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最終章 全ての元凶

その姿こそ相応しい

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「……やっと……見れたのう……」

 ルリが小さく呟き、一筋の涙を流す。
 その姿は、ルリが今までずっと待ち望んだもの。
 完全なる魔法少女の姿。

「魔法少女は願いの力で強くなる――さぁ! わしを倒すがいい! そしてハッピーエンドを勝ち取るのじゃ! ――結衣っ!!」

 ルリが吼え、大きすぎるマントを翻す。
 そんな大きすぎるマントでも、結衣の翼には勝てない。
 黒色や紫色、灰色や茶色など……様々な色が集まっている結衣の翼。
 それはまるで生きているように揺れる。

「――空間転移シフト!」

 そう紡ぐと、結衣の身体が消え去った。
 だが、次の瞬間には結衣の身体がルリの背後から現れる。

「全力全開!! ――大砲バング!」

 結衣は魔法陣を展開し、ルリの背後から全力砲を繰り出す。
 突然のことに防御も回避もできなかったルリは、もろに攻撃を受けた。
 ルリは石のように転がり、身体のあちこちに傷がついた。

「がはっ……! ゲホゲホ……ッ!」

 血まで吐きそうな咳をし、ルリは身体を起こす。
 闇を纏っているような漆黒の髪は、結衣の闇を具現化しているのではと思わせるほどに黒い。
 そう、これが結衣の本当の姿。

「この姿こそが……お主に相応しい。あんな純白な髪……お主には似合わんな」
「あなた……何か知っているの?」

 ルリの呟きに、せーちゃんが耳ざとく反応する。
 だが、せーちゃんの問いには答えず、ルリはフラフラと立ち上がった。

「さぁ、来るがいい。わしには無理でも……お主ならきっと出来るはずじゃから」

 だから、そう……自分はこのままここで果てるべきなのだ。
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