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紫の日々

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黒い建物の奥に見える人影

それは天使か悪魔か何者か


タクシーを降りると

そこに佇む人影を無視して

部屋に入る

その心臓は

何処かへおいてきたのか

その心臓は

今は動いていないのか

どうしてそこに あるのか

変わらないこと

変わっていくこと

バスを待っていたり

電車を見送ったり

毎日毎日と

そのまま受け入れている

追いかけることもなく

ただ人とすれ違う

それでいいんだ

それでいいんだと 

言い聞かせてみるけれど

ホントにそれで

いいのかと

自分に問いかけてみる
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