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第一章 吸血少女は傷つけたい
年越し準備をしたい
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「ねぇ、花恋ちゃんも一緒に年越ししましょ」
「え、いいんですか?」
朝起きると、渚のお母様が朝食を作ってくれていた。
今日はお休みをもらっているらしい。
あたしが昨日挨拶できなかったことを詫びると「私たちが先に寝ちゃったんだし大丈夫よ」と言ってくれた。
あたしたちは昨日できなかった、食卓を囲むということをしている。
渚の妹はめちゃくちゃ不満そうだけど、それをモロに出すことはしなかった。
渚の前であたしにたてつく勇気はないらしい。
そこは昔から変わってなくて安心した。
「花恋ちゃんの家族が引っ越してから一緒の年越しもしなくなってたもんね。お母さんの意見に賛成するよ」
「え、な、渚まで……でも、ほんとにいいのかな。あたしがいたら迷惑なんじゃ」
「そんなことないわよ! むしろいてくれた方が嬉しいくらい!」
渚の母さんが笑顔で言ってくれる。
その言葉を聞いて、渚の妹が勢いよく立ち上がった。
「だ、だめっ!」
「あら? どうしたの、そんな大声出して」
「…………」
妹はなにか言いたいことがあるようだったけど、黙って座ってしまった。
それからなにも言わず、出された朝食を口に運ぶだけだった。
あたしだけは理由を知っていたけど、それを口にすると家族関係が崩壊しかねない。
だからあたしも黙っていることしかできない。
そうこうしているうちに夜になり、みんなで年末詣に行くことになった。
あたしは最後まで遠慮したけど、結局押し切られてしまった。
助手席には渚のお母様が座り、後部座席にはあたしと渚と渚の妹の三人で並んで座る。
ちなみに運転手は渚のお父様だ。
彼は運転中ずっと無言である。
「今から行く神社では甘酒が振る舞われているらしいね」
「へぇ、そうなんだ。あたしが行ったことないとこ?」
「多分そうだと思うよ」
車での移動時間はそれなりにあった。
だけどあまり会話は続かず、車内に流れる音楽だけが唯一のBGMになっている。
やがて目的地に到着すると、駐車場に車を停める。
そして歩いて鳥居の前へと移動すると、そこには人だかりができていた。
その人たちを見て、思わず足を止める。
こんなにいるのか……
あたしたち以外にも年末詣に来る人はたくさんいたようだ。
さすがに一大イベントというだけあって、境内も参拝客で賑わっていた。
屋台も出ていて、食べ物を売っていたりお守りや御札などを販売している。
「あっちの方に行ってみましょうか」
渚のお母様に促されて、あたしたちはそちらに向かうことにした。
少し歩くと社が見えてきたのだが、そこにはすでに行列が出来上がっていて、なかなか前に進めなかった。
「すごい混んでるね」
「この辺りで一番大きな神社らしいしね」
「うーん、どうしようかしら……」
列に並ぶか、他のところに行くかを迷っている様子だ。
しかしここで立ち止まっていても仕方がないと思い、あたしたちは別のところに行こうとした時だった。
「わ、私やっぱ帰るっ!」
渚の妹がそう言って駆け出してしまった。
やっぱりあたしと一緒にいるのが嫌らしい。
去っていく後ろ姿を眺めながら、あたしは苦笑していた。
まあ無理もないか。
渚のことが大好きで、でも血の繋がった姉妹だからその想いを伝えることができなくて。
渚と恋人になったあたしのことがどうしても許せないんだ。
自分は想いを伝えることすらできないのに……と。
せっかく一緒に神社に来たのにやっぱりこうなるか思ったけど、渚が追いかけていったので大丈夫だろう。
あの子ならきっとうまくやるだろう。
なにせ、あの子のたった一人のお姉ちゃんなのだから。
「え、いいんですか?」
朝起きると、渚のお母様が朝食を作ってくれていた。
今日はお休みをもらっているらしい。
あたしが昨日挨拶できなかったことを詫びると「私たちが先に寝ちゃったんだし大丈夫よ」と言ってくれた。
あたしたちは昨日できなかった、食卓を囲むということをしている。
渚の妹はめちゃくちゃ不満そうだけど、それをモロに出すことはしなかった。
渚の前であたしにたてつく勇気はないらしい。
そこは昔から変わってなくて安心した。
「花恋ちゃんの家族が引っ越してから一緒の年越しもしなくなってたもんね。お母さんの意見に賛成するよ」
「え、な、渚まで……でも、ほんとにいいのかな。あたしがいたら迷惑なんじゃ」
「そんなことないわよ! むしろいてくれた方が嬉しいくらい!」
渚の母さんが笑顔で言ってくれる。
その言葉を聞いて、渚の妹が勢いよく立ち上がった。
「だ、だめっ!」
「あら? どうしたの、そんな大声出して」
「…………」
妹はなにか言いたいことがあるようだったけど、黙って座ってしまった。
それからなにも言わず、出された朝食を口に運ぶだけだった。
あたしだけは理由を知っていたけど、それを口にすると家族関係が崩壊しかねない。
だからあたしも黙っていることしかできない。
そうこうしているうちに夜になり、みんなで年末詣に行くことになった。
あたしは最後まで遠慮したけど、結局押し切られてしまった。
助手席には渚のお母様が座り、後部座席にはあたしと渚と渚の妹の三人で並んで座る。
ちなみに運転手は渚のお父様だ。
彼は運転中ずっと無言である。
「今から行く神社では甘酒が振る舞われているらしいね」
「へぇ、そうなんだ。あたしが行ったことないとこ?」
「多分そうだと思うよ」
車での移動時間はそれなりにあった。
だけどあまり会話は続かず、車内に流れる音楽だけが唯一のBGMになっている。
やがて目的地に到着すると、駐車場に車を停める。
そして歩いて鳥居の前へと移動すると、そこには人だかりができていた。
その人たちを見て、思わず足を止める。
こんなにいるのか……
あたしたち以外にも年末詣に来る人はたくさんいたようだ。
さすがに一大イベントというだけあって、境内も参拝客で賑わっていた。
屋台も出ていて、食べ物を売っていたりお守りや御札などを販売している。
「あっちの方に行ってみましょうか」
渚のお母様に促されて、あたしたちはそちらに向かうことにした。
少し歩くと社が見えてきたのだが、そこにはすでに行列が出来上がっていて、なかなか前に進めなかった。
「すごい混んでるね」
「この辺りで一番大きな神社らしいしね」
「うーん、どうしようかしら……」
列に並ぶか、他のところに行くかを迷っている様子だ。
しかしここで立ち止まっていても仕方がないと思い、あたしたちは別のところに行こうとした時だった。
「わ、私やっぱ帰るっ!」
渚の妹がそう言って駆け出してしまった。
やっぱりあたしと一緒にいるのが嫌らしい。
去っていく後ろ姿を眺めながら、あたしは苦笑していた。
まあ無理もないか。
渚のことが大好きで、でも血の繋がった姉妹だからその想いを伝えることができなくて。
渚と恋人になったあたしのことがどうしても許せないんだ。
自分は想いを伝えることすらできないのに……と。
せっかく一緒に神社に来たのにやっぱりこうなるか思ったけど、渚が追いかけていったので大丈夫だろう。
あの子ならきっとうまくやるだろう。
なにせ、あの子のたった一人のお姉ちゃんなのだから。
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