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目まぐるしく入れ替わる戦況
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そして彼が演奏を始めた時、これまでのレオンの演奏とはくれべものにならない効果が現れた。当然、今ミアやニノンに掛かっているアンブロジウスのバフ効果は打ち消され、その代わりに攻撃力や防御力といった基礎能力の向上と、これまで負ってきたダメージや疲労が徐々に回復していく効果が発揮されたのだ。
それは戦闘中のミアの元にも現れていた。これまでの勝手に能力が活性化され無駄遣いされていた状態とは明らかに違うのが直ぐに理解できたようだ。
「おぉ!なんだ、急に身体の調子が・・・。それに何だか魔力も回復してんのか?これが本来の楽譜の正しい効果って訳か」
遮蔽物に身を隠しながらアンブロジウスの様子を伺うミア。どうやら彼の方でもレオンの演奏による効果が現れていたようだ。彼もまた月光写譜無くして演奏をし続けているが、徐々にその効果は失われていきその霊体に弱体効果が徐々に現れ始める。自らの演奏に違和感を感じているのか、落ち着かない様子で周囲を見渡すアンブロジウス。
まるで何かを探しているかのようにキョロキョロと首を動かしていると、やがてその動きを止める。その視線の先には、同じくヴァイオリンを演奏するレオンの姿を捉えていた。その直後、激しい身振りで弓を動かし始めるアンブロジウス。再び彼は狙いをレオンに定め、謎の人物達を召喚するとレオンの演奏を止めさせろと言わんばかりに刺客を送り込む。
一斉に飛び掛かっていく謎の人物達。しかしその前には、レオンの月光写譜による正しきバフ効果を得たニノンが立ちはだかる。
「同じ轍は踏まないッ!よぉく覚えておけ、アンブロジウス!演奏の邪魔をするなど音楽家にあるまじき行為だと。そして思い出せ、本来のお前の血に眠る偉大な血族の才能と誇りを!」
迫り来る謎の人物達を可能な限りレオンに近づけさせる。今度のレオンは敵の接近や攻撃に動揺することはなく、気を散らす事なく演奏に集中できている。演奏に乱れはない。ニノンを信じきっているのだろう。その期待に応えなければと自らを奮い立たせた彼女は、レオンの身に何かあれば直ぐに駆けつけられる範囲にまで謎の人物達を引き入れると、強化された身体能力で今度は心置きなく本当の力を振るい、瞬く間に謎の人物達を次々に打ち倒していった。
周りで気の散る行動を取らざるを得なかったニノンは、自身の行動でレオンの演奏に支障はなかったかと視線を送ると、彼もまた片目を閉じながら口角を上げてニノンと視線を合わせる。万全の防御体制を整えるニノンは、隙あらば拳に溜めた光弾や足に纏った衝撃波を飛ばし、アンブロジウスへの妨害と攻撃を加える。
「あっちも順調みたいだな。向こうが気を引いてくれたおかげで、調合する時間が取れた。風の精とやらが力を貸してくれるか分からんが、奴のシャボン玉にはこれが一番効く」
謎の人物達を打ち倒されたアンブロジウスは、ミアの目論見通り今度は例の音の衝撃を生み出すシャボン玉を発生させる。こればかりはニノン体術ではどうしようもない。触れれば割れたシャボン玉の中に閉じ込められていた振動が周囲へ伝わりダメージを与える。かといって振り払おうものなら、その動きで生じた風に乗って移動し、レオンの元へ飛んでいってしまう可能性もあるからだ。
「くッ・・・!こればかりはどうにもッ・・・」
するとそこへ、一発の銃声と共に彼女らの側にミアの魔弾が着弾する。何事かと視線を送ると、その場に風が巻き起こり次第に周囲へ影響を与える程の風力で広がり、彼女らの周りに現れたシャボン玉を風に乗せ遠ざけていった。銃弾という時点でそれがミアによる援護だと理解したニノンは、再びシャボン玉の召喚に魔力を割いているアンブロジウスへ光弾を放つ。
相変わらずアンブロジウスも、その霊体を活かした身軽な動きで躱す。今度はヴァイオリンの弦のような糸を使い、ニノンやレオンに攻撃を仕掛けようとするも、そうはさせまいと、またしてもミアの風を生み出す魔弾によって阻止されてしまう。だがシャボン玉の時とは違い、こちらは風だけでは完全に排除することは出来ず糸の発生している根本部分をニノンの足技による体術によって生み出す、鋭い刃のような衝撃波によって刈り取ることで消滅させる事ができた。
元よりバッハの霊体達が生み出す糸は、オイゲンやバルトロメオの魔力や、紅葉の炎によって焼き尽くす事ができた。オイゲンやバルトロメオが扱う魔力は、属性の性質上”聖属性”を持っている事がクラスからも分かる。紅葉に関しては詳細な情報がまだ分かってはいないものの、彼らと同じく糸を焼き切る事ができていることからも、聖属性を持った炎であることが予想される。
そしてニノンもまたオイゲンと同じく聖なる属性を扱うクラスである為、その衝撃波に込められた属性によりアンブロジウスの糸を断ち切ることが出来ていた。これらにより、今やほとんどの攻撃に対処することが出来るようになった一行だが、そんな中でも一つだけ原理も分からない、そもそもそれがアンブロジウスの攻撃かも分からないものが存在する。
レオンの演奏により勢いづく一行の力を再び地に落とすかのように、その現象は再度彼女らを襲う。心臓付近に走る痛み。それは彼女らの身体の内側から駆け巡る衝撃。防御も回避も叶わぬその攻撃は、今まで積み重ねてきたものを最も容易く崩壊させる一撃に他ならなかった。
「うッ・・・!!クソッ・・・またこれかッ!?一体何だっていうんだ!!」
「内部からの痛みッ・・・!?これも彼の攻撃だとでも言うの・・・?レオン・・・!」
演奏に対する姿勢や心持ちは既にレオンの中に備わったが、こればかりは彼には耐え難い苦痛として襲い掛かった。目に見えぬ攻撃に、いくらニノンであってもその攻撃からレオンを守ることは出来ない。月光写譜の演奏は中断され、一行に掛かっていたバフ効果も途切れてしまい、再びアンブロジウスによる演奏効果が上書きされる。
それは戦闘中のミアの元にも現れていた。これまでの勝手に能力が活性化され無駄遣いされていた状態とは明らかに違うのが直ぐに理解できたようだ。
「おぉ!なんだ、急に身体の調子が・・・。それに何だか魔力も回復してんのか?これが本来の楽譜の正しい効果って訳か」
遮蔽物に身を隠しながらアンブロジウスの様子を伺うミア。どうやら彼の方でもレオンの演奏による効果が現れていたようだ。彼もまた月光写譜無くして演奏をし続けているが、徐々にその効果は失われていきその霊体に弱体効果が徐々に現れ始める。自らの演奏に違和感を感じているのか、落ち着かない様子で周囲を見渡すアンブロジウス。
まるで何かを探しているかのようにキョロキョロと首を動かしていると、やがてその動きを止める。その視線の先には、同じくヴァイオリンを演奏するレオンの姿を捉えていた。その直後、激しい身振りで弓を動かし始めるアンブロジウス。再び彼は狙いをレオンに定め、謎の人物達を召喚するとレオンの演奏を止めさせろと言わんばかりに刺客を送り込む。
一斉に飛び掛かっていく謎の人物達。しかしその前には、レオンの月光写譜による正しきバフ効果を得たニノンが立ちはだかる。
「同じ轍は踏まないッ!よぉく覚えておけ、アンブロジウス!演奏の邪魔をするなど音楽家にあるまじき行為だと。そして思い出せ、本来のお前の血に眠る偉大な血族の才能と誇りを!」
迫り来る謎の人物達を可能な限りレオンに近づけさせる。今度のレオンは敵の接近や攻撃に動揺することはなく、気を散らす事なく演奏に集中できている。演奏に乱れはない。ニノンを信じきっているのだろう。その期待に応えなければと自らを奮い立たせた彼女は、レオンの身に何かあれば直ぐに駆けつけられる範囲にまで謎の人物達を引き入れると、強化された身体能力で今度は心置きなく本当の力を振るい、瞬く間に謎の人物達を次々に打ち倒していった。
周りで気の散る行動を取らざるを得なかったニノンは、自身の行動でレオンの演奏に支障はなかったかと視線を送ると、彼もまた片目を閉じながら口角を上げてニノンと視線を合わせる。万全の防御体制を整えるニノンは、隙あらば拳に溜めた光弾や足に纏った衝撃波を飛ばし、アンブロジウスへの妨害と攻撃を加える。
「あっちも順調みたいだな。向こうが気を引いてくれたおかげで、調合する時間が取れた。風の精とやらが力を貸してくれるか分からんが、奴のシャボン玉にはこれが一番効く」
謎の人物達を打ち倒されたアンブロジウスは、ミアの目論見通り今度は例の音の衝撃を生み出すシャボン玉を発生させる。こればかりはニノン体術ではどうしようもない。触れれば割れたシャボン玉の中に閉じ込められていた振動が周囲へ伝わりダメージを与える。かといって振り払おうものなら、その動きで生じた風に乗って移動し、レオンの元へ飛んでいってしまう可能性もあるからだ。
「くッ・・・!こればかりはどうにもッ・・・」
するとそこへ、一発の銃声と共に彼女らの側にミアの魔弾が着弾する。何事かと視線を送ると、その場に風が巻き起こり次第に周囲へ影響を与える程の風力で広がり、彼女らの周りに現れたシャボン玉を風に乗せ遠ざけていった。銃弾という時点でそれがミアによる援護だと理解したニノンは、再びシャボン玉の召喚に魔力を割いているアンブロジウスへ光弾を放つ。
相変わらずアンブロジウスも、その霊体を活かした身軽な動きで躱す。今度はヴァイオリンの弦のような糸を使い、ニノンやレオンに攻撃を仕掛けようとするも、そうはさせまいと、またしてもミアの風を生み出す魔弾によって阻止されてしまう。だがシャボン玉の時とは違い、こちらは風だけでは完全に排除することは出来ず糸の発生している根本部分をニノンの足技による体術によって生み出す、鋭い刃のような衝撃波によって刈り取ることで消滅させる事ができた。
元よりバッハの霊体達が生み出す糸は、オイゲンやバルトロメオの魔力や、紅葉の炎によって焼き尽くす事ができた。オイゲンやバルトロメオが扱う魔力は、属性の性質上”聖属性”を持っている事がクラスからも分かる。紅葉に関しては詳細な情報がまだ分かってはいないものの、彼らと同じく糸を焼き切る事ができていることからも、聖属性を持った炎であることが予想される。
そしてニノンもまたオイゲンと同じく聖なる属性を扱うクラスである為、その衝撃波に込められた属性によりアンブロジウスの糸を断ち切ることが出来ていた。これらにより、今やほとんどの攻撃に対処することが出来るようになった一行だが、そんな中でも一つだけ原理も分からない、そもそもそれがアンブロジウスの攻撃かも分からないものが存在する。
レオンの演奏により勢いづく一行の力を再び地に落とすかのように、その現象は再度彼女らを襲う。心臓付近に走る痛み。それは彼女らの身体の内側から駆け巡る衝撃。防御も回避も叶わぬその攻撃は、今まで積み重ねてきたものを最も容易く崩壊させる一撃に他ならなかった。
「うッ・・・!!クソッ・・・またこれかッ!?一体何だっていうんだ!!」
「内部からの痛みッ・・・!?これも彼の攻撃だとでも言うの・・・?レオン・・・!」
演奏に対する姿勢や心持ちは既にレオンの中に備わったが、こればかりは彼には耐え難い苦痛として襲い掛かった。目に見えぬ攻撃に、いくらニノンであってもその攻撃からレオンを守ることは出来ない。月光写譜の演奏は中断され、一行に掛かっていたバフ効果も途切れてしまい、再びアンブロジウスによる演奏効果が上書きされる。
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