ノーザンライツ

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練習

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 そう言って立ち上がったシロは、俺にも起きあがるように促す。
「交尾って、お前……」
 言いよどんでいると、シロは舌なめずりをして優しく微笑んだ。
「言ったでしょ、僕が練習台になるって」
 そうは言ったが、どうやるつもりなんだ。
「お、おい、まさかその……尻に入れるのかよ」
 雄同士で交尾つったら、そりゃあソコしか入れる場所は無い訳だが。
「ふふ、大丈夫。心配しないで?」
 眉間にしわを寄せて少し引いている俺に、シロは片眉を上げてふっと笑うと、身体を低く匍匐前進のようにして俺の足下へと身体を滑り込ませる。俺はシロの背中に両手をついて、ちんぽをその顔に押しつけるような格好になった。互い違いに向いているとはいえ、俺からすれば交尾の時と同じ体勢という訳だ。
「じゃあ、いただきます」
 足下でそう聞こえた後、ちんぽが熱い粘膜ににゅるりと包まれる。
 ちゅぽ、ぬこ、ぬこっ
 遙か太古から遺伝子にプログラムされたタスクが実行されて、無意識のうちに腰を振る。ぐっとちんぽを押し込むと、はじめからこのために作られたかのように肉壁がほどよく締め付けて、引き抜こうとすると獲物を逃すまいと吸いついてくる。
「あぁ……やっべぇ……気持ちいい」
 種を繋いでいくための最大のミッションには、なにが何でも実行しようと思わせるだけの報酬が伴う。腰を振る毎にもたらされる暴力的な快楽に溺れ、無我夢中で加速させる。
 ごぼっぶぷっちゅぼっ
 ちんぽが粘液をかき回して下品な音が辺りに響く。
 げっ、ごほっうぇっ……
 ちんぽを突き刺す度に、水音と共に遠くで悲鳴が聞こえた。
 ぬこっちゅこっちゅこっ
 射精感がこみ上げてくると、ちんぽを根元まで押し込んだまま小刻みに震わせてラストスパートに入る。
「あぁクソッ……孕めよっ……!」
 真っ白に塗りつぶされた頭でうわごとのように呟いていた。
 びゅっ、びゅーっ、びゅくっ……びゅ
 精液が尿道を駆け上がって、シロの口内を溺れんばかりに満たしていく。抱きつくようにシロの身体を引き寄せて頬をその背中にすり付けながら、ちんぽが抜けてしまわないように、逃げられないように押さえ込んだ。
「んぶっ、ん、ふ、んんっ!」
 飲み込んでも飲み込んでも尚、吐き出され続ける精液に、呼吸の術を奪われたシロが苦しそうな声をあげる。生命の危機から、口からちんぽを引き抜こうと後ずさりを試みるも、俺よりも一回りは小さな身体では到底叶う筈もなく、ガリガリと地面を爪がかきむしる音がするだけだった。
 やがて抵抗も無くなって、ただきんきんと鼻を鳴らして命乞いをする頃合いになって、ようやく解放してやった。シロの顔は涙と涎と鼻から逆流した精液でぐっしょりと濡れて、綿毛のようだった毛も今はただ惨めに張り付いている。
 一方で股間はというと、シロのちんぽは小さく痙攣しながら白い液体を垂らし、地面に精液の水たまりを作っていた。こんな風に好き勝手されて悦んでやがるのか、この変態オオカミ! そう罵ってやろうと口を開きかける。
「クロくん、これならきっとお嫁さんも沢山赤ちゃん産んでくれるね?」
 その言葉に、苛立ちと悲しみが渦巻いて、噛みついてやりたい衝動にかられる。
「おい、口開けろ」
 おずおずと開かれたその口に、一気に舌を差し込んでかき回す。シロが目を見開いて呆気にとられていた。一矢報いてやった。唾液と精液の絡まり合った匂いに思わず顔をしかめてしまうが、かまわず歯列をなぞり、歯茎を舐めて水分を補給していく。
「んっ、れちゅ……っは、ねえ、クロくん」
 俺にしなだれかかりながら、甘えた声を出す。
「明日も……その」
 そこまで言って、俺の胸元に顔を埋める。
「練習、しような。」
 練習。そう、これは交尾の練習なんだ。
「うん。」
 ずっと練習でも、そう片隅によぎった考えを、ぶるぶると頭を振って追い出す。

「とりあえず」
 今はそんな事は考えずにおこう。
「メシでも食いにいくか。」
 捕まえた獲物は、こいつに一番に食わせてやろう。
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