ノーザンライツ

@Y

文字の大きさ
8 / 15

地獄の蓋

しおりを挟む
 とっぷり日も暮れた頃になって戻ってきた俺たちはいつものように並んで横になる。この狭い巣穴の中では身体が密着せざるを得ず、胸元にシロの温もりを感じながら、なんとも言えない胸のざわめきを感じていた。
 ――非常にマズイ。
 正面からシロを抱きくるむような体勢のため、じんわりと伝わる温もりと寝息を立てるリズミカルな動きによって、下半身の一点に血液が集中し始める。
 収まれ、鎮まれ、と頭の中で念じれば念じるほどに意識がそちらに向かってしまい、血液を多量に吸った海綿体が体積と硬度を増していく。年頃の雌と同衾しているならまだしも、相手は雄で、俺にはそっちのケなんて微塵も無いはずだ。それでも暫く抜いていなかったのもあってか、僅かな物理的刺激によって得られる快感は、唐辛子のように赤い先端を鞘の中から押し出すには十分だった。
「っ……」
 敏感な先端がシロの柔らかい腹毛に擦れて思わず腰を引いてしまう。シロはまだ安らかな寝息を立てて眠りの淵に沈んでいる。起こさぬようにそっと抜け出して自分で処理をしてくるしかあるまい。
 密着した身体を離そうと、身体をひねり起きあがろうとすると、先ほどよりも更に太く、表面積を増した先端がシロに触れて、思わず鼻息を漏らすと、その勢いで先走りがピュッと飛び出してシロの毛皮にかかってしまう。
 雄相手にちんぽを腫らして、意図せずとはいえその分泌物によって汚してしまった事に対して、シロに対する罪悪感だとか、相手が雄だという嫌悪感よりも、ただひたすらに倒錯的な興奮がぐるぐると俺の頭を渦まいて、片隅に浮かんだ邪な発想が浸食して思考を全て塗りつぶした。
 すり……すり……
 もう鞘から八割以上は姿を現したグロテスクな臓器じみたちんぽをシロの腹から胸にかけてゆっくりと擦り付けると、タンポポの綿毛のようにふわふわの白い毛並みが濡れそぼってゆき、ちんぽに絡みついて一層刺激になる。
 だらしなく舌を垂らして腰を上下させながら、じきに目を覚ますであろうシロの事を考える。起きたときにこんな状況になっていたら、さぞかし驚くだろう。そして一呼吸置いてから俺にありったけの罵声を浴びせてから噛みつくだろうか。それとも、嫌悪に満ちた顔で吐き捨てるように侮蔑の言葉を吐いてから、足早にここから姿を消すだろうか。
 じゃあ、いっそのこと。どのみち俺たちの友情がここで壊れるのであれば、滅茶苦茶に壊してしまえばいい。俺がのしかかって押さえつけてやれば、こいつの小さな身体では抵抗できないだろう。何か文句を言うようなら喉元に噛みついてこう言ってやればいい。
 ”ごちゃごちゃ言うなら殺しちまうぞ”
 そうしたら流石に大人しくなるだろう。恐怖に顔をこわばらせて涙を流し、消え入りそうな声で助けを請うシロの身体中に欲望の汁をぶちまけるさまを想像して、悪魔じみた笑みを浮かべてしまう。
「んっ……う、ん……」
 シロが間もなく目覚めようとしている。吹き出したアドレナリンが心臓を締め付けて、目の奥に軽い鈍痛を覚え、無意識のうちにグルグルと唸り声が鳴った。
「あっ……え、グゥッ」
 状況すら把握させないうちに、狩りをする動きで素早く馬乗りになると喉笛に食らいつく。哀れな獲物は目を大きく見開いて、俺の姿を認識すると信じられないといった様子で見つめていた。
 ちんぽはもう、はち切れんばかりにそそり立って、遠慮の欠片もなく乱暴に腰を振って己の快楽を貪る。その勢いで犬歯ががっちりと食い込んで、シロは声にならない呻き声をあげた。
 口の中に漂い始めた鉄の匂いに、俺はきっと地獄に落ちるんだろうと確信した。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...