隊長さんとボク

ばたかっぷ

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七話

目覚めの日を七日後に控えても、ボクには相変わらず何の変化もなかった。

隊長さんのパートナーが決まってしまうかも知れないのに、このままボクは目覚めの日を迎えることさえ出来ないかも知れないなんて。

ボクにはチャンスさえ与えて貰えないの?

隊長さんにパートナーが出来たら、もう今までみたいに甘えたり出来ない。

ボクはボクのパートナーを探さなきゃならないんだ。そんなのイヤだよう。隊長さんがいいの隊長さんじゃなきゃイヤなんだ。

「エナ、今日は僕お城に行かなきゃならないけど一人で大丈夫?」

「きゅ…(大丈夫だよ心配かけてごめんね)」

目覚めの日が近づくにつれて、ボクはますます元気がなくなっていって、シーグさんにはずっと心配をかけてしまっている。

シーグさんに心配をかけたくないけど、どうしても気分が沈んでしまう。このまま目覚めの日が来るまで、何も出来ずにいるしかないなんて。

何か方法はないのかな…。その為にボクはなんだってやるのに。



シーグさんが出かけてからしばらくたった頃、玄関の扉をノックする音が聞こえた。

誰だろう…。玄関を開けるとそこにいたのはハイカだった。

何でハイカが家に来るの?

「目覚めの日が間近だってのに、やっぱり斑色のままか…」

「きゅ(そんなことを言う為にわざわざ来たの?)」

開口一番、そんなことを言うハイカに苛立つ。

「なあエナ、お前カイゼル侯のパートナーになりたいんだろ?」

「きゅ…っ(だったらなにさっ)」

また身の程知らずだって言いに来たのかと思うと、さらに苛立つ。

「…お前、龍の谷って知ってるか」

「きゅ…?(龍の谷…?)」

ハイカはいきなり何を言いだしたの?

「そこにはな、神獣に力を与える秘石が祠られているらしいんだよ」

「きゅう~(それがなに?)」

「その秘石の力を借りれば目覚めの力が強くなって、すごい神獣に変化出来るかも知れないってことだよっ」

「きゅっ!?(ほっ、本当っ!?)」

「ああ、秘石の力欲しくないか?」

その話が本当なら、強くはなれなくてもせめて目覚めの変化だけは、迎えることが出来るかも知れない。

そうしたら隊長さんに選んでもらえる可能性だって、0じゃなくなるんだ。

欲しいっ欲しいよ秘石の力。

「きゅう~!(その龍の谷ってどこにあるの?)」

「西のルーテル山の向こうだ。エナに行く意思があるならついて来い」

「きゅ?(ハイカも行くの?)」

ハイカは目覚めの変化も現れてるのに、秘石の力なんて必要あるの?

「エナみたいな出来損ない一匹で行かせられるほど、龍の谷は楽な場所じゃないからな。ついて行ってやるよ」

ハイカが優しいなんてヘンな感じだけど、秘石の力が手に入って目覚めを迎えられるなら、なんだっていいや。

隊長さんのパートナーになれる可能性が、1%でもあるならボクはそれに賭ける。

ボクはハイカと一緒にルーテル山へと駈けていった。


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