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第一章 高校一年生(二学期)
がくえんさい2(朔良)
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「お、そろそろ始まるな」
そう言うと、みんなが一斉に壁にかかった時計を見る。
ワクワクしているような、不安なような――複雑な心持ちになった。
ここは女子校だから、当然親族以外の男性は入れない。
そういう複雑な心境などではなく、未知のことに対する期待と恐怖に近いだろう。
「う~……なんかドキドキしてきた」
「お客さん来てくれるといいね~」
「シフト終わったらみんなで色々まわろうっす!」
「私、料理部が売ってるマドレーヌが欲しいです……!」
だが、みんな口々に自分の思いを吐くと、そんな雰囲気はかき消される。
杞憂だったかもしれない。朔良の思い過ごしだったかもしれない。
それならそれでいいと、朔良は思った。
「よっし、じゃあ位置につくか!」
朔良たちのクラスは模擬店。
とはいえ、自分たちが一から作るものではなく、そこらの店からもらった食べ物を使わせてもらうことになっている。
何かあったら、学校が責任を負わなくてはならないからだとか。
なんとも夢のない理由だ。
楽しく過ごすことができるのなら、なんだっていいと思う自分もいるのだけれども。
「ねぇ、朔良」
そんなことを考えていると、不意に美久里から声をかけられた。
だがそちらには目を向けずに、扉だけを見る。
「楽しみだね」
その声はいつもより弾んでいるように感じられた。
顔を見ていないので表情はわからないが、きっといい笑顔を浮かべているのだろう。
美久里はそういう人だから。
「……うん、そーだな」
「お、朔良今笑った?」
「気のせいじゃね?」
何気ない会話をしていると、学園祭の開始を報せる放送が流れた。
そう言うと、みんなが一斉に壁にかかった時計を見る。
ワクワクしているような、不安なような――複雑な心持ちになった。
ここは女子校だから、当然親族以外の男性は入れない。
そういう複雑な心境などではなく、未知のことに対する期待と恐怖に近いだろう。
「う~……なんかドキドキしてきた」
「お客さん来てくれるといいね~」
「シフト終わったらみんなで色々まわろうっす!」
「私、料理部が売ってるマドレーヌが欲しいです……!」
だが、みんな口々に自分の思いを吐くと、そんな雰囲気はかき消される。
杞憂だったかもしれない。朔良の思い過ごしだったかもしれない。
それならそれでいいと、朔良は思った。
「よっし、じゃあ位置につくか!」
朔良たちのクラスは模擬店。
とはいえ、自分たちが一から作るものではなく、そこらの店からもらった食べ物を使わせてもらうことになっている。
何かあったら、学校が責任を負わなくてはならないからだとか。
なんとも夢のない理由だ。
楽しく過ごすことができるのなら、なんだっていいと思う自分もいるのだけれども。
「ねぇ、朔良」
そんなことを考えていると、不意に美久里から声をかけられた。
だがそちらには目を向けずに、扉だけを見る。
「楽しみだね」
その声はいつもより弾んでいるように感じられた。
顔を見ていないので表情はわからないが、きっといい笑顔を浮かべているのだろう。
美久里はそういう人だから。
「……うん、そーだな」
「お、朔良今笑った?」
「気のせいじゃね?」
何気ない会話をしていると、学園祭の開始を報せる放送が流れた。
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