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天下統一への進軍
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裏切者の松永久秀を降伏させた後は、攻めてくる軍勢を迎え撃つだけだ。
しかし、天下人であるこの俺には戦国大名の盛衰など手に取るように見えている、もはや万全の態勢で迎え撃つ必要さえない!
北から京へは真直ぐ進んだとしてもかなりの距離があるのに、途中には武田・上杉の戦国最強の軍勢が城を構えている。無傷で通り抜けられはしまい。
「安東や北条などの辺境の大名など、天下人の敵ではないのだよ!」
もちろん、ただ他の勢力だけを当てにしている訳ではない。奴らが武田と上杉の戦場を通り抜けようとすれば、背後から小田氏治が襲い掛かる手はずも整えている。何の理由もなく小田城や帰らせた訳ではなかったのだ!
「全ての戦国大名は、天下人の手のひらの上で踊っているのだ! ふわっはっは!」
「秀頼様~、高笑いしている場合じゃないですよ~。安東愛季様が攻めてきましたよ~」
「そんな馬鹿な! 武田と上杉は、何をしていたんだ?」
「両軍とも川中島に出かけてて留守だったそうですよ~」
川中島……、それはどこの島だ?
南の島か! 南の島にバケーション中か! あいつら仲良かったのか?
上杉家というと、確か父上から聞いた話では……。
手取川にて戦った上杉謙信は織田家最強の柴田勝家の軍でも苦戦するほどであったが、両軍とも一歩も引かない戦いは決め手を欠き、どちらかの気力がついえる迄の消耗戦となっていた。
「勝家様、上杉家の勢い増すばかり、このままでは……」
「堪えろ、あと少し堪えれば……」
「後方から蹄の音が! これは、まさか……」
「おお、信長様からの援軍が!」
「ウキー!」
そこに現れた秀吉の軍勢が柴田勝家に襲い掛かり、一気に勝敗を決したのだった。
「わしの野生の本能が抑えきれなかったのじゃ……」
そう言った父上の悲しそうな眼は、柴田勝家の頭にバナナが生えていると今でも信じていると言わんばかりの光が宿っていた。
……うむ、これは上杉謙信が出てこない話だったか。
他には確か、武田信玄の配下から聞いた話があったぞ……。
「真田信繁っす。戦国大名と言えばやっぱ、武田信玄っすね。めっちゃ強いっすよ、俺も真似して、鎧赤くしてみたんっすよ。ちょー強そうでしょ? いや、俺もあんま知らないんっすけどね、うちの爺さんが、信玄めっちゃ強かったって、言ってたんすよ。それも直接聞いたこと無いんっすけどね、うちの親父、九度山に隠居してて暇だったから毎日その話聞かされてて、親父も爺さんから聞いただけの話で、おかしいとこけっこうあったりして深く考えると、マジ禿げるかと思いましたっすよ」
信繁、元気でやってるかな。最後に見た時は、家康の首取って来るって出かけた時だっけか、あの後、死んだっけ? 早い所、天下を統一して、信繁が禿げずに済む世の中をつくらないとな。
よく考えると武田信玄も上杉謙信も大した事は無いな。小競り合いを繰り返して天下争いに一度も関わっていないし、肝心な時に役に立たないのも仕方あるまい。
「それならば、小田氏治に背後を突かせるだけだ!」
「小田城が陥落して、小田氏治様とは連絡が取れませんよ~」
「また落ちたのか! あの城、本当に役に立っているのか?」
「分かりません、本当に城があるのでしょうか?」
「やはり頼れるのはおのれの力のみだ! こちらから打って出るぞ!」
「はい、既に蒲生氏郷様が韮山城へ進軍を開始しております」
「数々の名城を落としたこの俺をニラごときで止められると思うなよ!」
だが韮山城は豊臣秀吉の小田原征伐の時も十倍の兵の攻撃を四か月もしのぎ切り、交渉で開場するまで武力での落城を耐えきった堅固な城であった。
「秀頼様大変です、氏郷様の兜が……爆発しました!」
「なんだと! なぜ兜が爆発する? あれか、松永が寄こした茶釜か! まさかそんな仕掛けが成されていようとは……。だが、ここで退く訳には行かない!」
度重なる秀頼の攻撃もニラを食べてハイになった兵士たちが朝五時から守る堅固な城に阻まれ、おびただしい被害を出した。まさに、恐るべきはニラ! ニラを食べた兵士はレバーも食べたくなるという底知れぬ食欲が彼らを突き動かし、戦い続ける狂戦士へと変えていたのだった!
「まさか、ここまで戦えるとは……」
「秀頼様、これ以上は……」
「仕方あるまい、退くぞ……。氏郷が生きておれば……」
北条早雲の韮山城に阻まれた秀頼は、失意と共に京へと戻らねばならなかった。
しかし、天下人であるこの俺には戦国大名の盛衰など手に取るように見えている、もはや万全の態勢で迎え撃つ必要さえない!
北から京へは真直ぐ進んだとしてもかなりの距離があるのに、途中には武田・上杉の戦国最強の軍勢が城を構えている。無傷で通り抜けられはしまい。
「安東や北条などの辺境の大名など、天下人の敵ではないのだよ!」
もちろん、ただ他の勢力だけを当てにしている訳ではない。奴らが武田と上杉の戦場を通り抜けようとすれば、背後から小田氏治が襲い掛かる手はずも整えている。何の理由もなく小田城や帰らせた訳ではなかったのだ!
「全ての戦国大名は、天下人の手のひらの上で踊っているのだ! ふわっはっは!」
「秀頼様~、高笑いしている場合じゃないですよ~。安東愛季様が攻めてきましたよ~」
「そんな馬鹿な! 武田と上杉は、何をしていたんだ?」
「両軍とも川中島に出かけてて留守だったそうですよ~」
川中島……、それはどこの島だ?
南の島か! 南の島にバケーション中か! あいつら仲良かったのか?
上杉家というと、確か父上から聞いた話では……。
手取川にて戦った上杉謙信は織田家最強の柴田勝家の軍でも苦戦するほどであったが、両軍とも一歩も引かない戦いは決め手を欠き、どちらかの気力がついえる迄の消耗戦となっていた。
「勝家様、上杉家の勢い増すばかり、このままでは……」
「堪えろ、あと少し堪えれば……」
「後方から蹄の音が! これは、まさか……」
「おお、信長様からの援軍が!」
「ウキー!」
そこに現れた秀吉の軍勢が柴田勝家に襲い掛かり、一気に勝敗を決したのだった。
「わしの野生の本能が抑えきれなかったのじゃ……」
そう言った父上の悲しそうな眼は、柴田勝家の頭にバナナが生えていると今でも信じていると言わんばかりの光が宿っていた。
……うむ、これは上杉謙信が出てこない話だったか。
他には確か、武田信玄の配下から聞いた話があったぞ……。
「真田信繁っす。戦国大名と言えばやっぱ、武田信玄っすね。めっちゃ強いっすよ、俺も真似して、鎧赤くしてみたんっすよ。ちょー強そうでしょ? いや、俺もあんま知らないんっすけどね、うちの爺さんが、信玄めっちゃ強かったって、言ってたんすよ。それも直接聞いたこと無いんっすけどね、うちの親父、九度山に隠居してて暇だったから毎日その話聞かされてて、親父も爺さんから聞いただけの話で、おかしいとこけっこうあったりして深く考えると、マジ禿げるかと思いましたっすよ」
信繁、元気でやってるかな。最後に見た時は、家康の首取って来るって出かけた時だっけか、あの後、死んだっけ? 早い所、天下を統一して、信繁が禿げずに済む世の中をつくらないとな。
よく考えると武田信玄も上杉謙信も大した事は無いな。小競り合いを繰り返して天下争いに一度も関わっていないし、肝心な時に役に立たないのも仕方あるまい。
「それならば、小田氏治に背後を突かせるだけだ!」
「小田城が陥落して、小田氏治様とは連絡が取れませんよ~」
「また落ちたのか! あの城、本当に役に立っているのか?」
「分かりません、本当に城があるのでしょうか?」
「やはり頼れるのはおのれの力のみだ! こちらから打って出るぞ!」
「はい、既に蒲生氏郷様が韮山城へ進軍を開始しております」
「数々の名城を落としたこの俺をニラごときで止められると思うなよ!」
だが韮山城は豊臣秀吉の小田原征伐の時も十倍の兵の攻撃を四か月もしのぎ切り、交渉で開場するまで武力での落城を耐えきった堅固な城であった。
「秀頼様大変です、氏郷様の兜が……爆発しました!」
「なんだと! なぜ兜が爆発する? あれか、松永が寄こした茶釜か! まさかそんな仕掛けが成されていようとは……。だが、ここで退く訳には行かない!」
度重なる秀頼の攻撃もニラを食べてハイになった兵士たちが朝五時から守る堅固な城に阻まれ、おびただしい被害を出した。まさに、恐るべきはニラ! ニラを食べた兵士はレバーも食べたくなるという底知れぬ食欲が彼らを突き動かし、戦い続ける狂戦士へと変えていたのだった!
「まさか、ここまで戦えるとは……」
「秀頼様、これ以上は……」
「仕方あるまい、退くぞ……。氏郷が生きておれば……」
北条早雲の韮山城に阻まれた秀頼は、失意と共に京へと戻らねばならなかった。
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