っ白になった。
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