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転移石の力によって、アシュレイとクライヴ、そしてリッキーは酒場に着いた。
店内は多くの人で埋め尽くされていた。
「リッキー! 無事でよかった!」
「心配かけやがって!」
リッキーは苦笑いを浮かべ、その場にへたり込んだ。
「ははっ。もう限界です……」
ヒーラーがやって来て、リッキーの傷を癒した。リッキーの顔色がよくなっていく。
クライヴの舎弟たちは酒を注文すると、ジョッキを高く掲げた。
「われらがクライヴさんに乾杯!」
「俺だけじゃねぇよ。アシュレイも協力してくれた」
「氷撃のアシュレイが?」
「心まで氷でできてるって噂の御仁なのに」
「アシュレイは確かに単独行動が多いが、決して冷たい奴じゃない。誰よりも優しい男だ」
面と向かって褒められたので、アシュレイは照れてしまった。クライヴの顔をまともに見ることができない。
うつむいたアシュレイの肩に、クライヴが手を回した。
「今夜は一緒に飲もう、アシュレイ」
「……一杯だけだぞ」
「よっしゃ! おーい! 酒を持ってきてくれ」
乾杯をしたあと、アシュレイはジョッキに口をつけた。りんご酒の爽やかな酸味が舌の上で弾ける。酒とはこんなに美味しいものだったのか? アシュレイは自分の感覚が信じられなくなった。
クライヴがそばにいる。
ただそれだけで心が感じやすくなり、鼓動が乱れる。こんな気持ちになったのは初めてだ。
「どうした、アシュレイ。りんご酒は嫌いか?」
「いや……。なんだか胸がいっぱいで」
「そうか。リッキーを救出できたからな! 感動もひとしおだよな」
クライヴは舎弟たちと歌い始めた。ところどころ音程を外しても気にせず、楽しそうに口ずさんでいる姿がクライヴらしいと思った。アシュレイの口元が自然と緩む。
治癒が完了したリッキーが、アシュレイのもとにやって来た。
「アシュレイさん。今日は俺のために尽力していただき、本当にありがとうございます」
「気にするな。俺も駆け出しの頃は先輩に助けられたものだ」
アシュレイが微笑むと、リッキーが目を丸くした。
「氷撃のアシュレイは誰とも馴れ合わないって聞いてたけど……アシュレイさん、めちゃめちゃ優しいですね」
クライヴが嬉しそうな表情で会話に加わってきた。
「そうだろう、リッキー! アシュレイは優しいんだ。俺がビギナーだった頃、落とし穴にはまっているところを助けてくれた」
「そういえば、そんなことがあったな」
「あの日から俺は……アシュレイのことが……」
どくんと鼓動が跳ねた。
クライヴの言葉の続きを知りたいのに、怖くてたまらない。もしもクライヴがアシュレイに対して抱いているのがただの友愛だったらどうしよう。
全身の血が顔に集まってくる。
色恋には疎いアシュレイだがいい加減に分かった。アシュレイはクライヴに惚れてしまった。陽気で豪快なところ。面倒見がよくて仲間思いなところ。傲慢と見せかけて繊細なところ。クライヴを構成するすべてが好ましい。
「少し酔ってしまったようだ。今夜はこれで失礼する」
アシュレイはりんご酒を飲み干すと、逃げるように酒場を出た。
店内は多くの人で埋め尽くされていた。
「リッキー! 無事でよかった!」
「心配かけやがって!」
リッキーは苦笑いを浮かべ、その場にへたり込んだ。
「ははっ。もう限界です……」
ヒーラーがやって来て、リッキーの傷を癒した。リッキーの顔色がよくなっていく。
クライヴの舎弟たちは酒を注文すると、ジョッキを高く掲げた。
「われらがクライヴさんに乾杯!」
「俺だけじゃねぇよ。アシュレイも協力してくれた」
「氷撃のアシュレイが?」
「心まで氷でできてるって噂の御仁なのに」
「アシュレイは確かに単独行動が多いが、決して冷たい奴じゃない。誰よりも優しい男だ」
面と向かって褒められたので、アシュレイは照れてしまった。クライヴの顔をまともに見ることができない。
うつむいたアシュレイの肩に、クライヴが手を回した。
「今夜は一緒に飲もう、アシュレイ」
「……一杯だけだぞ」
「よっしゃ! おーい! 酒を持ってきてくれ」
乾杯をしたあと、アシュレイはジョッキに口をつけた。りんご酒の爽やかな酸味が舌の上で弾ける。酒とはこんなに美味しいものだったのか? アシュレイは自分の感覚が信じられなくなった。
クライヴがそばにいる。
ただそれだけで心が感じやすくなり、鼓動が乱れる。こんな気持ちになったのは初めてだ。
「どうした、アシュレイ。りんご酒は嫌いか?」
「いや……。なんだか胸がいっぱいで」
「そうか。リッキーを救出できたからな! 感動もひとしおだよな」
クライヴは舎弟たちと歌い始めた。ところどころ音程を外しても気にせず、楽しそうに口ずさんでいる姿がクライヴらしいと思った。アシュレイの口元が自然と緩む。
治癒が完了したリッキーが、アシュレイのもとにやって来た。
「アシュレイさん。今日は俺のために尽力していただき、本当にありがとうございます」
「気にするな。俺も駆け出しの頃は先輩に助けられたものだ」
アシュレイが微笑むと、リッキーが目を丸くした。
「氷撃のアシュレイは誰とも馴れ合わないって聞いてたけど……アシュレイさん、めちゃめちゃ優しいですね」
クライヴが嬉しそうな表情で会話に加わってきた。
「そうだろう、リッキー! アシュレイは優しいんだ。俺がビギナーだった頃、落とし穴にはまっているところを助けてくれた」
「そういえば、そんなことがあったな」
「あの日から俺は……アシュレイのことが……」
どくんと鼓動が跳ねた。
クライヴの言葉の続きを知りたいのに、怖くてたまらない。もしもクライヴがアシュレイに対して抱いているのがただの友愛だったらどうしよう。
全身の血が顔に集まってくる。
色恋には疎いアシュレイだがいい加減に分かった。アシュレイはクライヴに惚れてしまった。陽気で豪快なところ。面倒見がよくて仲間思いなところ。傲慢と見せかけて繊細なところ。クライヴを構成するすべてが好ましい。
「少し酔ってしまったようだ。今夜はこれで失礼する」
アシュレイはりんご酒を飲み干すと、逃げるように酒場を出た。
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追記:読んでくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました!!
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