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公爵様との初デート3
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そこには露店やアクセサリーショップなど多くの店が建ち並んでいた。
老若男女問わず多くの人が買い物をしており活気付いている。
「さて、まずはどこへ行こうか?」
キラキラと目を輝かせながらその光景を見ていたジュリエットに向かい、優しく聞く。
「どうしましょう、色々なお店があって迷いますわ。1日で回りきれるかしら?」
「そんなに遠くないのだから、回りきれなかったらまた2人で来よう。」
未だにどこから行くか迷うジュリエットにウィリアムは
「アーノルドに聞いたんだが、最近出来たアクセサリーショップがあるらしいから行ってみようか。」
そう言い彼女が頷くのを確認すると歩き出す。
「やはり、王都から近いだけに賑わっていますわね。」
「ああ、騎士団の者たちも治安維持のために頑張ってくれているからな。」
会話しながら賑わう大通りを進んで行く。
そして一軒の建物の前に着くと「ここだ。」と言って足を止める。
mignonと書かれたお店は二階建てで、扉や窓などが丸みを帯びたデザインになっており可愛らしい雰囲気だ。
新しいだけになかなか繁盛しているようで、窓から複数の女性の姿が見える。
流石にアクセサリーショップだけあって、男性の客はいないようだ。
「ウィリアム様、アクセサリーショップですし女性ばかりですので気まずいようでしたらどこかで待っていますか?」
女性ばかりの中に入って行くのは勇気がいるだろうと思い、気を使いそう聞く。
「いや、私のことは気にするな。入ろうか。」
そう言ってお店の扉を開ける。
「中へどうぞ、お嬢様?」
悪戯っぽく笑って中へ促すウィリアムに、
「あら、ありがとうございます。」
とこちらもお茶目に笑って店内へ足を踏み入れる。
店内は木を使っているせいか暖かい雰囲気でお店の1番奥にレジが置かれており、レジ打ちをしている女性がいる以外に店員は見当たらない。
ネックレスやブレスレット、バレッタなど種類によって陳列場所が分けられており手前にはモチーフが同じアクセサリーがまとめて陳列されている。
早速、ジュリエットは入って左手側のバレッタなどのヘアアクセサリーのコーナーから見ていく。
どれも手作りのようで1つ1つ、違いがある。
夢中になって見て行くとあっという間に1番端のブレスレットのコーナーに来てしまった。
ジュリエットのことを黙って後ろから見ていたウィリアムは不意に「たのしそうだな。」と声をかけてきた。
「すみません、つまらないですよね。」
見るのに夢中になってウィリアムを放置していたことに気づいたジュリエットはシュンとする。
そんな彼女に「気にするな。」と言い続けて
「ただやはりジュリエットも女性なんだと思ってな。あまりアクセサリーの類には興味がないと思っていたが、凄い楽しそうに見ているからこちらも飽きないぞ。」
「私だって人並みに可愛いものは好きですのよ?普段はアンナの押しに押され気味ですけど。」
苦笑いしつつ返すと、ウィリアムがふいにジュリエットの横に立ち陳列されているブレスレットを見る。
「これとかはどうだ?華奢なジュリエットには似合うと思うんだが。」
そう言ってジュリエットに見せてきたのは葉や花がモチーフになったバンクルブレスだった。
「可愛いですわ!シンプルだけど存在感があってワンポイントになりますわね。」
「ジュリエットによく似合うんではないかと思っていたんだ。」
ウィリアムはそう言うとブレスレットを持ってレジへ向かおうとする。
それを慌ててジュリエットが止める。
「ウィリアム様、買っていただくわけにはいきませんわ。今日はウインドウショッピングのつもりでしたし。」
「その控えめで物欲が少ないところも愛らしいが今日は初めて2人で出かけるのだし、折角君に似合うものを見つけたんだからプレゼントさせてくれ。」
遠慮するジュリエットにそう言うと、彼女は少し照れ気味にありがとうございますと礼を言う。
「気にするな、私が買いたくて買うのだから。出来れば使ってもらえれば本望だ。」
真顔でそう言うと、再びレジへ向かう。
相変わらず少し混んでおり、レジにも2人ほど並んでいる。
その最後尾に2人で並ぶ。
「勿論使いますわ、むしろ今からつけて行こうかしら。」
「ありがとう、使ってくれるのなら嬉しい。」
少し2人で雑談しているとあっという間に順番が来た。
「お待たせ致しました、こちらは今からつけて行かれますか?」
そうこちらに聞いてくる店員にジュリエットが「はい、お願いします!」と答える。
「かしこまりました。」と返した店員の女性はブレスレットに付いている値札を外して買い上げ金額を読み上げる。
ウィリアムがお金を出すと、ジュリエットにブレスレットを差し出してきたので礼を言って受け取るとレシートをウィリアムに渡した。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ。」
笑顔で言う店員にジュリエットも笑顔を見せて「また来ますわ」と答えて店を出る。
その間相変わらずウィリアムは無表情だったが、しっかりジュリエットの手は繋いでいた。
店を出るとジュリエットは早速プレゼントされたブレスレットを腕につける。
「どうですか?似合ってますか?」
そう問いかける彼女に「勿論、とても似合っている。」と返すと礼を言ってきた。
「気にするな、これからも使ってくれ。それより次はどこへ行く?」
ジュリエットはそれに少し悩んだ素振りを見せてから
「とりあえず露店とか通りかかって気になるお店があったら立ち寄りましょう。」
と返す。
「そうだな。」と答えたウィリアムと腕を組み再び大通りを2人で見て回る。
老若男女問わず多くの人が買い物をしており活気付いている。
「さて、まずはどこへ行こうか?」
キラキラと目を輝かせながらその光景を見ていたジュリエットに向かい、優しく聞く。
「どうしましょう、色々なお店があって迷いますわ。1日で回りきれるかしら?」
「そんなに遠くないのだから、回りきれなかったらまた2人で来よう。」
未だにどこから行くか迷うジュリエットにウィリアムは
「アーノルドに聞いたんだが、最近出来たアクセサリーショップがあるらしいから行ってみようか。」
そう言い彼女が頷くのを確認すると歩き出す。
「やはり、王都から近いだけに賑わっていますわね。」
「ああ、騎士団の者たちも治安維持のために頑張ってくれているからな。」
会話しながら賑わう大通りを進んで行く。
そして一軒の建物の前に着くと「ここだ。」と言って足を止める。
mignonと書かれたお店は二階建てで、扉や窓などが丸みを帯びたデザインになっており可愛らしい雰囲気だ。
新しいだけになかなか繁盛しているようで、窓から複数の女性の姿が見える。
流石にアクセサリーショップだけあって、男性の客はいないようだ。
「ウィリアム様、アクセサリーショップですし女性ばかりですので気まずいようでしたらどこかで待っていますか?」
女性ばかりの中に入って行くのは勇気がいるだろうと思い、気を使いそう聞く。
「いや、私のことは気にするな。入ろうか。」
そう言ってお店の扉を開ける。
「中へどうぞ、お嬢様?」
悪戯っぽく笑って中へ促すウィリアムに、
「あら、ありがとうございます。」
とこちらもお茶目に笑って店内へ足を踏み入れる。
店内は木を使っているせいか暖かい雰囲気でお店の1番奥にレジが置かれており、レジ打ちをしている女性がいる以外に店員は見当たらない。
ネックレスやブレスレット、バレッタなど種類によって陳列場所が分けられており手前にはモチーフが同じアクセサリーがまとめて陳列されている。
早速、ジュリエットは入って左手側のバレッタなどのヘアアクセサリーのコーナーから見ていく。
どれも手作りのようで1つ1つ、違いがある。
夢中になって見て行くとあっという間に1番端のブレスレットのコーナーに来てしまった。
ジュリエットのことを黙って後ろから見ていたウィリアムは不意に「たのしそうだな。」と声をかけてきた。
「すみません、つまらないですよね。」
見るのに夢中になってウィリアムを放置していたことに気づいたジュリエットはシュンとする。
そんな彼女に「気にするな。」と言い続けて
「ただやはりジュリエットも女性なんだと思ってな。あまりアクセサリーの類には興味がないと思っていたが、凄い楽しそうに見ているからこちらも飽きないぞ。」
「私だって人並みに可愛いものは好きですのよ?普段はアンナの押しに押され気味ですけど。」
苦笑いしつつ返すと、ウィリアムがふいにジュリエットの横に立ち陳列されているブレスレットを見る。
「これとかはどうだ?華奢なジュリエットには似合うと思うんだが。」
そう言ってジュリエットに見せてきたのは葉や花がモチーフになったバンクルブレスだった。
「可愛いですわ!シンプルだけど存在感があってワンポイントになりますわね。」
「ジュリエットによく似合うんではないかと思っていたんだ。」
ウィリアムはそう言うとブレスレットを持ってレジへ向かおうとする。
それを慌ててジュリエットが止める。
「ウィリアム様、買っていただくわけにはいきませんわ。今日はウインドウショッピングのつもりでしたし。」
「その控えめで物欲が少ないところも愛らしいが今日は初めて2人で出かけるのだし、折角君に似合うものを見つけたんだからプレゼントさせてくれ。」
遠慮するジュリエットにそう言うと、彼女は少し照れ気味にありがとうございますと礼を言う。
「気にするな、私が買いたくて買うのだから。出来れば使ってもらえれば本望だ。」
真顔でそう言うと、再びレジへ向かう。
相変わらず少し混んでおり、レジにも2人ほど並んでいる。
その最後尾に2人で並ぶ。
「勿論使いますわ、むしろ今からつけて行こうかしら。」
「ありがとう、使ってくれるのなら嬉しい。」
少し2人で雑談しているとあっという間に順番が来た。
「お待たせ致しました、こちらは今からつけて行かれますか?」
そうこちらに聞いてくる店員にジュリエットが「はい、お願いします!」と答える。
「かしこまりました。」と返した店員の女性はブレスレットに付いている値札を外して買い上げ金額を読み上げる。
ウィリアムがお金を出すと、ジュリエットにブレスレットを差し出してきたので礼を言って受け取るとレシートをウィリアムに渡した。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ。」
笑顔で言う店員にジュリエットも笑顔を見せて「また来ますわ」と答えて店を出る。
その間相変わらずウィリアムは無表情だったが、しっかりジュリエットの手は繋いでいた。
店を出るとジュリエットは早速プレゼントされたブレスレットを腕につける。
「どうですか?似合ってますか?」
そう問いかける彼女に「勿論、とても似合っている。」と返すと礼を言ってきた。
「気にするな、これからも使ってくれ。それより次はどこへ行く?」
ジュリエットはそれに少し悩んだ素振りを見せてから
「とりあえず露店とか通りかかって気になるお店があったら立ち寄りましょう。」
と返す。
「そうだな。」と答えたウィリアムと腕を組み再び大通りを2人で見て回る。
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