13 / 19
第13話 天使、逆異世界転生完了
しおりを挟む
フロウティフォンとライド達を乗せたトラックは何度もぶつかり合うッ!
豪雨のようなフロウティフォンの攻撃だったが、トラックは何度も物理法則を無視した軌道で避け続けていた。
「ハハハハハ! 人間! 体力は保つのか!? 少しは手を抜いてやろうか!?」
「不要!」
トラックは一度距離を取るため、フロウティフォンから離れていく。
フロウティフォンはこの時点で違和感に気づくべきだった。
「大口を叩いておいて、その実、大したことのない突進攻撃の連続! 我はもう飽きてしまったぞ!」
フロウティフォンからしてみれば、もはやこれは子供の遊び。突進しかしてこないので、万物を超えた存在フロウティフォンの目からすれば、これはもう戦いではない。
ライドたちの目がまだ死んでいないから、もしやと思い、こうして戯れ続けているだけである。
「……もう少し」
再びライドはトラックをフロウティフォンへぶつける。彼の意識は既にフロウティフォンへはなかった。
後ろで控えているルピスが不安げに確かめる。
「ねえライド、大丈夫? ライドは勝てるよね?」
「当たり前だ」
“空”を見つめながら、ライドはきっぱりとそう言った。
「あぁ飽きた飽きた飽きた!! もう終わりにする! すまんな人間! もうちょっぴり我が我慢強かったら、こうはならなかったのになぁ!」
フロウティフォンは空いた左手を天空へ掲げた。そこに金色の光が収束する。光はやがて細長くなり、円となる。まるで絵本に出てくる天使の頭の上にある輪っかのようだった。
「我の全てをこの一撃に込めよう! この周辺一体、吹き飛ばす! それで我は気持ちよく帰ることにしよう!」
フロウティフォンが産み出した光輪から感じるは、絶望的なまでの波動。一瞬掠りでもしたら、存在ごと消えてしまいそうな、そんな圧倒的潜在破壊能力ッ!
しかし、ライドの顔に諦めの色はなく、むしろ――まだ勝つ気でいた。
「褒めてやろう人間! ある程度の実力を持っていたら、この我の光輪を見た瞬間、失禁し、発狂する! なんたる精神力! だからこそぶち壊してやりたい!」
今まさに光輪を投げつけようとするフロウティフォン。
「この光輪によって存在を消されろォォォ!!! ハハハハハハハ!!!」
フロウティフォンの視界に、一瞬影が映り込んだ。
「はん」
鼻で笑ったフロウティフォンが滑るように左へちょっぴり動くと、どこからともなく現れたトラックが横切り、地上へ落ちていった。
「不意打ちにしてもお粗末。満足したか――」
再び感じるトラックの気配。また回避行動を取るフロウティフォン。そこで彼女は気づいた。
(何やら攻撃の間隔が短くなってきている)
ふと、空を見上げた。そこでフロウティフォンはライドの“攻撃”に気づいた。
「な――!」
「気づいたなフロウティフォン! だが遅いよ!」
それはトラック。空を埋め尽くすトラック。雲のようにトラックたちは固まっていた。
「これはぁぁぁぁぁ!?」
「トラック魔法奥義! 『トラック流星群』!! いけええええええ!!!」
まるで決壊したダムのように、空を埋め尽くすトラックが一斉にフロウティフォンへ向かう!
数えるのは非常識な台数。まるで空がそのまま落ちてきたかのような圧倒的プレッシャー!
この攻撃に気づくのが遅れたフロウティフォン。いくら天空の化身といえど、このトラック空間から離脱するほどの速力は持ち合わせていなかった。
「ぐ……おおお!!! 馬鹿にするなよタンパク質のぬいぐるみがぁぁぁあぁぁあ!!! この程度の攻撃で、この、我がああああ!!!」
弾いては避けを繰り返すフロウティフォン。だが、圧倒的物量によって、やがて一台ずつフロウティフォンへ直撃していく。確実なダメージに、フロウティフォンの表情が初めて揺らいだ。
「まだ、終わらぬのか!? ありえぬありえぬありえーーーーーぬ!!!」
「フロウティフォン!! お前の敗けは最初から決まっていた!!」
「それは、何故だ!?」
既に全身の骨が折れているフロウティフォン。愛槍はベキべきにへし折られており、元が武器だったと言われても怪しい状態。
未だにトラックに襲いかかられるフロウティフォンの肉体は、限界を迎えていた。
「ルピスを攫った時点で、お前の敗けだあああああああ!!!」
残りのトラックが全てフロウティフォンへ直撃した! 空中にトラックで構成された団子が一つ出来上がる。直後、トラックがそれぞれ発光する!
「転生しろォォォー!!!」
ライドの雄叫びとともに、トラックが爆炎へと変わった! これはトラックに積まれたエンジンが爆発を引き起こしたためである!
「きょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
フロウティフォンの断末魔が世界中に響き渡る。全てが終わった後、フロウティフォンの肉体は塵一つ残らず消滅した。
確実な手応え。ライドは無事にフロウティフォンを打倒できたことを理解した。
ライド達を乗せたトラックは地上へと帰還し、久々の地面を噛みしめる。
ライドはフロウティフォンがいたであろう場所へ、拳を向けた。
「転生完了! 今度はまともな人間に生まれ変われると良いな!」
いつかの未来で、どこかの世界で、“彼女”は産声をあげた。
――我の前世は、天空の化身たる最強の存在だった……!
ここからの物語はあえて語らないでおこう。
きっと誰かが観測する出来事なのだから。
豪雨のようなフロウティフォンの攻撃だったが、トラックは何度も物理法則を無視した軌道で避け続けていた。
「ハハハハハ! 人間! 体力は保つのか!? 少しは手を抜いてやろうか!?」
「不要!」
トラックは一度距離を取るため、フロウティフォンから離れていく。
フロウティフォンはこの時点で違和感に気づくべきだった。
「大口を叩いておいて、その実、大したことのない突進攻撃の連続! 我はもう飽きてしまったぞ!」
フロウティフォンからしてみれば、もはやこれは子供の遊び。突進しかしてこないので、万物を超えた存在フロウティフォンの目からすれば、これはもう戦いではない。
ライドたちの目がまだ死んでいないから、もしやと思い、こうして戯れ続けているだけである。
「……もう少し」
再びライドはトラックをフロウティフォンへぶつける。彼の意識は既にフロウティフォンへはなかった。
後ろで控えているルピスが不安げに確かめる。
「ねえライド、大丈夫? ライドは勝てるよね?」
「当たり前だ」
“空”を見つめながら、ライドはきっぱりとそう言った。
「あぁ飽きた飽きた飽きた!! もう終わりにする! すまんな人間! もうちょっぴり我が我慢強かったら、こうはならなかったのになぁ!」
フロウティフォンは空いた左手を天空へ掲げた。そこに金色の光が収束する。光はやがて細長くなり、円となる。まるで絵本に出てくる天使の頭の上にある輪っかのようだった。
「我の全てをこの一撃に込めよう! この周辺一体、吹き飛ばす! それで我は気持ちよく帰ることにしよう!」
フロウティフォンが産み出した光輪から感じるは、絶望的なまでの波動。一瞬掠りでもしたら、存在ごと消えてしまいそうな、そんな圧倒的潜在破壊能力ッ!
しかし、ライドの顔に諦めの色はなく、むしろ――まだ勝つ気でいた。
「褒めてやろう人間! ある程度の実力を持っていたら、この我の光輪を見た瞬間、失禁し、発狂する! なんたる精神力! だからこそぶち壊してやりたい!」
今まさに光輪を投げつけようとするフロウティフォン。
「この光輪によって存在を消されろォォォ!!! ハハハハハハハ!!!」
フロウティフォンの視界に、一瞬影が映り込んだ。
「はん」
鼻で笑ったフロウティフォンが滑るように左へちょっぴり動くと、どこからともなく現れたトラックが横切り、地上へ落ちていった。
「不意打ちにしてもお粗末。満足したか――」
再び感じるトラックの気配。また回避行動を取るフロウティフォン。そこで彼女は気づいた。
(何やら攻撃の間隔が短くなってきている)
ふと、空を見上げた。そこでフロウティフォンはライドの“攻撃”に気づいた。
「な――!」
「気づいたなフロウティフォン! だが遅いよ!」
それはトラック。空を埋め尽くすトラック。雲のようにトラックたちは固まっていた。
「これはぁぁぁぁぁ!?」
「トラック魔法奥義! 『トラック流星群』!! いけええええええ!!!」
まるで決壊したダムのように、空を埋め尽くすトラックが一斉にフロウティフォンへ向かう!
数えるのは非常識な台数。まるで空がそのまま落ちてきたかのような圧倒的プレッシャー!
この攻撃に気づくのが遅れたフロウティフォン。いくら天空の化身といえど、このトラック空間から離脱するほどの速力は持ち合わせていなかった。
「ぐ……おおお!!! 馬鹿にするなよタンパク質のぬいぐるみがぁぁぁあぁぁあ!!! この程度の攻撃で、この、我がああああ!!!」
弾いては避けを繰り返すフロウティフォン。だが、圧倒的物量によって、やがて一台ずつフロウティフォンへ直撃していく。確実なダメージに、フロウティフォンの表情が初めて揺らいだ。
「まだ、終わらぬのか!? ありえぬありえぬありえーーーーーぬ!!!」
「フロウティフォン!! お前の敗けは最初から決まっていた!!」
「それは、何故だ!?」
既に全身の骨が折れているフロウティフォン。愛槍はベキべきにへし折られており、元が武器だったと言われても怪しい状態。
未だにトラックに襲いかかられるフロウティフォンの肉体は、限界を迎えていた。
「ルピスを攫った時点で、お前の敗けだあああああああ!!!」
残りのトラックが全てフロウティフォンへ直撃した! 空中にトラックで構成された団子が一つ出来上がる。直後、トラックがそれぞれ発光する!
「転生しろォォォー!!!」
ライドの雄叫びとともに、トラックが爆炎へと変わった! これはトラックに積まれたエンジンが爆発を引き起こしたためである!
「きょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
フロウティフォンの断末魔が世界中に響き渡る。全てが終わった後、フロウティフォンの肉体は塵一つ残らず消滅した。
確実な手応え。ライドは無事にフロウティフォンを打倒できたことを理解した。
ライド達を乗せたトラックは地上へと帰還し、久々の地面を噛みしめる。
ライドはフロウティフォンがいたであろう場所へ、拳を向けた。
「転生完了! 今度はまともな人間に生まれ変われると良いな!」
いつかの未来で、どこかの世界で、“彼女”は産声をあげた。
――我の前世は、天空の化身たる最強の存在だった……!
ここからの物語はあえて語らないでおこう。
きっと誰かが観測する出来事なのだから。
0
あなたにおすすめの小説
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!
カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。
その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。
「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」
次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。
彼女は知っている。
このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。
未来を変えるため、アメリアは
冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。
これは、かつて守れなかった主人のための転生。
そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。
王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
挿絵はA I画像を使用
10/20 第一章完結
12/20 第二章完結
2/16 第三章完結
他サイト掲載
(小説家になろう、Caita)
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる