33 / 47
あちらの世界
初めてのツーショット
しおりを挟む
「じゃあ、早速撮るわよ。背景とかにもこだわった方がいいかしら?」
「もちろん! そのうさちゃんぬいぐるみを真ん中にしてピンクのカーテンが映えるような位置取りで……あ、ポーズは指ハートしよ」
「細かいわね……」
めるは苦笑するも、どこか楽しそうだった。
色んな表情が見られるのが楽しくて、気づいたら私はシャッターを押していた。
「あ、ちょっと」
「いいじゃん、可愛いよ。もっと笑って!」
「もう……」
呆れた表情で笑いながらも、めるはシャッター音に合わせてポーズをとってくれる。
私は何度も撮り直しを頼んでしまい、気付けば撮影が一時間を超えていた。
それでも楽しかったので全く苦ではなかった。
めるもそう思ってくれてるかはわからないけど。
「うん……よし! ありがとうめる!」
写真を見てみる。そのどれもが可愛らしい表情をしていて、めるの可愛さが写真にそのまま写ってるようだった。
「どう? いい写真は撮れたかしら?」
「うん! もう最高だよ! これ待ち受けにするね」
「それはやめて」
「えー」
待ち受けは拒否されてしまったけど、この写真たちは一生の宝物になるだろう。
写真の中に映るめるは、いつも見せてくれる顔以上にいい表情をしている気がした。
もしかして、私が隣にいるから?
それはさすがに自惚れすぎか。
「何ニヤニヤしてるのよ? もしかして私、変な顔だった?」
「ううん、ちょっと考え事してて」
「……気になるわね」
「大したことじゃないから大丈夫」
あまり踏み込んで欲しくなかったので、私は強引にこの話を終わらせた。
「まあいいわ……それじゃあ写真も撮り終わったことだし、何か食べに行きましょ!」
「めるが乗り気で嬉しいよ」
「なっ! い、いいでしょ!? 疲れたのよ! ういの奢りだから覚悟なさい!」
「はいはい、仰せのままに」
私たちはそのままめるの家を後にし、街へ繰り出した。
めるは終始上機嫌で、私もそんなめるを見ているのが楽しくてついじっと見つめてしまう。
やっぱり、めると一緒に過ごす時間が私の幸せだ。
だから私は、これからもずっとめると仲良くしていきたい。
それが私の一番の願いだ。
「な、なによ……ジロジロ見て……」
「いや、今日も可愛いなーって」
「か、かわっ……!」
「あはは! 照れてるの~? かぁわいい!」
「うるっさい! ういのくせに生意気よ!?」
そんなやり取りをしながら、私たちは街を歩いていた。
外はまだまだ暑さが残るけれど、そんな気温に負けないくらい私たちの熱は燃え盛っていた。……と思う。
「私夕飯食べてないのよね。だからそれも兼ねて奢ってもらおうと思うのだけど……ういはいいの?」
「え、なにが? お金ならいくらでも出すよ?」
「そうじゃなくて。親とかは? ほんとよくこんな時間に外に出ようと思ったわよね」
めるは呆れたようにため息をついた。
だってめるとのツーショットが撮りたかったんだもの。
何も言わずに家を飛び出したのは軽率だったけど、きっとうちの妹はわかってくれるだろう。
「あー、それなら大丈夫。今夜はお父さんもお母さんも帰ってくるの遅いし、妹がご飯担当だから」
「……なにも大丈夫な要素が見当たらないのだけど?」
おかしいな。めるの言いたいこととしては『親を心配させてるんじゃないか』とか『親がご飯作ってたらどうするの』とかだと思っていた。
だからこそ今夜は帰り遅いし大丈夫と伝えたのだが。
どうやら私の予想は外れたらしい。
「める? なんでそんなにジト目なの?」
「だってういが何もわかってないから」
「え、なんで……?」
私は本当にわからないので困惑している。
そんな私を見てめるはまたため息をついた。
「はぁ……もういいわよ、それで」
「えぇ……」
「ほら! もうお店着くんだから切り替えなさい! 奢ってもらうんだから高いもの頼むわよ!」
「めるのそういうところ、私好きだなあ」
「っ……!? ば、ばか! もう!」
私はただ素直に思ったことを言っただけなのに、なぜかめるは顔を真っ赤にしながら怒ってしまった。
「え? なんで怒ってるの?」と聞くも、返事は返ってこない。
結局そのままお店に着いてしまい、私たちは席に着いた。
「で? ういは何が食べたいの?」
「んー、私は何でもいいよ。めるの好きなので」
「そう? じゃあ店員さん、これ一つとー……あとこれも」
「え、そんなに食べるの?」
「いいじゃない。今日は散々振り回されたんだから」
「まあ、いいけどさ」
私はメニューを見ながら考える。
めるが頼んだのはハンバーグにオムライスにパスタと、どれもこれも高カロリーなものばかり。しかもデザートまで頼んでいる。
これはまた体重が増えそうだなぁ……と思いながらも私はめるが幸せそうに食べる姿を想像し、思わず微笑んでしまった。
「……なにニヤニヤしてるのよ?」
「いや? 別に?」
「変なの」
そう言いながらもめるはどこか嬉しそうだった。
そんなやり取りをしている間に料理が運ばれてくる。
どれもこれも美味しそうで、私は思わず涎を垂らしそうになった。
「じゃあ食べましょっか」
「うん!」
「いただきます」
私たちは早速料理を食べ始める。
見た目も綺麗だから、写真を撮ってから食べる人もいるだろう。
だけど、私たちの間ではそれがなかった。
めるは一口食べる度に幸せそうな表情を浮かべるものだから、私まで嬉しくなってしまう。
「めるは本当に美味しそうに食べるよね」
「だって美味しいんだもの。ういも食べなさいな」
「そうだね」
私はハンバーグを口に運ぶ。
ジューシーな肉汁が溢れ出し、デミグラスソースと絡み合って絶妙なハーモニーを奏でていた。
そんな私を、めるはじーっと見つめてきた。
その視線に気付いた私が首を傾げると、めるが口を開く。
「うい、一口ちょうだい?」
「いいよ。はい」
私はハンバーグを切り分け、めるの口元へと持っていく。すると彼女はそれをぱくりと食べた。
そんな様子すらも可愛らしくて思わず頭を撫でたくなる衝動に駆られたが、それはさすがに怒られるだろうなと思ってやめた。
「うん……やっぱり人のお金で食べるご飯は美味しいわ」
「なんか悲しいな……」
でも喜んでくれてよかった。
めるとこんな楽しい時間を過ごせるのなら、今日のご飯代は安いものだ。
「もちろん! そのうさちゃんぬいぐるみを真ん中にしてピンクのカーテンが映えるような位置取りで……あ、ポーズは指ハートしよ」
「細かいわね……」
めるは苦笑するも、どこか楽しそうだった。
色んな表情が見られるのが楽しくて、気づいたら私はシャッターを押していた。
「あ、ちょっと」
「いいじゃん、可愛いよ。もっと笑って!」
「もう……」
呆れた表情で笑いながらも、めるはシャッター音に合わせてポーズをとってくれる。
私は何度も撮り直しを頼んでしまい、気付けば撮影が一時間を超えていた。
それでも楽しかったので全く苦ではなかった。
めるもそう思ってくれてるかはわからないけど。
「うん……よし! ありがとうめる!」
写真を見てみる。そのどれもが可愛らしい表情をしていて、めるの可愛さが写真にそのまま写ってるようだった。
「どう? いい写真は撮れたかしら?」
「うん! もう最高だよ! これ待ち受けにするね」
「それはやめて」
「えー」
待ち受けは拒否されてしまったけど、この写真たちは一生の宝物になるだろう。
写真の中に映るめるは、いつも見せてくれる顔以上にいい表情をしている気がした。
もしかして、私が隣にいるから?
それはさすがに自惚れすぎか。
「何ニヤニヤしてるのよ? もしかして私、変な顔だった?」
「ううん、ちょっと考え事してて」
「……気になるわね」
「大したことじゃないから大丈夫」
あまり踏み込んで欲しくなかったので、私は強引にこの話を終わらせた。
「まあいいわ……それじゃあ写真も撮り終わったことだし、何か食べに行きましょ!」
「めるが乗り気で嬉しいよ」
「なっ! い、いいでしょ!? 疲れたのよ! ういの奢りだから覚悟なさい!」
「はいはい、仰せのままに」
私たちはそのままめるの家を後にし、街へ繰り出した。
めるは終始上機嫌で、私もそんなめるを見ているのが楽しくてついじっと見つめてしまう。
やっぱり、めると一緒に過ごす時間が私の幸せだ。
だから私は、これからもずっとめると仲良くしていきたい。
それが私の一番の願いだ。
「な、なによ……ジロジロ見て……」
「いや、今日も可愛いなーって」
「か、かわっ……!」
「あはは! 照れてるの~? かぁわいい!」
「うるっさい! ういのくせに生意気よ!?」
そんなやり取りをしながら、私たちは街を歩いていた。
外はまだまだ暑さが残るけれど、そんな気温に負けないくらい私たちの熱は燃え盛っていた。……と思う。
「私夕飯食べてないのよね。だからそれも兼ねて奢ってもらおうと思うのだけど……ういはいいの?」
「え、なにが? お金ならいくらでも出すよ?」
「そうじゃなくて。親とかは? ほんとよくこんな時間に外に出ようと思ったわよね」
めるは呆れたようにため息をついた。
だってめるとのツーショットが撮りたかったんだもの。
何も言わずに家を飛び出したのは軽率だったけど、きっとうちの妹はわかってくれるだろう。
「あー、それなら大丈夫。今夜はお父さんもお母さんも帰ってくるの遅いし、妹がご飯担当だから」
「……なにも大丈夫な要素が見当たらないのだけど?」
おかしいな。めるの言いたいこととしては『親を心配させてるんじゃないか』とか『親がご飯作ってたらどうするの』とかだと思っていた。
だからこそ今夜は帰り遅いし大丈夫と伝えたのだが。
どうやら私の予想は外れたらしい。
「める? なんでそんなにジト目なの?」
「だってういが何もわかってないから」
「え、なんで……?」
私は本当にわからないので困惑している。
そんな私を見てめるはまたため息をついた。
「はぁ……もういいわよ、それで」
「えぇ……」
「ほら! もうお店着くんだから切り替えなさい! 奢ってもらうんだから高いもの頼むわよ!」
「めるのそういうところ、私好きだなあ」
「っ……!? ば、ばか! もう!」
私はただ素直に思ったことを言っただけなのに、なぜかめるは顔を真っ赤にしながら怒ってしまった。
「え? なんで怒ってるの?」と聞くも、返事は返ってこない。
結局そのままお店に着いてしまい、私たちは席に着いた。
「で? ういは何が食べたいの?」
「んー、私は何でもいいよ。めるの好きなので」
「そう? じゃあ店員さん、これ一つとー……あとこれも」
「え、そんなに食べるの?」
「いいじゃない。今日は散々振り回されたんだから」
「まあ、いいけどさ」
私はメニューを見ながら考える。
めるが頼んだのはハンバーグにオムライスにパスタと、どれもこれも高カロリーなものばかり。しかもデザートまで頼んでいる。
これはまた体重が増えそうだなぁ……と思いながらも私はめるが幸せそうに食べる姿を想像し、思わず微笑んでしまった。
「……なにニヤニヤしてるのよ?」
「いや? 別に?」
「変なの」
そう言いながらもめるはどこか嬉しそうだった。
そんなやり取りをしている間に料理が運ばれてくる。
どれもこれも美味しそうで、私は思わず涎を垂らしそうになった。
「じゃあ食べましょっか」
「うん!」
「いただきます」
私たちは早速料理を食べ始める。
見た目も綺麗だから、写真を撮ってから食べる人もいるだろう。
だけど、私たちの間ではそれがなかった。
めるは一口食べる度に幸せそうな表情を浮かべるものだから、私まで嬉しくなってしまう。
「めるは本当に美味しそうに食べるよね」
「だって美味しいんだもの。ういも食べなさいな」
「そうだね」
私はハンバーグを口に運ぶ。
ジューシーな肉汁が溢れ出し、デミグラスソースと絡み合って絶妙なハーモニーを奏でていた。
そんな私を、めるはじーっと見つめてきた。
その視線に気付いた私が首を傾げると、めるが口を開く。
「うい、一口ちょうだい?」
「いいよ。はい」
私はハンバーグを切り分け、めるの口元へと持っていく。すると彼女はそれをぱくりと食べた。
そんな様子すらも可愛らしくて思わず頭を撫でたくなる衝動に駆られたが、それはさすがに怒られるだろうなと思ってやめた。
「うん……やっぱり人のお金で食べるご飯は美味しいわ」
「なんか悲しいな……」
でも喜んでくれてよかった。
めるとこんな楽しい時間を過ごせるのなら、今日のご飯代は安いものだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ハーレムが大好きです!〜全ルート攻略開始〜
M・A・J・O
大衆娯楽
【大衆娯楽小説ランキング、最高第7位達成!】
黒髪赤目の、女の子に囲まれたい願望を持つ朱美。
そんな彼女には、美少女の妹、美少女の幼なじみ、美少女の先輩、美少女のクラスメイトがいた。
そんな美少女な彼女たちは、朱美のことが好きらしく――?
「私は“百合ハーレム”が好きなのぉぉぉぉぉぉ!!」
誰か一人に絞りこめなかった朱美は、彼女たちから逃げ出した。
……
ここから朱美の全ルート攻略が始まる!
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる