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変わる景色と終わらぬ街並み
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演奏による音楽が何らかのトリガーになっているのではないかと、ブルースは語る。詳しくは分からないが、音の届く範囲が振動により歪んでしまっているのだろうと考察し、一つの解決案を二人に提案する。
「これが犯人の何らかのスキルにしろ能力にしろ、それには限度がある。つまりその攻撃範囲から出られれば、自ずと解除されるだろうって恋った」
「お!?じゃぁよ、大将とゾルターンが襲われたっつぅ教会から離れていけば、この変な街からも抜け出せるって訳だなぁ!?」
「お前にしては察しがいいじゃないか」
「あぁ!?オメェは一言余計なんだよゾルターン!もう一回寝かしつけてやろうかぁ!?」
「冗談はよせ、二人とも。善は急げだ、すぐに出発するぞ。ゾルターンももう動けるか?」
「あぁ、何とか痛みは引いてきた。これくらいなら移動くらいなら問題ないだろう」
ブルースの指示で、護衛らを置いてきたアルバの東にある宿屋の方角へ向かう事となる。これは犯人の攻撃の範囲を脱した後、すぐに仲間達と合流しアルバを離れる為だった。
「ぁ・・・あのようぉ、宿屋の方なんだが・・・」
「どうしたバルトロメオ」
「アイツらを引きつける為に、色々と揺動をかまして来ちまって・・・。ここから東へのルートはもしかしたら、アイツらでいっぱいかも知れねぇんだけど・・・」
「はぁ・・・お前はどうしていつも後の事を考えないんだ。それじゃぁどうやって大将を宿屋まで連れていく気だったんだ?」
「数がいりゃぁ相手にならねぇと思ったんだ!てっきり合流できるモンだとばかりに思ってたからよぉ」
どうやって淀屋に辿り着くか。急いでブルースやゾルターンの為にも、援軍を連れてこなければと焦っていたバルトロメオは、その後のことまで頭が回らなかった。
だが彼にしては、この不可解な状況の中で無事に二人の元へ戻って来たり、情報を持ち帰ったりとよくやった方ではある。ブルースも悪態をつくゾルターンに対し、少しはバルトロメオを労うべきだと彼の味方をした。
バルトロメオのアドバイスもあり、東へ一直線に向かうルートから少し迂回して宿屋の方角へ向かっていく一行。暫くアルバの街中を進んでいくと、お目当ての宿屋が見える道へと辿り着く。
しかし、遠目で見る限りバルトロメオが危惧していたような、謎の人物が群がっているといった様子は見受けられない。
「何だ、そんなにいないじゃないか」
「バルトロメオが宿屋へ向かってからそれなりに時間が経ったからな。既に奴らも移動していたとしてもおかしくないだろう」
「無駄な心配だったようだな、バルトロメオ」
「うっうるせぇ!あの時は確かに集まってたんだよ!まぁ・・・そんなに長居してなかったんなら、それはそれでいいけどよ」
どうにも腑に落ちないといった様子のバルトロメオ。一行が宿屋の建物の側にまでやってくると、もう一度仲間が本当にいないのかどうか確かめるように、外から窓を覗き中の様子を確認する。
「どうだ?ゾルターン」
「・・・人の気配はなさそうだ。バルトロメオの言っていた通りもぬけの殻といったところだ」
「どうっすんだ?大将。もう一回中に入って確かめるのか?」
「いや、その必要はないだろう。それより今は、犯人の術中から抜け出す方が先だ。二人とも行くぞ」
宿屋に入る事なく、一行は当初の目的通り東へ東へと進んでいく。今度は三人一緒に行動していたと言うこともあり、道中の謎の人物は騒ぎにならない程度に排除していき、方角を見失わないよう迂回する事なく真っ直ぐ街並みを進んでいく。
そんな道のりを暫く進んでいく一行だったが、そこである不可解な事実に気がつく。徒歩で進んでいるとはいえ、明らかにアルバの宮殿から外に出ているであろう距離と時間を、一行は歩き続けていたのだ。
「なぁ、大将。そろそろ街の外に辿り着いてもおかしくないんじゃないか?」
「けどよぉ、建物とかはちゃんと変わってるぜぇ?同じいところを回ってるって感じでもねぇ気がするんだが・・・」
幻術や催眠、あるいは何らかのスキルによって同じところを回らされているのなら、バルトロメオの言う通り目印となる建物や目標物を定めることで、自分達が術中の範囲内をむぐらされているかどうかを確かめることは可能だが、どうにも周りの景色はちゃんと変わっているようだった。
通り過ぎて行ったはずの大きな建物も、後ろを振り返ればちゃんと小さく視界に写っている。しかし、いくら高所に上り遠くを見通そうとも、街並みが続くばかりで終わりが見えてこないのだ。
「クソッ!どうなってんだぁ!?チクショウ!!」
「大将、これは一体・・・」
「・・・どうやらアルバという街に異変が起きているのではなく、おかしくなっているのは俺達の方だったようだな」
「どっどういう事だぁ?」
通常であればアルバという街の端から端まで歩いたとしても、一行が移動した距離もなければ時間も掛からない。それなのに進めば進むほど、街の景色は変わり新しいものが目に入ってくる。
明らかにスキルや能力の範囲を逸脱している。つまりブルースら一行は、全員が全員共通する認識の中で誤った視覚情報を刷り込まれているとしか思えない。
それを証明するかのように、一行の耳には絶え間なく例の音色が聞こえていた。
「やはり教会の奴を始末する他ないのかもしれん・・・」
「おいおい・・・教会の奴って、ゾルターンが瀕死に追い込まれたっていう奴の事かぁ?」
「この音を断たば、何かしら新しいものが見えてくるだろう。幸い奴の攻撃方法は分かっている。それにゾルターンと一緒にいた俺は、奴の攻撃を受けていない。つまり同時に直接心臓への攻撃は出来ないんだろう」
「・・・・・」
だが、一度死の間際に瀕した者からすると、もう一度同じ苦しみを味わうかも知れない危険な場所へ戻るということは、謂わばトラウマの克服を行うのと同義。
バルトロメオも、口ではゾルターンの悪態を突いていたが決して彼の実力を侮っているなどという事はなかった。言葉にはせずとも、そんな様子を見せる表情でゾルターンの方を見るバルトロメオ。
「これが犯人の何らかのスキルにしろ能力にしろ、それには限度がある。つまりその攻撃範囲から出られれば、自ずと解除されるだろうって恋った」
「お!?じゃぁよ、大将とゾルターンが襲われたっつぅ教会から離れていけば、この変な街からも抜け出せるって訳だなぁ!?」
「お前にしては察しがいいじゃないか」
「あぁ!?オメェは一言余計なんだよゾルターン!もう一回寝かしつけてやろうかぁ!?」
「冗談はよせ、二人とも。善は急げだ、すぐに出発するぞ。ゾルターンももう動けるか?」
「あぁ、何とか痛みは引いてきた。これくらいなら移動くらいなら問題ないだろう」
ブルースの指示で、護衛らを置いてきたアルバの東にある宿屋の方角へ向かう事となる。これは犯人の攻撃の範囲を脱した後、すぐに仲間達と合流しアルバを離れる為だった。
「ぁ・・・あのようぉ、宿屋の方なんだが・・・」
「どうしたバルトロメオ」
「アイツらを引きつける為に、色々と揺動をかまして来ちまって・・・。ここから東へのルートはもしかしたら、アイツらでいっぱいかも知れねぇんだけど・・・」
「はぁ・・・お前はどうしていつも後の事を考えないんだ。それじゃぁどうやって大将を宿屋まで連れていく気だったんだ?」
「数がいりゃぁ相手にならねぇと思ったんだ!てっきり合流できるモンだとばかりに思ってたからよぉ」
どうやって淀屋に辿り着くか。急いでブルースやゾルターンの為にも、援軍を連れてこなければと焦っていたバルトロメオは、その後のことまで頭が回らなかった。
だが彼にしては、この不可解な状況の中で無事に二人の元へ戻って来たり、情報を持ち帰ったりとよくやった方ではある。ブルースも悪態をつくゾルターンに対し、少しはバルトロメオを労うべきだと彼の味方をした。
バルトロメオのアドバイスもあり、東へ一直線に向かうルートから少し迂回して宿屋の方角へ向かっていく一行。暫くアルバの街中を進んでいくと、お目当ての宿屋が見える道へと辿り着く。
しかし、遠目で見る限りバルトロメオが危惧していたような、謎の人物が群がっているといった様子は見受けられない。
「何だ、そんなにいないじゃないか」
「バルトロメオが宿屋へ向かってからそれなりに時間が経ったからな。既に奴らも移動していたとしてもおかしくないだろう」
「無駄な心配だったようだな、バルトロメオ」
「うっうるせぇ!あの時は確かに集まってたんだよ!まぁ・・・そんなに長居してなかったんなら、それはそれでいいけどよ」
どうにも腑に落ちないといった様子のバルトロメオ。一行が宿屋の建物の側にまでやってくると、もう一度仲間が本当にいないのかどうか確かめるように、外から窓を覗き中の様子を確認する。
「どうだ?ゾルターン」
「・・・人の気配はなさそうだ。バルトロメオの言っていた通りもぬけの殻といったところだ」
「どうっすんだ?大将。もう一回中に入って確かめるのか?」
「いや、その必要はないだろう。それより今は、犯人の術中から抜け出す方が先だ。二人とも行くぞ」
宿屋に入る事なく、一行は当初の目的通り東へ東へと進んでいく。今度は三人一緒に行動していたと言うこともあり、道中の謎の人物は騒ぎにならない程度に排除していき、方角を見失わないよう迂回する事なく真っ直ぐ街並みを進んでいく。
そんな道のりを暫く進んでいく一行だったが、そこである不可解な事実に気がつく。徒歩で進んでいるとはいえ、明らかにアルバの宮殿から外に出ているであろう距離と時間を、一行は歩き続けていたのだ。
「なぁ、大将。そろそろ街の外に辿り着いてもおかしくないんじゃないか?」
「けどよぉ、建物とかはちゃんと変わってるぜぇ?同じいところを回ってるって感じでもねぇ気がするんだが・・・」
幻術や催眠、あるいは何らかのスキルによって同じところを回らされているのなら、バルトロメオの言う通り目印となる建物や目標物を定めることで、自分達が術中の範囲内をむぐらされているかどうかを確かめることは可能だが、どうにも周りの景色はちゃんと変わっているようだった。
通り過ぎて行ったはずの大きな建物も、後ろを振り返ればちゃんと小さく視界に写っている。しかし、いくら高所に上り遠くを見通そうとも、街並みが続くばかりで終わりが見えてこないのだ。
「クソッ!どうなってんだぁ!?チクショウ!!」
「大将、これは一体・・・」
「・・・どうやらアルバという街に異変が起きているのではなく、おかしくなっているのは俺達の方だったようだな」
「どっどういう事だぁ?」
通常であればアルバという街の端から端まで歩いたとしても、一行が移動した距離もなければ時間も掛からない。それなのに進めば進むほど、街の景色は変わり新しいものが目に入ってくる。
明らかにスキルや能力の範囲を逸脱している。つまりブルースら一行は、全員が全員共通する認識の中で誤った視覚情報を刷り込まれているとしか思えない。
それを証明するかのように、一行の耳には絶え間なく例の音色が聞こえていた。
「やはり教会の奴を始末する他ないのかもしれん・・・」
「おいおい・・・教会の奴って、ゾルターンが瀕死に追い込まれたっていう奴の事かぁ?」
「この音を断たば、何かしら新しいものが見えてくるだろう。幸い奴の攻撃方法は分かっている。それにゾルターンと一緒にいた俺は、奴の攻撃を受けていない。つまり同時に直接心臓への攻撃は出来ないんだろう」
「・・・・・」
だが、一度死の間際に瀕した者からすると、もう一度同じ苦しみを味わうかも知れない危険な場所へ戻るということは、謂わばトラウマの克服を行うのと同義。
バルトロメオも、口ではゾルターンの悪態を突いていたが決して彼の実力を侮っているなどという事はなかった。言葉にはせずとも、そんな様子を見せる表情でゾルターンの方を見るバルトロメオ。
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