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この雨が嬉しい
しおりを挟む今日も彼に朝のコーヒーを入れる。
二人でソファに座って手を繋いでみたり、肩にもたれたり、抱きしめあったりしてくっついていると段々と眠くなってくる。
彼はこの後、会社のみんなと草野球の練習があるらしい。
このまま、もう少しだけこうして一緒にいられたらなぁ、、。
サァァァァ、、、、、、
外から雨音が聴こえ始める。
次第にバラバラと大きな粒の落ちる音になっていく。
ザァーーーーーー、、、、!
激しい雨音の後に彼の携帯電話が鳴った。
「野球、中止になったっ」
彼が笑いながら部屋に戻ってくる。
私も笑い返す。
この雨が私の小さな願いを叶えてくれた。
メールを返している彼の背中をぎゅっとすると、彼が携帯を持ったまま脇から右手で頭を撫で撫でする。
あともう少し一緒に、激しい雨音を聴いていられる。
窓を雨が激しくつたって火照った夏を濡らしていく。
束の間の雨の激しさが二人を次第に包んでいった。
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