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第二章 吸血少女は愛されたい
わだかまりが解けたらいい
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「……え、あたしまたなにかやったかな?」
「あ、す、すみません。誤解しないでください。悪い意味ではないんです……!」
最近のあたしは渚を傷つけたい欲望を必死で抑えているというのに、一体なんのことかと震えた。
しかし、そうではないらしい。
妹の声色的に、てっきりまた嫌味や敵対的な言葉を発されると思っていた。
それらが違うというのなら、どういう話をするつもりでここに連れてきたのだろうか。
「あの、私……」
「うん?」
「わ、私……」
妹の歯切れが悪い。
いつもキッパリとハキハキ喋っているのに。
レアな態度を見られたが、別に嬉しくもなんともない。
渚のレアな態度なら嬉しくてなんども脳内再生するのだが。
それにしても、顔が真っ赤だ。
まるで告白でもするかのような雰囲気だけど……それはないか。
だって、あたしたちはこの前まで犬猿の仲だったのだ。
いくらなんでも、妹の口から仲良くしたいとか友だちになってほしいとかそういう言葉が出てくるわけ……
「私、花恋さんと仲良くなりたいんです!」
まさかの展開である。
予想外すぎて声が出ない。
あたしと仲良くなりたいって……どうしてだろう?
彼女はまだあたしのことを好きじゃないはずなのに。
「な、なんであたしと……?」
「……私、ずっとあなたのことが嫌いでした。でも、だからこそ仲良くなりたいんです! 失った時間は戻らないかもしれないけど、これからを大切にしたいんです!」
……どうしよう。
そんなこと言われたら、こっちだけ過去のことを気にしている自分がバカらしくなってくる。
本当にいい子なんだ、渚と同じで。
きっと渚の妹はあたしと違って素直で優しくて明るい女の子なんだろう。
話すたびに、それを実感する。
彼女は先に進むため、過去の償いとして、あたしと仲良くなりたいということなのだろう。
一刻も早く渚へのラブな想いを断ち切ってほしいと思うあたしにとっても、悪い話ではなかった。
むしろそういうことなら大歓迎だ。
「うん、そうだね……じゃあ今度一緒に遊びにでも行く?」
「え、いいんですか!?」
「もちろんだよ。だからもう、あたしに悪いと思わないで」
「っ……はい! ありがとうございます!」
あたしの言葉を聞いて、妹はとても嬉しそうに涙をこらえながら感謝を伝えてくれた。
こうして、あたしたちのわだかまりは解けたのであった。
……たぶん。
そう言うのも、好きな人を諦めるのは容易ではないと思うから。
実は心のどこかで納得のいってないところがあるんじゃないかと思う。
他人の心の中なんてわからないけど。
それでも、彼女が自分の気持ちに整理をつけて心の底から前に進める日が来るといいなと思った。
「あ、ところで、花恋さんはお姉ちゃんのどこを好きになったんですか?」
唐突に、妹が自分のお弁当箱を開けながら聞いてくる。
あたしのお弁当はお母さんが作ったものだけれど、彼女は自分で作ったりしているのだろうか。
少し気になるけど、今はそれどころではない。
「……うーん、どこが好きなのか聞かれると難しいんだけど……」
あたしが渚のどこに惚れたのかといえば、それは全部だとしか言いようがない。
見た目はもちろんのこと、中身だって好きだ。
だけど、具体的にどこがと言われれば困る。
性格とか、仕草とか、考え方とか……挙げていけばキリがない。
だけどあえて挙げるとしたら、やっぱり笑顔だろうか。
彼女の笑顔を見ると、自然と自分も笑みがこぼれてしまう。
どんな表情よりも魅力的だと思う。
好きな人を傷つけたいと思うあたしが、自制心を保っていられるのが渚の笑顔なのだ。
そのせいか、彼女に笑いかけられた時はいつも胸がきゅんきゅんしてしまう。
「色々あるけど、一番好きなのは瞳かなぁ」
「瞳、ですか?」
「うん。渚が笑うと、まるで太陽みたいに輝くんだよね。それがすごく綺麗でさ」
「へぇ、そうなんですか……確かに、私もお姉ちゃんの瞳が好きです」
渚の瞳には、人を惹きつけるような魅力があった。
それはきっと、あの子の優しい人柄が表れているからだと思っている。
「あ、す、すみません。誤解しないでください。悪い意味ではないんです……!」
最近のあたしは渚を傷つけたい欲望を必死で抑えているというのに、一体なんのことかと震えた。
しかし、そうではないらしい。
妹の声色的に、てっきりまた嫌味や敵対的な言葉を発されると思っていた。
それらが違うというのなら、どういう話をするつもりでここに連れてきたのだろうか。
「あの、私……」
「うん?」
「わ、私……」
妹の歯切れが悪い。
いつもキッパリとハキハキ喋っているのに。
レアな態度を見られたが、別に嬉しくもなんともない。
渚のレアな態度なら嬉しくてなんども脳内再生するのだが。
それにしても、顔が真っ赤だ。
まるで告白でもするかのような雰囲気だけど……それはないか。
だって、あたしたちはこの前まで犬猿の仲だったのだ。
いくらなんでも、妹の口から仲良くしたいとか友だちになってほしいとかそういう言葉が出てくるわけ……
「私、花恋さんと仲良くなりたいんです!」
まさかの展開である。
予想外すぎて声が出ない。
あたしと仲良くなりたいって……どうしてだろう?
彼女はまだあたしのことを好きじゃないはずなのに。
「な、なんであたしと……?」
「……私、ずっとあなたのことが嫌いでした。でも、だからこそ仲良くなりたいんです! 失った時間は戻らないかもしれないけど、これからを大切にしたいんです!」
……どうしよう。
そんなこと言われたら、こっちだけ過去のことを気にしている自分がバカらしくなってくる。
本当にいい子なんだ、渚と同じで。
きっと渚の妹はあたしと違って素直で優しくて明るい女の子なんだろう。
話すたびに、それを実感する。
彼女は先に進むため、過去の償いとして、あたしと仲良くなりたいということなのだろう。
一刻も早く渚へのラブな想いを断ち切ってほしいと思うあたしにとっても、悪い話ではなかった。
むしろそういうことなら大歓迎だ。
「うん、そうだね……じゃあ今度一緒に遊びにでも行く?」
「え、いいんですか!?」
「もちろんだよ。だからもう、あたしに悪いと思わないで」
「っ……はい! ありがとうございます!」
あたしの言葉を聞いて、妹はとても嬉しそうに涙をこらえながら感謝を伝えてくれた。
こうして、あたしたちのわだかまりは解けたのであった。
……たぶん。
そう言うのも、好きな人を諦めるのは容易ではないと思うから。
実は心のどこかで納得のいってないところがあるんじゃないかと思う。
他人の心の中なんてわからないけど。
それでも、彼女が自分の気持ちに整理をつけて心の底から前に進める日が来るといいなと思った。
「あ、ところで、花恋さんはお姉ちゃんのどこを好きになったんですか?」
唐突に、妹が自分のお弁当箱を開けながら聞いてくる。
あたしのお弁当はお母さんが作ったものだけれど、彼女は自分で作ったりしているのだろうか。
少し気になるけど、今はそれどころではない。
「……うーん、どこが好きなのか聞かれると難しいんだけど……」
あたしが渚のどこに惚れたのかといえば、それは全部だとしか言いようがない。
見た目はもちろんのこと、中身だって好きだ。
だけど、具体的にどこがと言われれば困る。
性格とか、仕草とか、考え方とか……挙げていけばキリがない。
だけどあえて挙げるとしたら、やっぱり笑顔だろうか。
彼女の笑顔を見ると、自然と自分も笑みがこぼれてしまう。
どんな表情よりも魅力的だと思う。
好きな人を傷つけたいと思うあたしが、自制心を保っていられるのが渚の笑顔なのだ。
そのせいか、彼女に笑いかけられた時はいつも胸がきゅんきゅんしてしまう。
「色々あるけど、一番好きなのは瞳かなぁ」
「瞳、ですか?」
「うん。渚が笑うと、まるで太陽みたいに輝くんだよね。それがすごく綺麗でさ」
「へぇ、そうなんですか……確かに、私もお姉ちゃんの瞳が好きです」
渚の瞳には、人を惹きつけるような魅力があった。
それはきっと、あの子の優しい人柄が表れているからだと思っている。
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