俺様奴隷と美しい恋をする為に茨の道を参ります

しゃむ

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Ⅸ.体から伝わる愛【合歓綢繆、楚夢雨雲】

Faute avouée est à moitié pardonnée.

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「今日はイけそう、ってどういう意味……?」



 互いに一糸纏わぬまま、
ベッドの中で彼の胸に寄り添って問い掛けた。

所謂ピロートーク。


 行為中、聞けなかった疑問を冴えてきた頭でぶつけると
彼はそこは突いてほしくなかったと言わんばかりに
ビクッと体を震わせた。



「……引くなよ?」

「うん?」

「実は、イけたことがないんだ」

「え……?」

「他の女との行為で、快感はあっても、
果てたことは無い」

「!!」



 気まずそうに呟いたレオに、
私が気まずさを覚えた。


っていうか、そんなこと、ある……?

私と他の女性で何が違うんだろうか、
なんて最早論点のすり変わった思案をしていると。


「悪かった」と突然、レオが謝ってきた。



「何が……?」

「……嘘を、ついたことだ」



 頭から抜け落ちていたそれを突きつけてきた彼は
私が思うよりずっと悩んでいたのだと知る。

だというのに、私は本当に、どうしようもない女だ。



「確かに、シャルの言う通り出来ないことは無い。
お前を正妻に迎えることで、民衆からの批判も免れない」

「……」

「ただ別に、それは自分の身を案じた訳では無い。
そんなもの、言わせておけばいい」

「どういうこと?」



 じゃあ、なんで。

彼の顔を見上げれば、
私を見た彼の瞳は信じられないくらい、優しかった。



「お前が大事だから、こそ
そんな醜い世界に踏み込ませたくなかった」

「え……」

「俺が批判を食らう分にはどうだっていい。
ただ、お前が苦しむ姿は、見たくない」

「……」

「だから、公妾でも、正妻でも
俺の愛があればいいと言ったお前の言葉に甘んじた」



 公妾なら、人目に触れさせず愛することができるから。


私の頭を愛おしそうに撫でながらそう言った
彼の心に触れて、泣きそうになった。






【告白された過ちは半分許されている】
Faute avouée est à moitié pardonnée.

(私は一人、勝手に溺れていただけだった)
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