431 / 1,646
最後の合流地点
しおりを挟む
アサシンのクラスについて興味を示す二人には真実を伏せ、上手くお茶を濁すシン。彼らにシン達の世界についてや、WoFというこの世界によく似た世界のことは悟られないように努めた。
そもそも彼らが信じるとも思えないが、この世界の住人にはなるべく伏せておいた方がいいかも知れない。彼らが異世界の存在を知れば、誰かしらは興味を持つだろう。そうなれば、今回のレースの何処かにあるとされる、黒コートのスポンサーが持ち込んだ異世界への転移ポータルを手に入れようとする者も出てくる。
ただでさえ、レースの開会式で注目を集めるような発表があったのだ。シン達にとっては、あまり多くの者に興味を持たれたくはない。彼らと話している間に、なかなか島から出てこないデイヴィス達の様子を見に、シンプソンがやって来た。
「おーいッ!アッシュトンとは合流出来たんだろう?事前に合流する奴らは次で最後だ。先を急ぐとしようぜぇ!」
彼の先を急ぐ声に救われた。これ以上デイヴィス達の質問攻めにあっていては、いつかボロが出そうだったからだ。シンプソンとアシュトンは、以前デイヴィス海賊団にいたことから、互いの顔やクラス、各々の海賊船の特徴を熟知していたからだろう。直接会わずとも、潜水艇を見ただけでアシュトンの海賊団である事をすぐに見抜いた。
「俺達よりも先の島に行ったのは“アンスティス“だ」
「アンスティスか・・・。これまた懐かしい奴の名前が飛び出したモンだな」
嘗ての仲間の名前に懐かしむデイヴィスだったが、アシュトンはあまり良い返事をしなかった。それは、デイヴィス海賊団が解散した後に、彼らの間で起きた独立や別の海賊に加入したりという人間関係の縺れがあったからだった。
「・・・だが、アンスティスはロバーツの奴と一悶着あったようだ。詳しくは聞いてねぇが、アイツんとこは色々と問題があったみてぇだぞ?・・・俺は少し不安だがな・・・」
「ロバーツと・・・?まぁ、アイツは人を動かすのが上手い奴だ。アンスティスともそれ程大きな問題にはなってねぇだろうよ。それに昔のアンスティスなら、きっとまた分かり合える筈だ」
「それは昔の話さ。人は変わるものだ・・・。アンタがいなくなってからのデイヴィス海賊団は、ゆっくりと形を保てなくなっていった。それはやはり船を支える主柱が居なくなったからだろう。互いが別々の思いを抱えながら解散する中で、アイツはロバーツの船について行った。それからどういう経緯があったのかは分からねぇが、アイツは独立して自分の海賊団を作ったそうだ」
デイヴィスが海賊団を抜けた後、それぞれの船員達が各々の思いを胸に団結し衝突し、そして独立して行った。その中でも多くの仲間達から指示を得ていたのは、“バーソロミュー・ロバーツ“という、デイヴィスの信頼する親友だった。
アンスティスはバラバラになる海賊団の中で彼について行き、ロバーツを船長とした海賊団の中で活動を続けていた。しかし、ロバーツの人当たりの良さや、一見強引に見える行動でも海賊団の利益を優先した卓越する采配に、自分のやり方とは合わないと感じ彼の海賊団を抜け、自分の海賊団を立ち上げたのだという。
それ以来、アンスティスとロバーツは疎遠になっているのだとか。それでもアンスティスがデイヴィスの救援要請に動いたのは、彼もまた嘗てのデイヴィス海賊団でまたやって行きたいと思ってのことだったのかも知れない。
「だが・・・今は人手が必要だ・・・。俺はアイツを信じるさ」
どんな言葉にも自分の思いを曲げることのないデイヴィスの表情と信念に、アシュトンは折れて彼らについて行く事を約束した。アシュトン海賊団の船は、複数の海賊達が乱戦となる戦場において、非常に器用な動きが出来る。
それは言わずもながら、潜水艇という海中を進み下から相手を攻め込むことが出来るという強みだ。各々、自分達の船に戻りながら、アシュトンは海上をついて行くのではなく、海の中から敵襲に備えると言い、船に乗り込んで行った。
島を囲っていたシンプソン海賊団は再び方向転換をし、隊列を組み直す。先頭を行くのは、デイヴィスを乗せたシン達の船。そしてその海中からアシュトンの潜水艇が、周囲に目を光らせる強力な布陣へと早変わりした。
「おい、味方はアイツらだけか?」
島から離れていたミアは、新しく加わったアシュトンの戦力が数隻程度だと思っていたようで、戦力が劇的変わったようには見えず不安になっていたのだろうか。帰って来たシンに早速島での経緯を聞いた。
「他の船は海中にいるそうだ。戦力としてはシンプソンの船団と然程変わらない数がいるみたいだ」
「海の中を行けるのは強いな。他の者達からは、存在を気取られることがない訳だ・・・。いろんな使い道がありそうだな」
ミアの言う通り、戦力的には一船団分の加勢があるものの、外見からはそれ程脅威になる数には見えていないことになる。奇襲を仕掛けるもよし、海上で派手に暴れている間に包囲するもよし。戦略の幅が大きく広がる。
どうやら残りの仲間は、次で最後らしい。デイヴィス達に“アンスティス“と呼ばれる海賊団が、この先の島で彼らの到着を待っている。最後の仲間と合流した後、シン達はいよいよ計画を実行に移す、レイド戦の場へと赴く。
そもそも彼らが信じるとも思えないが、この世界の住人にはなるべく伏せておいた方がいいかも知れない。彼らが異世界の存在を知れば、誰かしらは興味を持つだろう。そうなれば、今回のレースの何処かにあるとされる、黒コートのスポンサーが持ち込んだ異世界への転移ポータルを手に入れようとする者も出てくる。
ただでさえ、レースの開会式で注目を集めるような発表があったのだ。シン達にとっては、あまり多くの者に興味を持たれたくはない。彼らと話している間に、なかなか島から出てこないデイヴィス達の様子を見に、シンプソンがやって来た。
「おーいッ!アッシュトンとは合流出来たんだろう?事前に合流する奴らは次で最後だ。先を急ぐとしようぜぇ!」
彼の先を急ぐ声に救われた。これ以上デイヴィス達の質問攻めにあっていては、いつかボロが出そうだったからだ。シンプソンとアシュトンは、以前デイヴィス海賊団にいたことから、互いの顔やクラス、各々の海賊船の特徴を熟知していたからだろう。直接会わずとも、潜水艇を見ただけでアシュトンの海賊団である事をすぐに見抜いた。
「俺達よりも先の島に行ったのは“アンスティス“だ」
「アンスティスか・・・。これまた懐かしい奴の名前が飛び出したモンだな」
嘗ての仲間の名前に懐かしむデイヴィスだったが、アシュトンはあまり良い返事をしなかった。それは、デイヴィス海賊団が解散した後に、彼らの間で起きた独立や別の海賊に加入したりという人間関係の縺れがあったからだった。
「・・・だが、アンスティスはロバーツの奴と一悶着あったようだ。詳しくは聞いてねぇが、アイツんとこは色々と問題があったみてぇだぞ?・・・俺は少し不安だがな・・・」
「ロバーツと・・・?まぁ、アイツは人を動かすのが上手い奴だ。アンスティスともそれ程大きな問題にはなってねぇだろうよ。それに昔のアンスティスなら、きっとまた分かり合える筈だ」
「それは昔の話さ。人は変わるものだ・・・。アンタがいなくなってからのデイヴィス海賊団は、ゆっくりと形を保てなくなっていった。それはやはり船を支える主柱が居なくなったからだろう。互いが別々の思いを抱えながら解散する中で、アイツはロバーツの船について行った。それからどういう経緯があったのかは分からねぇが、アイツは独立して自分の海賊団を作ったそうだ」
デイヴィスが海賊団を抜けた後、それぞれの船員達が各々の思いを胸に団結し衝突し、そして独立して行った。その中でも多くの仲間達から指示を得ていたのは、“バーソロミュー・ロバーツ“という、デイヴィスの信頼する親友だった。
アンスティスはバラバラになる海賊団の中で彼について行き、ロバーツを船長とした海賊団の中で活動を続けていた。しかし、ロバーツの人当たりの良さや、一見強引に見える行動でも海賊団の利益を優先した卓越する采配に、自分のやり方とは合わないと感じ彼の海賊団を抜け、自分の海賊団を立ち上げたのだという。
それ以来、アンスティスとロバーツは疎遠になっているのだとか。それでもアンスティスがデイヴィスの救援要請に動いたのは、彼もまた嘗てのデイヴィス海賊団でまたやって行きたいと思ってのことだったのかも知れない。
「だが・・・今は人手が必要だ・・・。俺はアイツを信じるさ」
どんな言葉にも自分の思いを曲げることのないデイヴィスの表情と信念に、アシュトンは折れて彼らについて行く事を約束した。アシュトン海賊団の船は、複数の海賊達が乱戦となる戦場において、非常に器用な動きが出来る。
それは言わずもながら、潜水艇という海中を進み下から相手を攻め込むことが出来るという強みだ。各々、自分達の船に戻りながら、アシュトンは海上をついて行くのではなく、海の中から敵襲に備えると言い、船に乗り込んで行った。
島を囲っていたシンプソン海賊団は再び方向転換をし、隊列を組み直す。先頭を行くのは、デイヴィスを乗せたシン達の船。そしてその海中からアシュトンの潜水艇が、周囲に目を光らせる強力な布陣へと早変わりした。
「おい、味方はアイツらだけか?」
島から離れていたミアは、新しく加わったアシュトンの戦力が数隻程度だと思っていたようで、戦力が劇的変わったようには見えず不安になっていたのだろうか。帰って来たシンに早速島での経緯を聞いた。
「他の船は海中にいるそうだ。戦力としてはシンプソンの船団と然程変わらない数がいるみたいだ」
「海の中を行けるのは強いな。他の者達からは、存在を気取られることがない訳だ・・・。いろんな使い道がありそうだな」
ミアの言う通り、戦力的には一船団分の加勢があるものの、外見からはそれ程脅威になる数には見えていないことになる。奇襲を仕掛けるもよし、海上で派手に暴れている間に包囲するもよし。戦略の幅が大きく広がる。
どうやら残りの仲間は、次で最後らしい。デイヴィス達に“アンスティス“と呼ばれる海賊団が、この先の島で彼らの到着を待っている。最後の仲間と合流した後、シン達はいよいよ計画を実行に移す、レイド戦の場へと赴く。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に流されて…!?
藤城満定
ファンタジー
東京発沖縄着の船で修学旅行に出港した都立東品川高等学校2年4組の生徒35人は出港して2時間が過ぎた頃に突然の嵐に巻き込まれてしまい、船が転覆してしまって海に投げ出されてしまった。男子生徒の宮間景太郎が目を覚ますと、そこはどこかの森の中だった。海に投げ出されたのに、何で森の中にいるんだ?不思議に思って呆然としていたら、森の奥から聞き覚えのある女子生徒達の悲鳴が聞こえてきた。考えるより先に体が動いた。足元にあった折れて先端が尖った木の枝と石コロを取って森の奥へと駆け出した。そこには3人の女子生徒が5匹の身長160cmくらいの緑色の肌色のバケモノに襲われていた。そのバケモノは異世界アニメやコミックでお馴染みのゴブリン?だった。距離は10mはある。短剣を持ったのと木製の棍棒を持ったゴブリンの内、棍棒を持ったのがソレを振り下ろすのを防ぐのは無理な距離。ならばと、拾っておいた石コロを全力投球投。全くの無警戒だった場所からかならの威力で投げられた石コロが頭に命中して、そのまま倒れてしまったので他のゴブリン共も動揺した。その隙に女子生徒達とゴブリン共の間に立ち塞がり、拾った木の枝(棒?)を振り回して距離を置き、斃したゴブリンから棍棒を拾ってそこからはタコ殴りに殴りまくった。棍棒や短剣を弾くと、頭、首、肩、腕、足と、それはもうフルボッコのボッコボコにして斃してから暫くして女子生徒達に「大丈夫か?」と声をかけると、3人ともポカーンと口を開けて呆然としていた。まあ、無理もない。何故なら景太郎はクラスでは寡黙で、いつも1人で行動しているそれは、ぶっちゃけて言うと、完全な『ボッチくん』だったからだ。そんな景太郎が自分達の命を助けてくれた。それも今まで誰も見た事のない熱く必死な戦い方でだ。これは謂わゆる『吊り橋効果』ではあるが、こうまで男らしい姿を見せられては惚れるなというほうが無理だろう。その瞬間から女子達による景太郎の取り合い合戦が始まった。
【毎週火曜日に投稿します】
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる