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XX.愛が分からなくなる【行方不明、二転三転】
Comme on connaît les saints, on les honore.
しおりを挟む「で? 喧嘩して帰ってきたのか?」
「嬉しそうに言わないでくれる」
ニヤニヤと嬉々とする顔を隠そうともしないレオは、
どうやら私の部屋で健気に待っていたようだ。
それはもう、番犬のごとく。
最初こそしょぼくれて部屋に戻ってきた私の
あまりに早い帰りに目を見張って驚いていたのに、
全てを話してやればこのザマだ。
あんたのせいで。
と、心で思ってみるも、確実にそれが
お門違いなのは私にもわかっていて。
当てどころのなくなった苛立ちを
彼の恨めしい顔を睨む力に変えた。
「慰めてやろうか?」
「やめて」
ベッドの隅で縮こまって膝を抱える私に
厭らしく近づいてきたレオを蹴散らす。
体の慰めなんて、要らないわよ。
「少しくらい甘えても誰も咎めねぇよ」
「うるさい」
やめてと言ったのにしつこく迫ってくる彼は
私の感情を理解しようともしない。
本当に最低。
……私が。
何を考えても自分の嫌なところしか出てこないことに
自害をも辞さない考えを持ち始めた頃。
ふんわりと背中から体温を感じて。
後ろから抱きすくめられていることに気づき、
顔が顰まった。
「ちょっ……と! やめてってば!!」
「俺がしたいだけだ。別にお前の為じゃない」
「……」
その腕を振り払えない自分の弱さに、更に嫌気がさした。
【人は聖人を知っている通りに敬う】
Comme on connaît les saints, on les honore.
(どうやったら、時の魔法使いになれるかしら)
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恋愛小説大賞関係のページでタイトルをお見掛けし、そのままお邪魔させていただきました。
サクサクと読める。でも内容がないのではなく、しっかりと存在している。設定が面白い。などなど。
こちらの作品には素敵なポイントが沢山ありまして。
ですので。本日は3つお話を拝読したのですが、すでに、作者様の世界にはまっております……!
閲覧頂きありがとうございます。
感極まる御感想もありがとうございます!
ポイントまであげていただけて、嬉しい限りです……
これ以上冥利に尽きるお言葉はございません……
1話あたりの文字数が少ない分
内容が薄くなりがちなので、
これからもガッカリさせることのないように精進致します。
是非今後ともご贔屓にお願い致します!
どんでん返しの展開が過ぎてすごいわくわくしてます笑面白いです!
これからも楽しみにしてます!
面白いと言って頂けて嬉しいです(((o(*゚∀゚*)o)))
感想頂けると創作意欲がどんどんわいてきます!!
ご期待に添えるよう頑張ります!
この辺は目まぐるしく展開して参りますので
お目を回しませんよう……www
アリシア様がちょっと衝撃的でした、、
えー!!!って感じです笑
これからどうなっていくのかワクワクして待ってます!
衝撃だと言って頂けるなんて作者冥利に尽きます_|\○_
ただ、章の名前の通り、オセロのように
どんどんひっくり返って参りますので
まだまだお目は離されませんよう(ΦωΦ)フフフ…笑
ここからは多分、衝撃祭りですのでお楽しみに!!
いつも応援ありがとうございます!!