百合ハーレムが大好きです!〜全ルート攻略開始〜

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それぞれのルート

蒼衣(幼なじみ)ルート

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「あら、おはようございます。朱美さん」
「おはよー、蒼衣あおい。てか、幼なじみなんだからさん付けやめてよ」

 丁寧な口調と態度で出迎えてくれたのは、隣に住んでいる幼なじみの蒼衣。
 生まれた時から既に一緒にいるので、もうかれこれ14年の付き合いになる。

「同じ病院、同じ時間に生まれた運命ような仲なんだから~」
「それもそうですわね。だけどもうそう呼ぶのが癖になってしまっていて」

 蒼衣は、赤髪青目の美少女。
 腰まで伸びた長く燃えるような赤髪がとても眩しい。
 ついつい反射的に目を細めてしまう。

「じゃ、行こうか」
「ええ、そうですわね」

 こうして二人は歩き出した。
 通学路が長いからだろうか、既に周りには誰もいない。
 二人の足音だけが、静かな住宅街に響いている。
 朱美は静かすぎることに少しばかり違和感を覚えたが、すぐにその正体がわかる。

「そういえば、今日はみーちゃんは一緒じゃありませんの?」
「みーちゃん? あぁ、美桜のことか。美桜は今日早めに学校行ってるんだよねぇ」
「あら、そうだったんですのね」

 美桜というのは朱美の妹で、蒼衣の因縁のライバル……らしい。
 朱美は詳しく知らないが、昔蒼衣と美桜が戦ったことがあるのだとか。
 蒼衣の勝利で終わったということも聞いている。
 一体なにを巡っていたのかはわからないが、二人にとってはよほど大切なものなのだろう。
 美桜に散々泣きつかれたことのある朱美はそれを痛いほど感じていた。

「ふふっ、一体なにを考えているのかしら。わたくしと朱美さんが仲を深められるよう身を引いたということなのかしら」
「え、あー、うん、多分そうなんじゃないかな……」
「まあ! それはとても光栄なことですわ」

 蒼衣は嬉しそうな笑顔で朱美の腕に抱きついてくる。
 中学生にしては発達している胸がむぎゅうと当たって朱美は変な気分になる。
 胸の柔らかさと自分にはないものを感じて嬉しいやら虚しいやら……

「そ、そういえば、蒼衣って好きな人とかいないの?」
「好きな人……ですか。そうですわね……朱美さんですわ」
「……え?」
「あら、わたくし何かおかしなこと言いました?」
「あ、いや! 別におかしくはないんだけど!」

 まさか自分に矛先が向くとは。
 いやまあ確かに蒼衣に好かれるような要素はあるのかもしれない。
 だがしかし、それはあくまで幼なじみだからで恋愛的な意味ではないはずだと朱美は思っている。

「朱美さんは、好きな人とかいらっしゃるんですの?」
「わ、私? うーん……いないかなぁ」
「あら、そうですの。それはよかったですわ」

 蒼衣はそう言うと、さらに強く抱きついてくる。
 朱美はそれに少しドキッとしながらも、平静を装って歩き続ける。

「……っと、そろそろ学校だね。あ、あの、そろそろ腕離してくれない?」
「……嫌ですわ」
「え?」

 蒼衣は朱美の腕にしがみついたまま、離さない。

「だって、このまま離したらあなたは別のところに行ってしまうでしょう? 朱美さんはわたくしのものですわ。誰にも渡しません」
「え、えーっと……」

 蒼衣は独占欲がとても強い。
 昔からそうだ。
 だからこうして、いつも朱美に抱きついてくるのだ。

「ほら、早く行きますわよ。朱美さん」

 蒼衣はやっと腕を離したかと思いきや、今度は朱美の腕に自らの腕を絡めてくる。
 俗に言う恋人繋ぎというものだ。

「ちょ、ちょっと蒼衣! 私達は幼なじみでそういう関係じゃないでしょ?」
「あら? でもわたくしのこと嫌いではないのでしょう?」
「それはそうだけど……」

 そんな話をしているうちに学校に着いた。
 蒼衣とはクラスが違うからそろそろ本当に離して欲しいのだけど。

「ほら、そろそろ離れて。他の人に見られると恥ずかしいじゃん」
「ふふっ、残念ですわね……朱美さんとのこの時間がなくなると思うと、少し寂しくなりますわ」

 蒼衣はそんなことを言いながらもやっと腕を離してくれた。
 朱美は内心ホッとしながら教室に入る。
 蒼衣に求められるのは正直嫌な気がしない。
 だけど、やはり恥ずかしさが先行して素直になれない。

「はぁ……」

 朱美は大きなため息をついた。
 やはり、恋とはどんなものかよくわからない。

「あ、朱美さん」
「ん? どうしたの蒼衣?」
「あの……その……」

 蒼衣はモジモジとしながら、言葉を詰まらせている。

「えっと、朱美さん。放課後屋上に来て欲しいんですの」
「屋上? なんで?」
「……秘密ですわ」

 蒼衣はそれだけ言って自分のクラスへいってしまった。
 朱美は不思議に思いながらも授業の準備をする。

 ☆ ☆ ☆

 放課後になり、朱美は言われた通りに屋上へ向かう。
 屋上へ続く扉を開くと、そこには蒼衣の姿があった。

「朱美さん、お待ちしておりましたわ」
「何の用だったの?」
「……これをあなたに受け取って欲しいんですの」

 蒼衣はそう言うと、懐から小さな箱を取り出した。
 綺麗なラッピングが施されており、とてもプレゼント用に見える。

「これ……なに?」
「……わたくしの気持ちですわ。受け取ってくれますか?」

 蒼衣は不安げに聞いてくる。
 朱美が断るわけがないというのに。

「ん、ありがとね。蒼衣」

 そう言って朱美は箱を受け取ると、そのまま蒼衣に抱きつく。

「わわっ!? あ、朱美さん!?」
「あはは、何慌ててるの? お返しだよ」

 突然のことで驚きを隠せない蒼衣だったが、すぐに嬉しそうな顔になる。

「……ふふっ、これで私達恋人ですわね」
「……え?」

 蒼衣の言葉に理解が追いつかない朱美。
 恋人とは、一体どういうことだろうか?

「えーっと……ごめん、どういうことかな?」
「そのままの意味ですわ。わたくしと朱美さんは晴れて恋人同士になったんですの」
「……ん?」

 蒼衣はさも当然かのように言っているが、朱美には理解ができない。
 告白されたわけでもないし、プレゼントを受け取っただけだ。
 恋人になる理由なんてどこにも……

「わたくし、朱美さんのことが好きですわ。だから、付き合って欲しいんですの」

 そんな蒼衣の言葉と同時にチャイムが鳴る。
 もう帰らないといけない時間だ。

「あ、蒼衣? その……気持ちは嬉しいけど……」
「あら、もしかして他に好きな人がいらっしゃるんですの?」
「いないよ! いないけど……」

 そう答えると蒼衣は嬉しそうな顔をする。
 そしてそのまま朱美の手を取り歩き出した。
 朱美はそれに戸惑いながらもついていくことしかできなかった、その時。

「……強引なのはよくないんじゃないかい?」
「……っ!」
「さ、沙橙!」

 朱美は声のした方向を見る。そこにはハイライトの入っていない病んだ瞳で朱美たちを見つめる少女がいた。
 いつもは無気力で死んだような目をしているのだが、今日はなんだかその目に感情が乗っているような気がした。

「あら、なんの用かしら?」

 蒼衣は沙橙を睨みつけるが、沙橙は全く動じない。
 むしろその逆で余裕そうな表情を浮かべている。

「……別に? ただ朱美ちゃんが困ってそうだったから声をかけただけだけど」
「ふーん……まあいいですわ。朱美さん、行きますわよ」

 蒼衣はそう言うと、再び手を引いて歩き出す。
 そんな二人の後を沙橙がついてくる。

「……あの、沙橙? なんでついてくるの?」
「……ん? いや、特に意味はないな」

 沙橙はそう言って目を逸らす。
 なんだか様子がおかしい気がするが気のせいだろうか?

「あ! もしかして嫉妬ですの? ふふっ、可愛いところもあるんですわね」

 蒼衣がからかうように笑う。
 沙橙は一瞬だけムッとした顔になったが、すぐにいつもの無表情に戻った。

「……まあ、なんでもいいけど早く帰ろ」
「あら、それもそうですわね。でもあなたと帰る約束をした覚えはありませんわよ?」
「……じゃあ勝手に付いて行くから」
「ふふっ、まあいいですわ。朱美さんとの大切な時間ですもの。邪魔だけはしないでくださいね?」

 蒼衣はそう言うと、再び朱美と恋人繋ぎをしてくる。

「ほら、行きましょう朱美さん♪」
「あ……う、うん……」

 蒼衣に引っ張られていく朱美。
 そんな二人を追いかけるようにして沙橙がついてくる。

「あ、あのさ……そんなに引っ張らなくても……」
「ダメですわ。ずっとこうしていたいんですもの」
「うぅ……」

 結局そのまま家まで辿り着いてしまった。
 蒼衣はようやく手を離してくれたが、まだ物足りなさそうな表情をしている。

「それでは、また明日会いましょうね」

 そう言って蒼衣は自分の家へと帰って行った。
 残されたのは朱美と少し後ろから朱美と蒼衣を見ていた沙橙だけ。

「……朱美ちゃん、ちょっといいかい?」
「な、何……?」

 沙橙は何かを言いたげだがなかなか切り出せないようだ。
 そんな沙橙を不思議に思いながらも待つことにする。
 しばらくすると決心がついたのか、ゆっくりと口を開く。

「……朱美ちゃんはさ、蒼衣ちゃんのことどう思ってるんだ?」
「え? なんでそんなこと聞くの?」
「……いいから答えて」

 いつになく真剣な眼差しで見つめてくる沙橙に少しドキッとする。

「えっと……その、大切な幼なじみだよ?」
「……それだけか?」
「う、うん」

 朱美の答えを聞いて、沙橙は少しだけ驚いたような顔をする。
 一体どうしたというのだろうか?

「……そっか、ならいいんだ。ごめんな変なこと聞いて」

 沙橙はそう言って自分の家へと帰って行った。
 結局何が言いたかったのかわからなかったが、まあ気にすることでもないだろうと思い気にしないことにする。
 朱美はそのまま自分の部屋へと戻り、ベッドに倒れこんだ。

「はぁ……疲れた……」

 蒼衣には振り回されるし、沙橙の様子もなんだかおかしかったしで今日はとても疲れてしまった気がする。

「ちょっと寝よ……」

 まだ帰ってきたばかりだが、疲れのせいか眠気が襲ってきた。
 しかし、色んなことが起こりすぎてなかなか眠れない。
 仕方なく起き上がり、外を眺めることにした。

 窓から見える景色はいつもと変わらない。
 だけど、今日はなんだか違って見えるような気がした。

「蒼衣……沙橙……」

 二人のことを思う。
 なんであんなことになってしまったのか? なんで自分はこんなにも悩んでいるのか? 考えても答えが出ることはない。

「……はぁ」
「なにをため息ついてるんですの?」
「うわぁ!?」

 突然声をかけられ驚いてしまう。
 いつの間にか蒼衣が部屋に入ってきていたようだ。
 朱美は慌てて立ち上がると、誤魔化すように言う。

「いや、なんでもないよ? っていうかどこから入ってきたの!?」
「そこの窓からですわ。開いていたもので、つい」
「ついって……」

 朱美はため息をつく。
 蒼衣の行動力には驚かされてばかりだ。
 そういえば、昔も朱美が熱を出した時に窓から「大丈夫ですの!?」と現れた気がする。
 いくら家が隣だからとはいえ、窓から窓に飛び移るのは並の人間では不可能だろう。
 だからあれは熱の時に見る変な夢だと思っていたのだが……どうやら現実らしい。

「それより、今日は楽しかったですわね。朱美さん」

 蒼衣はニコニコと嬉しそうに言う。
 まるでプレゼントを貰った子供のような無邪気な笑顔だ。
 そんな蒼衣を見て、思わずドキッとしてしまう。

「う、うん……」
「あら、どうしましたの? 顔が赤いようですけど……もしかして照れてらっしゃるのかしら?」
「ち、違うよ! そんなんじゃないって!」

 朱美は必死に否定するが蒼衣は全く聞く耳を持たない。
 それどころかどんどん距離を詰めてくる。
 このままではまずいと思い後ずさるもすぐに壁にぶつかってしまった。
 逃げ場がない。

「ふふっ、本当に可愛らしいですわね」

 蒼衣はそう言うと、ゆっくりと顔を近づけてきた。
 そしてそのまま唇を重ねようとしてくる。
 朱美は慌てて顔を背けた。すると蒼衣の唇が頬に当たる感触があった。

「むぅ……避けなくてもいいじゃありませんの」

 不満そうな声を上げる蒼衣。だが朱美からしたらたまったものではない。
 たしかに女の子とイチャイチャするのは好きだが、ここまでグイグイ来られると困る。
 朱美は経験が少ないのだ。中学生だから当たり前だけど。

「朱美さん、好きですわ」

 再び顔を近づけてくる蒼衣。
 今度は避けられず唇同士が触れ合った。柔らかく温かい感触が伝わってくる。
 朱美は恥ずかしさのあまり固まってしまう。
 抵抗しないのをいいことに蒼衣はさらに激しく求めてきた。
 何度も啄むようなキスを繰り返す。最初は驚いていたものの次第に慣れてきたのか朱美も受け入れ始めていた。

 やがて蒼衣の舌が朱美の唇をノックし、ゆっくりと中に入ってくる。口内を蹂躙される感覚に背筋がゾクゾクとする。初めての感覚に戸惑いながらも必死に応えようとする朱美だったが次第に意識がぼーっとしてきた。

「はぁ……っ」

 唇が離れると同時に大きく息をする朱美。その顔は上気しており目は潤んでいた。
 そんな朱美を見て満足げに微笑む蒼衣。
 その表情はとても妖艶で思わず見惚れてしまうほどだった。

「……ねぇ、朱美さん」
「な、なに?」
「わたくしのこと嫌いですか?」

 不安げに聞いてくる蒼衣。
 そんな聞き方はずるいと思う。
 嫌いなわけがない。むしろ好きだと言えるくらいだ。だけどそれを口にするのは恥ずかしいし勇気がいることだ。だから素直に答えることはできないけれど……それでもちゃんと伝えようと思った。

「……好きだよ」

 朱美は小さな声で言う。ちゃんと聞こえていたかはわからないけどそれでもよかった。今の気持ちさえ伝わればそれで十分だ。
 それを聞いた蒼衣は満面の笑みを浮かべた。まるで花が咲いたかのような笑顔だ。

「良かったですわ! わたくしも朱美さんの事が大好きですわ!」
「う、うん……」

 朱美は照れたように顔を背ける。
 そんな朱美に蒼衣は再び口づけをした。今度は触れるだけの軽いものだ。だがそれでも十分すぎるほどの衝撃だった。
 それからしばらくの間、二人は抱き合っていたのだった……

 ☆ ☆ ☆

「……はぁ、やっぱりこうなっちゃうか」

 沙橙は一人呟く。
 朱美と蒼衣の様子を双眼鏡で眺めながらため息をつく。

「……この世界線なら当然といえば当然だけど、やっぱり何回見ても心にくるな」

 沙橙はポツリと呟いた。その表情はどこか寂しげで悲しさを感じさせるものだった。
 それと同時にとてつもない闇がその目の奥に隠れているようだった。

「……なんでボクは記憶を引き継いじゃうんだろう。ボクと朱美ちゃんが結ばれるルートじゃない時も」

 沙橙は自嘲気味に笑う。その笑顔はとても歪で痛々しいものだった。

「……だけど、ボクのルートじゃない時は邪魔しない方がいいよな。その方が朱美ちゃんも幸せだろうし……ちょっとしたちょっかいはかけさせてもらうけど」

 沙橙はそう言うと、双眼鏡をしまいその場を後にした。
 その足取りはどこか重かったが、それでも前を向いて歩いていくのだった……
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