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天下五剣と剣豪将軍
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戦勝祈願も済ました事だし、今度こそ尼子経久をあの世に送り返し銀山を手に入れてやる。
「ついに、雌雄を決するときが来たのだ!」
「はい! オスかメスかと言えば、私はメスですね」
「いや、そう意味じゃなくて……」
もしかすると本当はそういう意味なのか!
カマキリやクモの一世一代の大勝負に出たオスは、メスに食われてしまう。
我が嫁の千姫も、まさにカマキリの如し、だった……。
まさか、こいつ、俺たちを喰う気なのか!
「こほん、今回は神頼みだけじゃなく、ちゃんと策も考えてあるのだ」
「謀ですね! 謀聖に謀で対抗するとは、流石です秀頼様!」
「ふっふっふ……」
「何か、企んでるっぽい笑いだけで、詳細は考えていなかったとかですか!」
「ちゃんと考えておるわ! 尼子家は勢力を急激に広げたために、周囲の大名と争いが絶えないらしい」
「京都の北から西の方まで、ずいぶん広い範囲ですね」
「そこで! 丁度、厳島神社に居た、大内義隆に尼子家の本拠月山富田城を攻めさせる。そして、城が包囲されている隙に、反対側から銀山を攻め取る!」
「おー、本当に兵法っぽい策です! まさに、漁夫の利を得る火事場泥棒のようですね!」
「いざ、銀山に突撃だー!」
「おー!」
しめしめ、やはり本拠の城を攻められているだけあって、銀山は手薄!
天下人の策に、失敗はないのだ。
「今のうちに銀を掘り出すんだ!」
「はっ! 秀頼様。銀が掘れました」
「また、石ころではないか! だからー、石を掘ってどうするんだ」
何度も何度も、石ばかり集めやがって、そんなに石が好きなのか?
農民は、石でも食うのか?
ほれ、食ってみろ、どうだ食えるのか?
「秀頼様、大変です!」
「ああ、今こいつに石を食わすので手いっぱいだ」
「秀頼様、大内義隆が討たれました!」
「なんだとー!」
「小雨が降って来たので、雨宿りしている所を襲撃されたようです」
やっぱ、大内とか五家老にも五奉行にもいないマイナーな大名じゃダメだったか。しかし、尼子経久は倒せなくても、銀山は占拠できたし、良しとするか。
「大変です! 敵が攻めてきました!」
「尼子経久か? 直ぐに迎え撃つ準備をしろ!」
まさか、あの死にぞこないの爺がこれほど早く攻めて来るとは、あの世から這い出てきたゾンビだけあって侮れん。だが、ゾンビならば攻めてくる前に柵を作れば、何とかなる!
しかし、秀頼の予想を裏切り、縦横無尽に刀を振るい兵を切り伏せて物凄い速さで駆け上がってくる一人の武者の姿があった。
「何という刀の切れ味、何という使い手、あやつ何者だ!」
「あれは、室町幕府の将軍・足利義輝様です」
「剣豪将軍・足利義輝だと? あいつもあの世から戻って来たのか!」
「小僧、幕府の許可なく銀山を占拠したばかりか、将軍に対してその言い草、天下五剣の一つ童子切安綱で、引導を渡してくれよう」
獲物の血を求めるような義輝の刀に、大地が打ち震える!
「酒呑童子を斬ったと言われる童子切か! 禍々しいばかりの業物の貫禄、安綱の名にふさわしい……。しかし! 名刀なら負けてはおらん!」
秀頼の抜きはなった刀は、神々しいまでの霊気を発し、天を切り裂く光を放つ!
「昼日中だというのに冷気さえ感じる、そそり立つ氷柱の冴え! 水の滴るような美しき輝き! まさしく! 三日月宗近! これほどの名刀を持つとは、こやつただ者ではない……だが、」
「幅広く短い刀身、独特な体配は、大典太光世! それならば、鬼丸国綱でどうだ!」
「ぐはーっ! まさか、これほどの名刀使いが居たとは……。だが、私には塚原卜伝に伝授された奥義・一之太刀がある!」
「石灯篭を真っ二つにした、剣聖・塚原卜伝の奥義か……、だか、それを使えるのは貴様だけだと思うなよ……」
「何だと! まさか、貴様も……」
それは、究極の実践剣術、数百にも及ぶ決闘で一度も傷を負わなかった、剣聖・塚原卜伝の奥義。
相手を一刀のもとに切り倒す一之太刀は、石灯篭を真っ二つにするほどの威力。
だが、俺は知っている……。
石灯篭とは、本来積んであるだけだという事を!
押し倒せば、真っ二つになるのだ!
「見たか! これぞ、奥義・一之太刀よ!」
「貴様……、貴様…………」
どうだ、恐れ入ったか?
泣くか? 肩を震わせて泣くか?
剣豪将軍など、もう流行らんのだよ。
時代錯誤の室町幕府など、天下人の剣の前にひれ伏すがよい。
「わが師、塚原卜伝を愚弄するかー!」
負けを認めるどころか、逆切れしやがった!
何というあきらめの悪さ!
あきらめの悪さだけは、将軍クラスか!
こうなったら……。
「石を投げろ! 石を投げて、撤退だ!」
「まさか、足利義輝まで出て来るとは……」
「ご無事ですか? 秀頼様」
「うむ。……千絵その荷物はなんだ?」
「近くの小屋に、製錬された銀がありましたので持ってきました」
「よくやった! 千絵!」
「ついに、雌雄を決するときが来たのだ!」
「はい! オスかメスかと言えば、私はメスですね」
「いや、そう意味じゃなくて……」
もしかすると本当はそういう意味なのか!
カマキリやクモの一世一代の大勝負に出たオスは、メスに食われてしまう。
我が嫁の千姫も、まさにカマキリの如し、だった……。
まさか、こいつ、俺たちを喰う気なのか!
「こほん、今回は神頼みだけじゃなく、ちゃんと策も考えてあるのだ」
「謀ですね! 謀聖に謀で対抗するとは、流石です秀頼様!」
「ふっふっふ……」
「何か、企んでるっぽい笑いだけで、詳細は考えていなかったとかですか!」
「ちゃんと考えておるわ! 尼子家は勢力を急激に広げたために、周囲の大名と争いが絶えないらしい」
「京都の北から西の方まで、ずいぶん広い範囲ですね」
「そこで! 丁度、厳島神社に居た、大内義隆に尼子家の本拠月山富田城を攻めさせる。そして、城が包囲されている隙に、反対側から銀山を攻め取る!」
「おー、本当に兵法っぽい策です! まさに、漁夫の利を得る火事場泥棒のようですね!」
「いざ、銀山に突撃だー!」
「おー!」
しめしめ、やはり本拠の城を攻められているだけあって、銀山は手薄!
天下人の策に、失敗はないのだ。
「今のうちに銀を掘り出すんだ!」
「はっ! 秀頼様。銀が掘れました」
「また、石ころではないか! だからー、石を掘ってどうするんだ」
何度も何度も、石ばかり集めやがって、そんなに石が好きなのか?
農民は、石でも食うのか?
ほれ、食ってみろ、どうだ食えるのか?
「秀頼様、大変です!」
「ああ、今こいつに石を食わすので手いっぱいだ」
「秀頼様、大内義隆が討たれました!」
「なんだとー!」
「小雨が降って来たので、雨宿りしている所を襲撃されたようです」
やっぱ、大内とか五家老にも五奉行にもいないマイナーな大名じゃダメだったか。しかし、尼子経久は倒せなくても、銀山は占拠できたし、良しとするか。
「大変です! 敵が攻めてきました!」
「尼子経久か? 直ぐに迎え撃つ準備をしろ!」
まさか、あの死にぞこないの爺がこれほど早く攻めて来るとは、あの世から這い出てきたゾンビだけあって侮れん。だが、ゾンビならば攻めてくる前に柵を作れば、何とかなる!
しかし、秀頼の予想を裏切り、縦横無尽に刀を振るい兵を切り伏せて物凄い速さで駆け上がってくる一人の武者の姿があった。
「何という刀の切れ味、何という使い手、あやつ何者だ!」
「あれは、室町幕府の将軍・足利義輝様です」
「剣豪将軍・足利義輝だと? あいつもあの世から戻って来たのか!」
「小僧、幕府の許可なく銀山を占拠したばかりか、将軍に対してその言い草、天下五剣の一つ童子切安綱で、引導を渡してくれよう」
獲物の血を求めるような義輝の刀に、大地が打ち震える!
「酒呑童子を斬ったと言われる童子切か! 禍々しいばかりの業物の貫禄、安綱の名にふさわしい……。しかし! 名刀なら負けてはおらん!」
秀頼の抜きはなった刀は、神々しいまでの霊気を発し、天を切り裂く光を放つ!
「昼日中だというのに冷気さえ感じる、そそり立つ氷柱の冴え! 水の滴るような美しき輝き! まさしく! 三日月宗近! これほどの名刀を持つとは、こやつただ者ではない……だが、」
「幅広く短い刀身、独特な体配は、大典太光世! それならば、鬼丸国綱でどうだ!」
「ぐはーっ! まさか、これほどの名刀使いが居たとは……。だが、私には塚原卜伝に伝授された奥義・一之太刀がある!」
「石灯篭を真っ二つにした、剣聖・塚原卜伝の奥義か……、だか、それを使えるのは貴様だけだと思うなよ……」
「何だと! まさか、貴様も……」
それは、究極の実践剣術、数百にも及ぶ決闘で一度も傷を負わなかった、剣聖・塚原卜伝の奥義。
相手を一刀のもとに切り倒す一之太刀は、石灯篭を真っ二つにするほどの威力。
だが、俺は知っている……。
石灯篭とは、本来積んであるだけだという事を!
押し倒せば、真っ二つになるのだ!
「見たか! これぞ、奥義・一之太刀よ!」
「貴様……、貴様…………」
どうだ、恐れ入ったか?
泣くか? 肩を震わせて泣くか?
剣豪将軍など、もう流行らんのだよ。
時代錯誤の室町幕府など、天下人の剣の前にひれ伏すがよい。
「わが師、塚原卜伝を愚弄するかー!」
負けを認めるどころか、逆切れしやがった!
何というあきらめの悪さ!
あきらめの悪さだけは、将軍クラスか!
こうなったら……。
「石を投げろ! 石を投げて、撤退だ!」
「まさか、足利義輝まで出て来るとは……」
「ご無事ですか? 秀頼様」
「うむ。……千絵その荷物はなんだ?」
「近くの小屋に、製錬された銀がありましたので持ってきました」
「よくやった! 千絵!」
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