締め切りATM

締め切りATM

　今学生の間で流行っているものがある。それは「締め切りATM」だ。

ATMと名を売ってはいるが、見た目はシンプルな家庭用ATM型貯金箱だ。

この貯金箱は独自のコイン(締め切りコイン)をためたり引き出したりするものだ。

で、この締め切りコイン、使うと1コインあたり1日分、自分だけ締め切り日を遅らせることができる。

使い方はいたってシンプル。

コインを課題を出す先生に見せることで締め切りを遅らせることができる。

なお課題を出す先生も、そして周りの生徒も、コインを使った人の締め切りが遅くなることについてなんら不思議には思わないので、安心して使える。
　
　この締め切りコインを手に入れるには二つの方法がある。

一つ目は事前に適当な課題を締め切り日より早く提出することだ。

そうすることで締め切りATMの口座に自動的にコインが振り込まれる。

この振り込まれるコインは締め切り日より提出が早ければ早いほど多くなり、1日早ければ、1コイン、2日早ければ2コインもらえる。
　
　コインを獲得する方法、二つ目はATMで締め切りコインを前借りすることである。

どうしても締め切りに間に合わず、コインがない場合、これは便利だろう。

だがこの前借りの場合、次の課題の締め切り日がコインを借りた分だけ前倒しとなってしまう。注意してほしいのが、前倒しになるのは次の課題だということ。

自分では前倒しする課題を選べないのだ。なので、次の課題が例え明日締め切りだったとしても、もう当日締め切りになってしまう。

もっと悲惨なのが、何コインも借りたせいで、次の課題もその次の課題も当日締め切りとなってしまうということだ。

このため課題が全然間に合わず、先生に怒られ、単位を失いあげく、留年する人もいるそうだ。くれぐれもご利用はご計画的に。