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収束・・・そして佳奈子から彰司へのライン
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その後の調査の結果、成田建設から大野へのリベートはなかった。
また、法を犯したのもこの一件だけだった。
発覚から三日後には、本条支店の支店長が、「県の信用保証協会=県信」事務所長にかけ合い、三百万円をなんとか県信から特例的に保証をつけてもらった。また、残り二百万円については、銀行の本店審査部と協議の末、西都銀が無担保で出すことを取りまとめた。
幸い、成田建設には四日後に六百万円の売上金が入るため、そこから一旦、五百万円を一括返済の形にしてもらい、その三日後に、合計五百万円をあらためて「手形貸付」の形で本条支店から正式に貸し付けることとなった。
こうして成田建設問題は収束した。
◇
「成田建設がぎりぎり『正常先』だったのが救いだった。もし『要注意先』以下の、いわゆる『今後の追加融資は基本的には不可!』の会社だったら・・・審査部は絶対にこの融資案件に印鑑を押さなかったぜ。県の信用保証協会も絶対に三百万円の保証には立ってくれなかったよ」
「ほんと、その通りだわ」
「ところで県信(信用保証協会、またはその制度)の内容は知っているっけ?」
「いやぁ、知らない」
「まずそこだな。じゃあググっとけよ」
「今晩にでも」
「結局は・・・最初に融資の依頼を聞いた時に、大野主任はその話を支店で共有化しておかなければいけなかった。もっともその前に、融資案件記録表に、何はともあれ打ち込んでおくべきだった。そうしたら、事前に彼の上司の村山課長が融資案件の進捗状況の点検をする際に、必ず引っかかったはずだ」
「突き詰めれば、本当にそうね・・・」そういって佳奈子はクイッとお猪口を空けた。
「あ、最後だけど鈴木審議役から聞いたんだが、あの件は金融当局にも報告され、法的処理も含めしかるべき措置がなされたという事だ」
「・・・・」佳奈子はやや口をとがらせ涙目になっていた。
「法を犯したことは確かに罪に問われるが、あの事件で、」と言った後に
「(・・・惜しい人材を失った)」と彰司は心の中でつぶやいた。
気が付くと、時計は午後九時を回っていた。
「お、そろそろ行こうか」
「そうですね。三時間も飲んじゃいました。帰りましょうか(・・・大将、お勘定を)」二人は会計を済ませて店を後にした。
彰司が自分のマンションに帰りついて間もなくラインの着信音が鳴った。佳奈子からだった。
「ありがとうございました、今日はすごく勉強になりました(今日『も』かな(笑))。
信用保証協会、分かったわ。けど細かいところも多いからこれからよく勉強してみるわ。
『会社の立ち上げが大好きな青年から融資の相談』を受けた時は、案外ここって私たちに解決策をくれるところみたい・・」
彰司は心でつぶやいた、
(早速勉強したんだな。その調子だ・・・とは言いながらも、まぁ、肩の力を抜いて日々がんばってくれ佳奈子・・・)
彰司は既読スルーをしようかと思ったが・・・・・・・・『いいね』サインをポンと送った。
終わり
※西村佳奈子からみなさんへ
「続編 『それでもあなたは銀行に就職しますかII(木室建設事件)』 にてまたお会いしましょう」
また、法を犯したのもこの一件だけだった。
発覚から三日後には、本条支店の支店長が、「県の信用保証協会=県信」事務所長にかけ合い、三百万円をなんとか県信から特例的に保証をつけてもらった。また、残り二百万円については、銀行の本店審査部と協議の末、西都銀が無担保で出すことを取りまとめた。
幸い、成田建設には四日後に六百万円の売上金が入るため、そこから一旦、五百万円を一括返済の形にしてもらい、その三日後に、合計五百万円をあらためて「手形貸付」の形で本条支店から正式に貸し付けることとなった。
こうして成田建設問題は収束した。
◇
「成田建設がぎりぎり『正常先』だったのが救いだった。もし『要注意先』以下の、いわゆる『今後の追加融資は基本的には不可!』の会社だったら・・・審査部は絶対にこの融資案件に印鑑を押さなかったぜ。県の信用保証協会も絶対に三百万円の保証には立ってくれなかったよ」
「ほんと、その通りだわ」
「ところで県信(信用保証協会、またはその制度)の内容は知っているっけ?」
「いやぁ、知らない」
「まずそこだな。じゃあググっとけよ」
「今晩にでも」
「結局は・・・最初に融資の依頼を聞いた時に、大野主任はその話を支店で共有化しておかなければいけなかった。もっともその前に、融資案件記録表に、何はともあれ打ち込んでおくべきだった。そうしたら、事前に彼の上司の村山課長が融資案件の進捗状況の点検をする際に、必ず引っかかったはずだ」
「突き詰めれば、本当にそうね・・・」そういって佳奈子はクイッとお猪口を空けた。
「あ、最後だけど鈴木審議役から聞いたんだが、あの件は金融当局にも報告され、法的処理も含めしかるべき措置がなされたという事だ」
「・・・・」佳奈子はやや口をとがらせ涙目になっていた。
「法を犯したことは確かに罪に問われるが、あの事件で、」と言った後に
「(・・・惜しい人材を失った)」と彰司は心の中でつぶやいた。
気が付くと、時計は午後九時を回っていた。
「お、そろそろ行こうか」
「そうですね。三時間も飲んじゃいました。帰りましょうか(・・・大将、お勘定を)」二人は会計を済ませて店を後にした。
彰司が自分のマンションに帰りついて間もなくラインの着信音が鳴った。佳奈子からだった。
「ありがとうございました、今日はすごく勉強になりました(今日『も』かな(笑))。
信用保証協会、分かったわ。けど細かいところも多いからこれからよく勉強してみるわ。
『会社の立ち上げが大好きな青年から融資の相談』を受けた時は、案外ここって私たちに解決策をくれるところみたい・・」
彰司は心でつぶやいた、
(早速勉強したんだな。その調子だ・・・とは言いながらも、まぁ、肩の力を抜いて日々がんばってくれ佳奈子・・・)
彰司は既読スルーをしようかと思ったが・・・・・・・・『いいね』サインをポンと送った。
終わり
※西村佳奈子からみなさんへ
「続編 『それでもあなたは銀行に就職しますかII(木室建設事件)』 にてまたお会いしましょう」
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