個性派JK☆勢揃いっ!【完結済み】

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第一章 高校一年生(三学期)

ゆうき(萌花)

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「早く着きすぎたかな……」

 クラスにはまだ数人しかいない。
 とりあえず、萌花は窓際の一番前の自分の席に座った。

 特に友達としゃべるわけでもなく、ただ窓の外を見ていた。
 萌花の朝はいつもこんな感じ。
 朝でなくても、ただ静かに毎日を過ごす。
 何もしなくても時間は過ぎていくから。

 萌花はただ、時間の中で漂うだけ。
 何事もなく日々を過ごせればそれだけでいい。
 萌花は何もしたくないと思っている。
 もう、人間関係のいざこざに巻き込まれるのはうんざりしているから。

 壁にかけられた時計を見る。
 そろそろ担任の寺田先生が来る時間だ。
 クラスメイトもだいたいが教室に来ていた。
 唯一来ていないのは、いつも遅い時間に着くスクールバス組だろうか。

「はよっす、萌花ちゃん」

 そんな朝の時間に、今教室に着いたばかりの葉奈が話しかけてきた。
 葉奈は人との距離感をよくわかっている。
 萌花に対して、あまりずかずかと心に土足であがってきたりしない。
 それが、萌花にとって心地よかった。

「おはようございます、葉奈ちゃん」
「萌花ちゃん、今日はいつもより早いっすね」
「そうですね。葉奈ちゃんは今日遅いんですね。いつも早く来ているのに……」
「あー、ちょっと今日は寝坊しちゃったんすよね」

 葉奈はてへぺろと付け加えておどける。
 そういう茶目っ気があるところも、葉奈の魅力の一つなのだろう。

「じゃ、うちはこれで失礼するっす」

 そう言って、葉奈は自分の席に座ろうと移動する。
 なぜだか、物足りない。

 葉奈はよく人を観察しているようで、萌花とは程よい距離感を保っている。
 だけど、それがなんとも歯がゆくて、もどかしかった。
 そのせいか、萌花は気づいたらこんなことを口走っていた。

「き、今日、二人でどこか遊びに行きませんか!?」

 急な誘いに驚いたのか、葉奈は振り向きながら固まっている。
 だが、もうここまで喋ってしまったからには後に引けない。
 もう既にいっぱいいっぱいな萌花だが、なおも続ける。

「その……今日、ゲーセンで期間限定のタピオカグッズ祭りをやってるって聞いたので……どうしても行きたくて……」
「そんなにタピオカグッズ好きなんすか……?」

 だが、葉奈の問いには答えず――というか答えられず、萌花は葉奈の返事を待つ。
 葉奈は顎に手を当てて「んー……」と唸った後。

「ま、たまにはこういうのもいいっすよね。うちは今日予定ないから大丈夫っすよ!」

 と、いい笑顔で答えてくれた。
 萌花はその答えにどう反応したらいいかわからなかったが、自然と顔がほころぶ。

「やった……! 嬉しいです!」

 勇気を出してよかったと、心の底から思った。
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