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神代 コウ

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大司教の使いの者

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 全員を集め、ケヴィンは昨夜の出来事について自ら告白した。マティアスはそもそもケヴィンがジークベルトのことを調べていた事自体初耳だったらしく、衝撃を受けていた。

 その上で彼の身辺調査やVIPルームでの会話の内容から、ジークベルトがVIPルームを後にする際に話していた人物がいる事が分かる、ケヴィンとシンはずっと会話を盗聴していた事もあり、声だけでは誰の声だったか判断できなかったが、偶然居合わせた音楽学校の生徒であるクリスにその会話の内容を聞かせ、声の主がベルヘルムであることを突き止める。

 しかしその後、パーティーが終わるとケヴィンは宮殿から追い出され、中に入る事が出来なくなってしまう。このままでは肝心は話の内容を聞き逃してしまうと、彼は宮殿の敷地内に忍び込みカメラをベルヘルムの部屋に送り込もうとしていた。

 そんな折に現れたのがシン達だった。パーティーの締めに開催された音楽家達による演奏や学生らの合唱などのライブにおいて、機材トラブルを解決した立役者としてツクヨとツバキがジークベルトからの謝礼を受ける事になり、宮殿へと案内される。

 それを目にしたケヴィンはシンの能力を思い出し、彼に渡したカメラを通じて連絡を取ると、半ば強引に彼の協力を得ると、カメラを渡しベルヘルムの部屋へと向かわせた。

 シンの起点のおかげで無事にカメラを送り込むことに成功したシンは、そこで役割を終えて仲間達の元へ戻っていった。あの時、突然部屋から出ていったシンがまさかそのような事を行なっていたとは微塵も思っていなかった仲間達は驚いた表情を見せてはいたものの、薄々何か隠し事があるようだと察していたという。

 仲間に申告せずに勝手なことをしてしまったシンは、改めてそこで仲間達へ謝罪した。皆、過ぎたこととあっさり流してくれたのはシンにとっては意外な反応だったが、彼らの意識はそんなことよりもそこで仕掛けたカメラで、ケヴィンがどんな情報を手に入れたのかが気になっていた。

 「それで?シンにそんな危ない橋を渡らせたんだ。何も掴めませんでしたじゃすまねぇぞ?」

 「えぇ、私もシンさんの努力に報いようと、彼の部屋の様子と会話に集中し、情報を逃さぬようにと必死でした。ここで思い出して欲しいのが、ジークベルト氏がVIPルームでベルヘルム氏と交わしていた会話の内容です」

 「回りくどいな。探偵ってのはこういう生き物なのかぁ?」

 結論と答えにしか興味のないツバキは痺れを切らしているようだった。だが宮殿から出られない以上、時間はいくらでもある。ここはじっくりケヴィンの話の内容を整理しながら、事件の手掛かりを集めることに専念するべきと、彼を宥め再びケヴィンに話を再開させる。

 「彼はそこで、後ほどジークベルト氏の部屋に使いの者を送らせると言っていました。しかし、そこで私はあるものを見つけたのです。会話のないよだけではそこまでのものだったのですが、後ほどジークベルト氏の身体に仕掛けたカメラの映像を確かめてみると、何やらハンドサインでベルヘルム氏に何かを伝えていたようなのですよ」

 「ハンドサインで?盗聴がバレていたのか?」

 「いえ、そのような様子はありませんでした。ただ単に、口にするよりもその方が二人の間では分かり易いサインだっただけなのでしょう」

 二人の間で交わされていたハンドサインが何を意味するのか尋ねるが、そのハンドサインは一般的に使われるポピュラーなものではなく、暗号化された二人にしか分からないものだったようだ。

 しかしケヴィン曰く、会話の内容やその後の出来事のことを考えると、どうやらその内容はベルヘルムの用意する使いの者ではなく、ジークベルト側が用意する使いの者に話を通しておくというものの内容だったのではないかと予想される。

 そして現にジークベルトがベルヘルムの元へ使わせたという人物という者がおり、今はシン達と同じように宮殿内から出られなくなっているのだという。そして何とその人物は、ルーカス司祭と同じように、亡くなる前のジークベルトと接触しているとして、部屋から出ることを禁じられているのだそうだ。

 ケヴィンの言うその人物というのは、シン達も何かとお世話になったクリスだったのだ。

 「クリス?クリスってあの音楽学校の生徒だって言う、あのクリス?」

 「えぇ。どうやら宮殿内を出入りできる人物で、ジークベルト氏らの企みを何も知らない従順な人物として彼が選ばれたようです。そうですね?マティアス氏」

 彼の言葉でその場にいた者達が一斉にマティアスの方を向く。ジークベルトが亡くなった後、目立った所のなかったマティアス司祭がここに来て事件に関係していたのではないかと浮上してきたのだ。
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