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Ⅲ.そうして、再び愛し合う【愛執染着、愛多憎生】
Noyade dans les tactiques.
しおりを挟む「ねぇ、貴方も着てみない?」
ステージの裏方で
ベリーダンスの男衣装をヒラッと見せつけると
鼻で笑った彼は顔を逸らした。
「着ねぇよ」
「えぇ? なんでよ?」
「……見えちまうだろうが」
そう言った彼が胸元を撫でるように隠した。
彼がそれに触れる度、思う。
私の黒ずむ褐色の肌であれば差程目立たぬのに、
彼の陶器のような白い肌に青黒い刺青は酷く栄えてしまう。
皮肉にも、美しくすら見える程。
「それが、隠せれば、いいってことよね?」
「は……?」
私を怪しむ彼を後目に段に腰掛ける彼の前で跪いた。
傍にあった青い紅を指先につけ、その肌をなぞっていく。
紋のひとつひとつを隠すように、消し去るように。
「……感じてるの?」
「……あんまり煽るなって、言ったはずだぜ、俺は」
私の指が触れる都度、
体を力ませる彼にイタズラに問いかけると
鋭い光を含ませた目で睨まれた。
しくじった。
そう思っても、もう遅い。
頭を抑え込まれて降ってくるは彼の猛然たる口付け。
苦しくて、甘くて。
思わず手元にあった彼のワイシャツを握り締めると
指先についた青い紅が彼の白いそれを汚した。
「……衣装着るしか、ないみたいよ?」
白いワイシャツを染める青い紅を見て、装模作様に囁いた。
【策士策に溺れる】
Noyade dans les tactiques.
(思った通り、凄く魅惑的)
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