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7)琴葉と旦那様と『義妹』
しおりを挟む『やめて、止めて、真琴・・・・・様・・・・!!』
いつも鞭を打たれては泣いていたあの日々の痛みや辛さは未だに時折夢に出てくる。でも、誰にも言わないし、言いたくないけれど、唯一絶対にあの人のことを思い出さない、夢にみない時がある。
それが、旦那様と性交する時とその後に眠った時だ。
だから、抱かれている時はそんなに嫌ではない・・・だからといって好きでもない。でも、暴力も振るわない人だからマシだし・・・あ、でも、最近は面倒くさいな~とも思っている。
「・・・・・琴葉、美味しいか?」
今日も自分を呼ぶ声が聞こえる。以前は呼ばなかった名前が聞こえるのにも慣れた。以前よりなぜか優しく聞こえる声。前は乱暴だったのに、優しく触れてくるようになった手つきにもたいぶ慣れたような気がする。
「・・・・・美味しいです。」
「お前が言うならばこの店はアタリのようだな。」
思いふけっていたせいで無意識に返事をしてしまったことに後から気づいた。まぁいいかと思い直していると、巽が手帳を取り出して何やらメモしている。どうやらこのお店のことを記しているようだ。手帳を閉じた巽がふと思い出したように琴葉に話しかけた。
「そういえば、琴葉・・・黒川から聞いたが、明日友達と大学の文化祭に行くとか?」
「あ、はい。黒川執事長に休みを申請したら問題ないと言われましたが。」
「・・・正確には、妻だから申請する必要がないという意味なんだが・・・まぁ、いい。俺としても問題はない。でも最近は物騒だからあまり遅くなりすぎないようにな。遅くなる時は連絡を入れてくれ・・・迎えに行くから。」
「遅くなる時は黒川執事長に連絡を入れますので心配無用です。」
さりげに巽直々の迎えは要らないと言ったようなものだ。それに気づきながらも巽は聞かなかったことにしつつ、再び食事に戻った。それを見た琴葉もまた食事を続ける。しばらくお互いに食事に夢中になっていると、支配人らしき男性が巽の方に何やら話しかけてきた。
話を聞いた巽は目を丸くし、それでも何か返事をした後頷いていた。
その頷きを了承ととったらしい支配人が消えていくのと入れ替わるように、ウェイターが椅子を新たに持って来る。琴葉が隣におかれた椅子に目を丸くしていると、巽が説明し出した。
「小百合がこちらに来ているそうだ。相伴したいとのことなので、許可したが問題ないだろう?」
「小百合様が・・・それなら、私が下がられた方が良いのでは?」
「その必要性はありませんわ、姉様。」
困惑している琴葉の声に答えたのは当の小百合。巽の妹にあたるということはあの椿の娘であり、琴葉にとっては戸籍上、義理の妹にあたる。彼女は腰まで流れる長い髪を三つ編みにして纏め、眼鏡をかけている。その雰囲気はやはり兄妹ということで巽にとても良く似ていたが、年相応にまだ子どもらしい笑顔を浮かべていた。
ちなみに、小百合は琴葉と会うまで呼び方に悩んでいたが、もともと琴葉と仲が良く姉のように慕っていたこともあり、今まで通り姉様と呼ぶことに決めた。そしてそれは正解だったようで、琴葉も小百合を見るなり、目を見開いたものの無表情だった顔を少し緩ませていた。慌てて立ちあがった琴葉は恭しく小百合に頭を下げたが、小百合は琴葉に座るように促した。
「お久しぶりです、小百合様。普段は寮にいらっしゃるのに、こちらにいらっしゃったということは、何か都合がおありになられたのでしょうか?」
「姉様、お久しゅうございます。突然来たわたくしが悪いのですし、どうかお座りになって。それに、今回の帰省については、母から愚兄の愚行を聞いて一度だけでも自ら制裁をしたくて帰ってきただけです。なので本当に些細なことですわ。」
琴葉の驚きを宥めるような言い方だが、その内容は巽にとっては無視できない内容だった。小百合はウェイターがもってきた椅子に座りながら、琴葉に延々と話しかけている。もちろん、兄の方に気づいているはずだが、挨拶は一向にない。そして当の兄である巽は、余計なことをと、こっそりと舌打ちしていた。
「充分たいしたことだ。・・・母も余計なことを。」
「母に説明を受けた後、すぐにわたくしも美琴様に謝罪を申し入れました。さすがは姉様が自慢されていたお姉様ですわね。懐がとても広い方で、『貴方が気になさることではなくてよ』と高笑い付きでお許しをいただきましたの。とはいえ、たってもいていられず、一日だけでもと家に戻ることの許しを得てこちらに帰ってきたのですわ。」
途中で美琴の高笑いの真似を交えて話しを続けた小百合のテンションの高さにちょっと引いた琴葉だが、つい想像したのか口元を抑えて微笑んでしまった。その笑顔に巽は思わずスマホを取り出そうとするが、小百合が持っていた扇子で叩き落としてしまう。もちろん、わざとであろうが、小百合はそれをおくびにも出さない。この時ようやく、小百合が巽に挨拶をしだした。もちろん、今までは意図的に無視していたにすぎない。
「遅くなりましたが、お久しぶりですわね、愚兄様。」
「待て、その愚兄様というのは一体・・・」
「中学3年生のわたくしでも聞いていて情けない言動をなされた方を昔のように尊敬などできませんもの。気づかなかったわたくしも情けない限りですが、これからは頑張りますわね。」
最後は琴葉に向けてのアピールなのだろう、琴葉の両手を握りしめている小百合。巽はたまらず口を開くがついうっかり脳内で妄想していたことも相まって本音がつい漏れてしまったのだろう、ポロっと言ってしまったが後の祭りだ。
「こら、俺でもそんな風に琴葉の両手を握りしめることができないのに触るな・・・俺としては、琴葉のその柔らかな手と艶やかな舌に包まれつつ、溢れ出る液体を舐めまわされる方がよほど・・・・あ。」
もちろんこの発言により、女性二人が一気に顔を赤らめて怒ったのはいうまでもない。
「この公共の場で堂々と猥褻発言をかまさないでちょうだい、こんの愚兄!!」
「下品なことをレストランで赤裸々に語らないでくださいませ!」
・・・女性2人の怒りにより、巽は口を閉ざし、小百合の分まで食事代を出す羽目になったが自業自得である。小百合がやった通常マナーとしてはあまりよろしくないはずの途中参加や女性陣の血相を伴った大声がかわいく思えてくるレベルだ。
巽が縮こまって食事をしていた中、女性2人はあれこれと食事に舌鼓を打っていた。そしてそろそろ退出しようということでレストランを出た3人は家に帰っていった。
家についた時、玄関では、黒川をはじめとしたメイド達がずらりと並んで迎えに立っていた。小百合の登場に慌てたのは執事長である黒川だ。
「これは小百合様!! 椿様から連絡をたった今受けた所でございますよ。」
「久しぶりね、黒川。琴葉姉さまと一緒に食事をしてきましたの。とても美味しかったわ。」
「おい、俺もいたんだが。」
「それはよろしゅうございましたね。この後は自室でお茶になされますか?」
「もちろんよ、琴葉姉様もちろん一緒にね。」
「だから、俺は・・・」
「レストランで堂々と猥褻発言をした愚かな兄様と一緒にお茶などしたくありません。」
「・・・・・巽様は書斎でお仕事をなされますので心配など無用にございます。」
「ありがとう、黒川。では、私の部屋に参りますわよ、姉様!!」
「・・・俺の立場は本当に一体どうなっているんだ・・・女性陣無双じゃねぇか!」
「え・・・私もって・・・私などがよろしいのでしょうか?」
「奥様、どうか小百合様に付き合って差し上げてくださいませ。後でお茶をお持ちいたします。旦那様ならご心配無用です。後、男である私の目から見てもダメダメな旦那様はさっさと書斎にお入りくださいませ。」
「はぁ・・・。」
「・・・お前が俺の昔からの世話担当じゃなければ怒っているところだぞ・・・黒川。」
小百合と黒川の勢いに押されるように琴葉は小百合の部屋へと連れられて行った。立場がない巽はすごすごと執務室へ押し込まれ、仕事に取り掛かった。
「・・・だって、あのカルボナーラがどうしても美味しそうに見えたんだ。琴葉の口に含まれたクリームを見ているとつい想像してしまうじゃないか・・・考えてみろ、あのピンクの艶々した舌にからんだあの液体が・・・(以後自主規制によりカットさせていただきます。)」
妄想したのか、巽がぶつぶつと呟いている内容を黒川が聞いていたら、即座に電話で椿に報告されるレベルなのではないだろうか。執務室に黒川がいなかったのは彼にとって最大の幸運だったかもしれない。
巽が変態になっていたその頃、小百合の部屋で琴葉はなぜかお茶をしつつ、小百合とトランプに興じていた。ババ抜きをしていた途中で小百合が琴葉の方を複雑そうに見つめていた。
「えっと・・・小百合様?」
「わたくし、これでも一応は恥を知っているつもりですわ。失礼ながらも、母から琴葉様の生い立ちと兄の愚行について聞いておりますの・・・本当にいろいろと兄が申し訳ございません。」
「あの?まだ学生である小百合様の耳に入れるようなことではないのですが。」
「その上で、わたくしがどうすれば琴葉様に詫びることができるか考えましたの。でもやはりわたくしは甘い上に子どもだと今さらながらに情けなくも実感いたしましたわ。どうしても思うような詫び方が思い浮ばないのです。」
「小百合様が詫びる必要はございませんし、そもそも詫びられても困るのですが・・・。」
小百合は持っていたトランプを膝におき、真っすぐに琴葉を見つめて口を開いた。
「それでわたくしなりの詫び方ですが、もし、いつか姉様がこの家から出たいと思った時は絶対に味方になりますわ。ですから、困った時はどうかわたくしを頼ってくださいませ。微力ながらも、兄を敵に回してでも、わたくしが持てる城野宮家の力を使ってでもお助けいたしますから。」
出来ることは限られていますが・・・と補足しながらもはっきりと告げてくる小百合。その意思の強さはやはり椿様の血を継ぐ娘なのだなと感じつつ、琴葉は首を振った。
「私はあの実家から抜け出せただけでも幸せです。ですので、お願いするようなことは今も今後もきっとないと思います・・・いざという時は自力で逃げるつもりですし。」
「・・・姉様は、表情をあまり出さないお方。それに、感情を抑制されるのがお上手ですわ。きっと姉様本人でさえ、きっと自分の気持ちに気づいておられないかもしれませんわね。もし、気付いていたとしても姉様はわたくしに本心で話してくださらないかも知れませんが・・・。」
「・・・小百合様?」
「それは、わたくしが兄の妹ということもあるのでしょうが・・・。何にしても、姉様はもう少し周りに頼ったり、欲張りになったりすることを覚えたほうがよろしいと思いますわ。」
「私は充分な生活をさせてもらっています。これ以上欲張ったら罰が当たります。」
真剣に言う琴葉に小百合は少し悲しげに何かを言おうとしたが、途中で止めたのか、顔を振り、別の話題を振ってきた。
「・・・いえ、やはりやめておきますわ。それはそうと、明日、大学の文化祭に行かれるそうですわね。できましたら私もご一緒したいですわ!」
「え、でも、寮の方は大丈夫なのでしょうか?」
「明日の夜に戻れば問題ありませんわ。今日は土曜日ですし。わたくし、大学進学も視野にいれていますの。参考までに見学させていただきたいですわ、ね、お願いです!」
「そういわれたら断れないじゃないですか・・・。私の友人も一緒ですが、それでもよろしければ。」
「もちろんです。絶対迷惑をかけないと誓いますわ。」
「後明日は休みをいただいているので、私の口調も砕けてしまいますが、それでも・・・」
「もちろん、問題ありません。むしろ兄が知らぬ琴葉様を見られるということでもあるわけで・・・ふふふ、愚兄に自慢できますわね。」
キラーンッと小百合の眼鏡が怪しく光るのを琴葉は見逃さなかったが、敢えてスルーした。その後雰囲気を仕切り直した小百合により、再びトランプゲームで盛り上がった。そして次の日の朝・・・。
「では行ってまいります、黒川執事長に旦那様。」
「はい、琴葉様、小百合様、電車やバスでは充分にご注意を・・・特に女性2人ですので。」
「かしこまりました。」
「解っていますわ、黒川。では、行ってきますわね、兄様。」
「・・・・ああ、気を付けて行っておいで。」
「行っていらっしゃいませ。」
手をつないで消えていった小百合と琴葉の後ろ姿を見た巽が羨まし気にぽつりと呟いた。
「・・・俺も行けたら良かったな。」
「旦那様と行ったとしてもあのように手を繋いでくださるかどうか・・・。」
「黒川、ほっんとうに俺に対する態度が少しずつ酷くなっていないか?」
「・・・・気のせいでございましょう。」
「その間が怪しいんだ、その一瞬の間が・・・ああっ、扉を閉めるな、黒川!!」
しれっと旦那である巽をよそに先にホールへ戻っていく黒川。後から渋々と戻ろうとするが、閉め出された扉を前に巽の威厳は(相変わらず)どこにもみえなかった。
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