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十五話
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そして今日はとうとう目覚めの儀式の日。
聖母神獣が目覚めたことは王様や大臣に報せてあるらしいけれど、誰が聖母神獣かは教えてないって言ってた。
ボクが聖母神獣の力を安定させるまでは、ボクの正体は秘密なんだって。だから今日の儀式もそっと執り行われる。
アルティアの儀式と比べたらやっぱり凄い違いだけど、そんなことはどうだっていいよね。
参列者の席にはハイカとセレンさんとそれに隊長さん、3人の姿がある。そしてボクの隣にはシーグさんがいてくれている。
それで十分。
厳かな空気のなかシーグさんが祝詞をあげると、ボクの体からゆっくりと光りが放たれ始めた。
「伝説の聖母神獣エレメンティアそなたに神々の祝福と加護を与える。末永くこのエドリアーリアナに守護の力を尽くされよ」
ボクはシーグさんに教えてもらった通りに誓いの言葉をのべる。
「はいこの命ある限りエドリアーリアナの為にこの身を捧げることを誓います」
そう誓いの言葉をのべながら、ボクはボクの大切な人達の為に、聖母神獣の守護の力を使い続けることを心に誓った――。
*****
「いくぞエナ早くしろよ」
「待ってよ~ハイカ」
儀式を終えたボクは一人前の守護神獣になるために、神獣たちの寄宿学校に入った。あれからハイカとはすっかり仲良しだ。意地悪だったのが嘘みたいに、今はボクをからかう神獣たちをやっつけてくれたりする。
ボクの聖母神獣としての力は、学校を卒業するまでは封印されることになった。不安定なまま力を使うと何が起こるか分からないから、ボクがちゃんとコントロール出来るようになるまでは周りにも秘密なんだ。
だからボクは相変わらずの斑色の毛並みの守護神獣。だから人型になっても斑色の髪の毛の平凡な男の子だ。
でもいつか聖母神獣の姿でいられるようになったら、きっとスゴい美少年になれるハズ!
…自信ないけど。
でも隊長さんはこの見た目でもいっつも可愛いって言ってくれるから、このままでもいいかなって思い始めてる。ボクの髪の毛は神獣のときの手触りとおんなじだって、あのおっきな手でなでなでしてくれるし。
「エナ、明日の休みだけど町に出ないか?新しい店が出来たんだってよ」
「ごめ~ん明日は隊長さんが遊びに来てくれるからシーグさん家に帰らなくちゃいけないんだ」
せっかく誘ってもらったのに断るのは申し訳ないけど、隊長さんのことは譲れないの。
「カイゼル侯が来るのっていつも夕方からだろ?町で遊んでからだっていいじゃんっ」
「でも早く帰って毛並みの手入れしたいから駄~目っ」
隊長さんがボクのもふもふが一番好きって聞いてから、ボクはお手入れを欠かさなくなった。
髪の毛を撫でて貰うのも気持ちいいけど、神獣の姿でなでなでして貰うのもサイコーなんだもんっ。だから隊長さんに気持ち良く撫でて貰うためにも、お手入れは念入りにやらなきゃね!
「なんだよっいっつもカイゼル侯ばっかり優先してさもう先行くぞっ」
「えっ、待ってよハイカ」
拗ねたみたいに先に行くハイカを追いかける。最近隊長さんの話をするとハイカの機嫌が悪くなるのはなんでかな?
ボクが先にパートナーを見つけたからヤキモチ妬いてるのかな、うんきっとそうだね。ハイカにも早く素敵なパートナーが現れるといいな。
そうして隊長さんとボクと、ハイカとハイカのパートナーさんと一緒にお仕事が出来たら素敵だよねっ。
「ハイカー!待ってよーっ」
いつか訪れる輝く未来に向かって、ボクは力いっぱい走りだした――。
End
聖母神獣が目覚めたことは王様や大臣に報せてあるらしいけれど、誰が聖母神獣かは教えてないって言ってた。
ボクが聖母神獣の力を安定させるまでは、ボクの正体は秘密なんだって。だから今日の儀式もそっと執り行われる。
アルティアの儀式と比べたらやっぱり凄い違いだけど、そんなことはどうだっていいよね。
参列者の席にはハイカとセレンさんとそれに隊長さん、3人の姿がある。そしてボクの隣にはシーグさんがいてくれている。
それで十分。
厳かな空気のなかシーグさんが祝詞をあげると、ボクの体からゆっくりと光りが放たれ始めた。
「伝説の聖母神獣エレメンティアそなたに神々の祝福と加護を与える。末永くこのエドリアーリアナに守護の力を尽くされよ」
ボクはシーグさんに教えてもらった通りに誓いの言葉をのべる。
「はいこの命ある限りエドリアーリアナの為にこの身を捧げることを誓います」
そう誓いの言葉をのべながら、ボクはボクの大切な人達の為に、聖母神獣の守護の力を使い続けることを心に誓った――。
*****
「いくぞエナ早くしろよ」
「待ってよ~ハイカ」
儀式を終えたボクは一人前の守護神獣になるために、神獣たちの寄宿学校に入った。あれからハイカとはすっかり仲良しだ。意地悪だったのが嘘みたいに、今はボクをからかう神獣たちをやっつけてくれたりする。
ボクの聖母神獣としての力は、学校を卒業するまでは封印されることになった。不安定なまま力を使うと何が起こるか分からないから、ボクがちゃんとコントロール出来るようになるまでは周りにも秘密なんだ。
だからボクは相変わらずの斑色の毛並みの守護神獣。だから人型になっても斑色の髪の毛の平凡な男の子だ。
でもいつか聖母神獣の姿でいられるようになったら、きっとスゴい美少年になれるハズ!
…自信ないけど。
でも隊長さんはこの見た目でもいっつも可愛いって言ってくれるから、このままでもいいかなって思い始めてる。ボクの髪の毛は神獣のときの手触りとおんなじだって、あのおっきな手でなでなでしてくれるし。
「エナ、明日の休みだけど町に出ないか?新しい店が出来たんだってよ」
「ごめ~ん明日は隊長さんが遊びに来てくれるからシーグさん家に帰らなくちゃいけないんだ」
せっかく誘ってもらったのに断るのは申し訳ないけど、隊長さんのことは譲れないの。
「カイゼル侯が来るのっていつも夕方からだろ?町で遊んでからだっていいじゃんっ」
「でも早く帰って毛並みの手入れしたいから駄~目っ」
隊長さんがボクのもふもふが一番好きって聞いてから、ボクはお手入れを欠かさなくなった。
髪の毛を撫でて貰うのも気持ちいいけど、神獣の姿でなでなでして貰うのもサイコーなんだもんっ。だから隊長さんに気持ち良く撫でて貰うためにも、お手入れは念入りにやらなきゃね!
「なんだよっいっつもカイゼル侯ばっかり優先してさもう先行くぞっ」
「えっ、待ってよハイカ」
拗ねたみたいに先に行くハイカを追いかける。最近隊長さんの話をするとハイカの機嫌が悪くなるのはなんでかな?
ボクが先にパートナーを見つけたからヤキモチ妬いてるのかな、うんきっとそうだね。ハイカにも早く素敵なパートナーが現れるといいな。
そうして隊長さんとボクと、ハイカとハイカのパートナーさんと一緒にお仕事が出来たら素敵だよねっ。
「ハイカー!待ってよーっ」
いつか訪れる輝く未来に向かって、ボクは力いっぱい走りだした――。
End
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