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プロローグ
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ざわざわとざわめく教室の中で僕は隅の机で一人でライトノベルを読んでいた。
今は昼休みでみんな友達とご飯を食べたり自由に休憩したりしているが、僕はラノベを読むためにさっさとご飯を食べてしまった。
こうして本を読んでいると、周りとは隔絶された自分だけの世界に入れてとても気分が良い。正直ずっとこんな時間を過ごしたいたいと思ってしまう。だけどその時間はすぐに終わってしまった。
「おーい、幸樹ヨォ、ちょっと付き合ってくんね?」
如何にも不良といった雰囲気のクラスメイトにそう声をかけられる。こいつはいつも僕のことを呼び出して、そして僕のことを殴ったり僕の恥ずかしい写真を撮ったりして暇を潰すそんな奴だ。
「あ、あのっ、少し待ってくれるかな…、すぐに行くから…」
急に話しかけられたことと内気な性格が相まって吃ってしまった。
「あぁ?今すぐ来いっつってんだろが!」
ゴスッ!「うげっ」
不良の拳が僕の腹に刺さりその場でうずくまる。
「口ごたえしてんじゃーよ、デブ。俺が来いっつったらすぐ来るんだよ、わかったか?」
「は、はい…」
腹の痛みに苦しみながら手に持ったラノベを机に戻そうとする。
「おい、ちょっと待てよ、そいつを見せてみろ。」
そう言って不良は僕からラノベを奪い、中身を開いた。
「うっわ、お前こんなん読んでんのかよ、きっめぇww」
「かっ、返してよ!」
本を奪い返そうとするがいじめッ子はそれを掻い潜りクラスの真ん中へと向かって行く。
「おーいみんな、こいつこんなもん読んでんだぜーw」そう大きな声で言ってラノベによくある裸ギリギリの女の子の挿絵があるページを周りに見せるようにして開いた。
「うわ、何あれ、気持ち悪い…」
「やっぱあいつってそう言うやつだったんだな…」
「ないわー…」
(かわいい…)
周りからの目線が僕にささる。今すぐここから逃げ出したい気持ちで一杯になる。どうしようもなくなった僕に不良が近づいて来る。
「なあ、お前もこんなところに居づらいだろ?一緒に屋上でも行って気晴らしでもしようぜ」
不良が笑顔で言う。ただしその笑顔には気遣う気持ちなんて微塵も入ってない。僕はそのまま不良に連れられて屋上に向かう。教室を出るときにちらりと見えた地面に捨てられた本が処分されたりしないかが心配になった。
__________________
屋上は誰もおらず僕と不良だけがいる。屋上は基本立ち入り禁止で真面目な一般生徒は入ってこない。
「なあ、幸樹ヨォ、俺昨日さあ、ゲーセンですげえ楽しいもん見つけたんだよ。パンチングマシンっつってな?それでそれをまたやりてーんだけど」
ニヤニヤと笑いながら言う。嫌な笑顔だ。こいつが何か悪巧みしているときはいつもこの顔をする。
「じ、じゃあ僕がそのゲームのお金を出せばいいのかなっ?」
少しでも穏便に済ませたいと思い財布を用意しようとするが不良はそれを止める。
「いやいや、金を出す必要なんてねーよ。」
そう言うに続けて不良は悪魔のような笑顔でこう言った。
「俺さあ、思ったんだよ。パンチングマシンであれだけ楽しかったんならお前を殴ったらもっと楽しいんじゃないかってなっ!」
「えっ…」
ドッ 「っ!」
言ったと同時に不良の拳が腹に突き刺さる。さっき殴られたこともあって口から昼食を戻しそうになる。
「ははっ、お前の腹やっぱ殴りやすいわ」
表沙汰にならないように顔などは敢えて殴らずに胴体ばかりを殴ってくる。心では殴り返してやりたいと思っている。だけど体が動かない。今までやられてきた体が恐怖心に縛られている。立っているのも辛くなりフラフラとフェンスに寄りかかる。
(こんなに辛いんだったら死んだ方がマシなんじゃないかな…)
そんなことを考えていると不良が拳を固めて近づいてくる。
「おいおい、俺はまだ全然満足してねえぞ?」
ゴッ!ガシャン!「あ……」
殴られたと同時に寄りかかっていたフェンスが倒れて体が宙に放り出される。世界がとてもゆっくりに見えた。不良は目を見開いて間が抜けたように口を開けている。そのまま僕は屋上から地面へと向かって落ちていく。途中で窓を眺めていた女生徒と目があった。僕がその窓を過ぎ去る直前に彼女は状況を理解して驚き始めたようだが、それがとても滑稽に思えて自嘲気味に笑った。
グシャ
最後にそんな音を聞いた気がした。
今は昼休みでみんな友達とご飯を食べたり自由に休憩したりしているが、僕はラノベを読むためにさっさとご飯を食べてしまった。
こうして本を読んでいると、周りとは隔絶された自分だけの世界に入れてとても気分が良い。正直ずっとこんな時間を過ごしたいたいと思ってしまう。だけどその時間はすぐに終わってしまった。
「おーい、幸樹ヨォ、ちょっと付き合ってくんね?」
如何にも不良といった雰囲気のクラスメイトにそう声をかけられる。こいつはいつも僕のことを呼び出して、そして僕のことを殴ったり僕の恥ずかしい写真を撮ったりして暇を潰すそんな奴だ。
「あ、あのっ、少し待ってくれるかな…、すぐに行くから…」
急に話しかけられたことと内気な性格が相まって吃ってしまった。
「あぁ?今すぐ来いっつってんだろが!」
ゴスッ!「うげっ」
不良の拳が僕の腹に刺さりその場でうずくまる。
「口ごたえしてんじゃーよ、デブ。俺が来いっつったらすぐ来るんだよ、わかったか?」
「は、はい…」
腹の痛みに苦しみながら手に持ったラノベを机に戻そうとする。
「おい、ちょっと待てよ、そいつを見せてみろ。」
そう言って不良は僕からラノベを奪い、中身を開いた。
「うっわ、お前こんなん読んでんのかよ、きっめぇww」
「かっ、返してよ!」
本を奪い返そうとするがいじめッ子はそれを掻い潜りクラスの真ん中へと向かって行く。
「おーいみんな、こいつこんなもん読んでんだぜーw」そう大きな声で言ってラノベによくある裸ギリギリの女の子の挿絵があるページを周りに見せるようにして開いた。
「うわ、何あれ、気持ち悪い…」
「やっぱあいつってそう言うやつだったんだな…」
「ないわー…」
(かわいい…)
周りからの目線が僕にささる。今すぐここから逃げ出したい気持ちで一杯になる。どうしようもなくなった僕に不良が近づいて来る。
「なあ、お前もこんなところに居づらいだろ?一緒に屋上でも行って気晴らしでもしようぜ」
不良が笑顔で言う。ただしその笑顔には気遣う気持ちなんて微塵も入ってない。僕はそのまま不良に連れられて屋上に向かう。教室を出るときにちらりと見えた地面に捨てられた本が処分されたりしないかが心配になった。
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屋上は誰もおらず僕と不良だけがいる。屋上は基本立ち入り禁止で真面目な一般生徒は入ってこない。
「なあ、幸樹ヨォ、俺昨日さあ、ゲーセンですげえ楽しいもん見つけたんだよ。パンチングマシンっつってな?それでそれをまたやりてーんだけど」
ニヤニヤと笑いながら言う。嫌な笑顔だ。こいつが何か悪巧みしているときはいつもこの顔をする。
「じ、じゃあ僕がそのゲームのお金を出せばいいのかなっ?」
少しでも穏便に済ませたいと思い財布を用意しようとするが不良はそれを止める。
「いやいや、金を出す必要なんてねーよ。」
そう言うに続けて不良は悪魔のような笑顔でこう言った。
「俺さあ、思ったんだよ。パンチングマシンであれだけ楽しかったんならお前を殴ったらもっと楽しいんじゃないかってなっ!」
「えっ…」
ドッ 「っ!」
言ったと同時に不良の拳が腹に突き刺さる。さっき殴られたこともあって口から昼食を戻しそうになる。
「ははっ、お前の腹やっぱ殴りやすいわ」
表沙汰にならないように顔などは敢えて殴らずに胴体ばかりを殴ってくる。心では殴り返してやりたいと思っている。だけど体が動かない。今までやられてきた体が恐怖心に縛られている。立っているのも辛くなりフラフラとフェンスに寄りかかる。
(こんなに辛いんだったら死んだ方がマシなんじゃないかな…)
そんなことを考えていると不良が拳を固めて近づいてくる。
「おいおい、俺はまだ全然満足してねえぞ?」
ゴッ!ガシャン!「あ……」
殴られたと同時に寄りかかっていたフェンスが倒れて体が宙に放り出される。世界がとてもゆっくりに見えた。不良は目を見開いて間が抜けたように口を開けている。そのまま僕は屋上から地面へと向かって落ちていく。途中で窓を眺めていた女生徒と目があった。僕がその窓を過ぎ去る直前に彼女は状況を理解して驚き始めたようだが、それがとても滑稽に思えて自嘲気味に笑った。
グシャ
最後にそんな音を聞いた気がした。
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