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28)旅行を楽しんでいます(前編)
しおりを挟む「見て、海!!!!!エメラルドグリーン!!」
「落ち着け。海は消えないから。」
馬車の窓から身体が落ちそうだとザンが引き寄せてくれた。もう少しだからと、ザンの膝の上に抱きしめられる形で座ることになる。
「楽しみだなぁ。」
「計画も楽しそうに作っていたな・・・お陰で時間がかかったが。」
「でも、満足する出来になっているよ。ありがとう、ザン!」
「・・・・まぁいいか。」
アリアが、ザンから誕生日ンプレゼントにと旅行の企画を持ちかけられてから二ヶ月が過ぎた。ザンは本来ならサプライズで行きたかったようだが、本人の意向ぐらいは聞いておかないと後から拗ねられるということで明かしてきた。アリアは旅行の企画については行く相手と相談して決めたい派なので、その判断は正解だったと思う。
『どうせ、行くならいろいろと開発に使える材料も探しに行きたいっ!』
『・・・まぁいいか、俺も一緒だしな、好きにしろ。』
ザンは苦笑しながらもお前の誕生日だから好きにしろと珍しく文句も言わずに、付き合ってくれた。(無理なところははっきりと無理だといってきたけれど。)
ということで、今日は少し羽を伸ばして旅行をしに来ている。
「あー風が気持ちイイ。それにしても、魔法のお蔭とはいえ、いつでも海に入れるってすごいなぁ。」
水着に着替えて海を一望した後、後ろを振り返ると、ザンがラティスに対して微笑んでしたところだった。相変わらず仲がいいなと思いながら、シャラを呼ぶ。シャラはラティスの近くにいたので、内容がまる聞こえだったが、わが身可愛さにあっさりとスルーした。
「ラティスはあっちに行け。アリアの水着が腐る。」
「ザン殿下ぁああああ・・・そんなことを言わず・・・って、シャラさんも助けて下さいよ!」
「ザン様、アリア様が呼んでいますので、失礼いたします。」
「ああ。・・・お前はここから動くなよ。本来ならアリアの水着すら見せたくないところを警護だからと、我慢してやっているんだ。ありがたく思え。」
「ううううう、俺は荷物係ですか!!!俺も泳ぎたいし、遊びたいんですよ!?」
「プライベートで行け。お前がアリアの水着を見るなど1000年は早い。」
「だったら、アリア様にビキニを着せなきゃいいじゃないですか・・・少し前までは紺色のワンピース水着が主流だったでしょう。」
「アリアが開発した新しい水着に文句をつけるな。」
「もしや、あの水玉のフリンジ・ビキニは殿下の趣味ですか・・・いやよくお似合いですけれどね。」
「当然だ。俺の妃に似合わない水着など存在せん。というか、お前、いい加減アリアから目を離せ。」
「痛っ・・・・ぁああーーーー!」
何故かじゃれあいだした男2人に呆れながら、アリアはシャラと話していた。
ザンが見苦しい嫉妬を見せていることなど知るよしのないアリアは呑気だったが、会話の内容を知っているシャラは内心で汗を流していた。
「シャラは行かないの?」
「私は別荘の手配がありますので。・・・そうそう、ラティスも荷物を見張るために残るみたいです。」
シャラのフォローの意図にも気づいていないアリアは残念そうになるが、ザンと二人きりということですぐに笑顔になった。その間、ラティスが屍になっていたのは言わずもがな。
「そうなんだ・・・。」
「心配なさらずとも、ザン様とご一緒であれば危険もございません。存分に楽しまれてくださいませ。」
それもそうかと思い直したアリアは大声でザンを呼んだ。
「見に行くんでしょう?早く、早く!」
「わかった、わかった。」
トランクス型の水着をはき、パーカーを羽織っていたザンが詠唱しながら呪文を鳴らすと、水色に輝く無数の光でできた結界がアリアやザンを包んだ。光に感嘆していると、ザンが手を差し出してきた。その手を取りながらアリアは海の中へと向かった。
「うっわー。本当に海の中だ・・・・。」
結界の中は空気があるので、普通に会話ができる。アリアの世界ではできなかったことがこちらではできる。今、海の中を歩きながら、海の生き物が泳いでいる姿を堪能できるこの瞬間がまさしくそれだった。
(・・・・こんな時に日本にいた頃と違うんだって実感するのよね。この世界は・・・別世界。そして、私がこれから骨を埋めて生きていくと決めた国がある世界。)
「・・・・アリア?」
「あ、ごめん。」
ザンが何度も話しかけていたのに気づき、我に返った。慌てて返事をすると、ザンの唇が落ちてきた。
「んっ・・・・。」
「ったく・・・何を考えているかしらんが、俺の存在を忘れるな。」
「・・・・ごめん。」
何度か唇を啄まれ、ようやく満足したザンが離れるのに時間はかからなかった。しばらく歩いていると、ザンが前方に見える微かな白いもやを指さしながら口を開いた。
「見えたぞ、お前の探していた真珠(パール)を持っている花だ。」
「・・・っ・・・この植物が真珠を?私達の世界では牡蠣という貝の中からできるのだけれど。」
「貝の中からできる宝石もあるが・・・少なくとも、お前の言っている真珠はこいつらが作っている。」
眼前には無数の牙を持った白い花が岩陰に咲いていた。いわゆる、アリアのいた世界で言う食虫植物の|類(たぐい)になるのだろう。花びらにはしっかりと小さな牙が出来ており、花弁もくねくねと動いている。
ザンは説明しながら、その花を草取りのようにむんずと掴んで抜いた。うねうねと葉っぱが動いていることから生きていることが解る。そして、根っこには無数の白い球がブドウのように連なっているのが見えた。それにアリアは目を丸くした。
「この花の根っこにはこんな風に真珠ができる。ほら、お前の世界の真珠と同じだろう?」
「本当だわ・・・スゴイ・・・・。」
「ここの海の近くにある街は、この花を改良して、いろんな色の真珠を作っている。もっとも、白以外では、ピンクや黒ぐらいしかできないみたいだがな。今夜はそこに泊まるから色々と見てみるがいい。」
「黒やピンク色のもあるの・・・すごく贅沢。街に行く楽しみが増えたわ。」
ザンが花の根っこから真珠を抜き取りながら話すのを聞きながら、アリアは真珠が袋に入っていくのを眺めていた。
「うん・・・サンプルにはこれぐらいで大丈夫そう。」
「そうか。」
「うん、ありがとう。」
「この後はゆっくり眺めながら戻るぞ。」
ザンが花を再び岩陰に戻すと、根っこが再び地面にもぐろうと穴を掘りだした。
「・・・自分で動けるのね。」
「少なくとも、茎を切られたり、枯れたりしない限り、ああやって何度も真珠を作ってくれるぞ。ただ、魚に食われることも結構ある。それもあって、真珠の生産も数を規制して定めている。そのため、地上においてある花の数も必要最低限しかない。」
「納得いきました。」
いろいろと海にすむ生態系の生き物について話をしているとあっと言う間に地上へと戻っていった。
「・・・・なんていうか幻想的で神秘な世界だったわ。私のいた世界と同じように、マグロの群れとか、熱帯魚とか、珊瑚とかもいたけれど・・・やっぱり魔獣には驚いたわ。」
「そりゃ、お前のいた世界とは違うからな。」
「・・・・・・」
「・・・戻りたいのか?」
「戻りたくないっていったら、嘘になる。でも、この世界でザンの隣で生きると決めたし、この世界が好きだよ。ずっと暮らしていく世界だもの・・・だからこそ、この世界のイイところも悪いところも全部知りたいの。」
笑顔で告げると、ザンはどことなく複雑そうだったが何も言わず、アリアの頭を撫でた。
「ん・・・これからもいろいろと教えてやるし、連れて行ってやる。」
「とりあえず、街へ行こうよ。ラティスやシャラも待っているだろうし。」
「そうだな。でも、その前にやることがある・・・ああ、あいつらはすでに宿に行かせたから安心しろ。」
「うん?」
アリアは首を傾げたが、すぐにザンの笑顔を見て何かを感じ取ったのか逃げようとした。だが、すでに遅かったようだ。ザンの手はすでにアリアの腰にまわっている。
「んっ・・・・や・・・・」
「ああ、すげぇ、エロい・・・たまんねぇな。」
「ザンっ・・・こ、のために・・・ビキニを・・・すす、めた?」
「さてな。」
「・・・・・スケ・・・べ・・・!!」
ぷいっと顔を逸らしたアリアだが、身体はすでにザンと繋がっているため、全身で熱を感じていた。ざらざらとした砂が肌にまとわりつくのは、汗のせいだろう。
ムニュムニュと胸を揉んでいるザンの大きな手を感じながら、アリアはぼんやりする頭で必死に呼吸していた。
(・・んっ・・・・ここ、が・・・皇族のプライベートビーチで良かった・・・)
そうでなかったら、アリアは抵抗していただろう。幸いにして、まだ4月だし、皇族の所有しているビーチだったので、人がいる気配もない。木陰で二人して砂の上で獣になっている。
もし、ココに誰かがいたら、絶対アリアは立ち直れないほどの精神的ショックを受けていたことだろう。
アリアがそんなことを考えていた時、より強い衝撃が襲った。ザンの腰の動きが早くなったのだ。それに加えて、ザンの指が秘部の入り口をみだらに這いまわっている。
「・・・やっ・・・きゅ、うに・・・っ・・・!!」
ザンの趣味によるのか、水着は脱がされていない。ニキビスタイルで簡単に繋がることができるということもあって、特段脱がす必要性がなかったのだろう。(ザンの方はパーカーだけになっていたが。)
胸の方も、ザンが乳首に吸い付いているので、アリアは全身がとろけるような感覚を感じていた。
「っ・・・キスマーク・・・やんっ・・・」
気づけば、ザンはアリアの胸元に無数のキスマークを付けまくっていた。それに気づいたアリアは必死に引きはがそうとするが、動くたびにザンの肉棒の形がはっきりわかるぐらい結合部分が敏感になっていた。未だに慣れないアリアは顔を真っ赤にしていて足をジタバタさせたが、ザンがそれを許すはずもなく。
(ううっ・・・暑いんだか、熱いんだか、わかんないよう・・・なんか硬いアレが中で蠢いているし・・・なんか絡みついているし・・・・んっ・・・)
アリアは感覚が解ると恥ずかしく感じたのか、余計に力を入れてしまった。その力によって、締め付けられたザンは少し苦しそうだったが、それでも欲情たっぷりの表情でアリアの耳元で囁いた。
「くっ、締め付けるな。外でやっているからか、お前の身体も敏感だな・・・太ももに砂がついていて、余計エロい。人前は嫌だが、こうやって内緒でやる分にはスリルあってよいな。お前の中も熱いし・・・今度は海の中でやるか?」
「・・・・・どっちも・・・・いやです・・・・普通が、いい・・っ・・あっ・・・ああん!!!!」
「大丈夫だ、次起きたらすでに街中にいるはずだから、存分に乱れておけ。」
アリアの抵抗も空しく、ザンは、アリアの両足の太ももを持ち上げて覆いかぶさった。そして、ザンの宣言通り、アリアが再び目を覚ました時にはすでに町の宿の一室にいたのだった。しかも当のザンは元気いっぱいだ。
「おはよう、アリア。」
「・・・・理不尽っ!!!」
ザンの笑顔を見たとたん、アリアが叫んだのは無理なからぬことであろう。
余談だが、後から話を聞いたラティスはさもありなんとばかりに深く頷いていたとか。
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