幻想パズルパーティ～日常遅生活～

見た目が中学生の母親

「庭の点検に来ましたぁ」
「浅霧さん私依頼してないんだけど...」
「そうですね、時々見に来ないと駄目なんですよ。今回はね私の方から来たので料金はいりません」
「せっかく来たんだからゆっくりしていきなよ」
「いえいえ、お構いなく」
「のど乾いてない？」
「お、亜理紗ちゃん元気だねぇ！」
「亜理紗、家の中は走らないの！ごめんね。それでお茶とかどうかな？」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
　彼女は浅霧睡蓮（あさぎりすいれん）元戦国大名の妻で母親でもある。亜理紗は桜と何かのごっこ遊びをしてる。昔はそれこそおとなしかったのに今じゃおてんば娘になっちゃった。一人は私の分身だけどこうしてみるとやっぱり姉と妹って感じで微笑ましい。
「ところで何を考えていたんですか？」
「ボーっとしてたら昔の事思い出しちゃっただけだよ」
「へぇ、そうなんですか。教える事は出来ませんか？」
「もう、話した気がするんだけど...」
「親が居ない中学生と勘違いされたことですか？」
「そんなところかな...」
「そうは見えないですけどね」
「やっぱり見た目大事だね」

「君、学校はどうしたの？」
「中学校の事ですか？」
「中学生だったのか！」
「卒業しましたけど...」
「そっか、何か身分を証明できるものある？」
「はいどうぞ」
　何故か二人の男の警察官に職質？されていた。私はマタニティブックを差し出した。見た目のせいでよく親に学校行かせてもらえない学生だと思われるのは仕方ない。
　夫が失踪し、一人娘の川崎亜理紗（かわさきありさ）を養わないといけないけど。幸い、葛城グループ抜ける前にの潤沢な貯金が有るので助かっている。
「あなた、母親だったんだぁ」
「何故止めたんですか？」
「近所の人がね、中学生くらいの女の子が学校も行かずに子供の面倒見てるからってねありまして...」
「私が育児放棄を受けていると？」
「まぁ、そんな感じですね」
「そうですか...」
「何かすいません」
　そう言って彼等は去って言った。これで何回目だ？人間て見た目で判断したがるよねぇ。本当に腹立つ！そのせいで孤児院に入れられた事もあった。

　そうだ、賃金の代わりと言ってはあれなんだけど、最中や背筋が凝る程冷えている氷入りのお茶で睡蓮をもてなした。
「はぁ～冷たいお茶おいしい～癒される」
「熱中症気を付けなよ」
「分かってますって」
「私って子供に見える？」
「...どうなんでしょうねぇ、顔が童顔だからじゃないですか？」
「まぁ確かにそうかもしれない」
「気にしない方が良いですよ、中身...いや何でもないです」
「今中身二〇〇一歳のババアって言いかけたでしょ？」
「はて？何の事だか」
「もう！」
「お菓子と最中、持っていきますね」
「そこまでしなくても...」
　大智は生前、桜の木の下で死にたいっていってたな...今の季節は緑の葉っぱが付いていて、その枝の下”TAKUMA・S”Scott”・Logan”の石字が墓石に彫られていた。